世界中で大炎上中のYouTuberローガン・ポールは日本で一体何をしでかしたのか?
チャンネル登録者数は1500万人を超えるアメリカ人YouTuberのローガン・ポール氏が、海外および日本国内で大炎上中です。ポール氏は以前から仲間と少し行き過ぎと感じるレベルの悪ふざけの様子をムービーでYouTube上に公開しており、炎上騒動が起きる前の時点でそのクレイジーさに目を付ける人がいたほど。ただし、悪ふざけムービーだけを公開していたわけではなく、著名人とのコラボレーションなども行っていたそうです。
そんなポール氏は2017年に日本へやってきた際にさまざまなムービーを撮影。ムービーにはポール氏が日本でやりたい放題を繰り返している様子が収められており、一般人や商業施設の店員、果ては警察官にまで迷惑をかけている様子がよくわかります。ポール氏のYouTubeチャンネルには、記事作成時点も「東京で道行く人にモンスターボールのクッションをぶつけるムービー」や「悪ふざけが過ぎてお寺から出て行くように警備員に注意されるムービー」などが公開されているのですが、そんなポール氏が東京で行ったイタズラの数々を別のYouTubeアカウントがまとめたムービーも公開されています。
Logan Paul Being Massively Disrespectful In Japan - YouTube
しかし、これらのムービーが大炎上につながったわけではありません。
大きな問題として取り上げられることとなったのは、ポール氏が日本へ来日した際に撮影し、2018年1月になって公開した「青木ケ原樹海で自殺した男性の遺体を撮影したムービー」です。ムービーは既に削除されており、ポール氏は自身のYouTubeアカウント上に謝罪ムービーも公開しているのですが、遺体を撮影の小道具として使ったことで多くの人々から批判の声が殺到しています。
日本の青木ケ原樹海でボランティア支援 遺体撮影のユーチューバーを批判 - BBCニュース
海外でもポール氏の行動が問題視されており、イギリスの大手新聞であるThe Guardianも記事を掲載。
Logan Paul has behaved despicably. But he’s part of a wider trend | Emily Reynolds | Opinion | The Guardian
The New York Timesは「YouTubeのスターであるローガン・ポールが死体のムービーを投稿したのは『間違い』だ」と報じています。
Logan Paul, YouTube Star, Says Posting Video of Dead Body Was ‘Misguided’ - The New York Times
The Vergeは「これはローガン・ポールとYouTubeだけの問題ではない。ソーシャルメディアにおけるモラルのコンパスが壊れている」というコラムを掲載。
It’s not just Logan Paul and YouTube — the moral compass of social media is broken - The Verge
著名人からも批判の声がわき上がっており、妹が自殺したという女優のアンナ・アカナさんは、Twitter上で「私の兄が自殺した妹を発見したとき、彼は恐怖と混乱と悲しみの中、叫びながら妹を助けようとしました。この遺体も誰かが愛した人のはず。自殺者の多い森でカメラを持って歩くべきではないし、自殺防止を呼びかけようともしていない」とツイート。
Dear @LoganPaul,
— Anna Akana (@AnnaAkana) January 2, 2018
When my brother found my sister’s body, he screamed with horror & confusion & grief & tried to save her. That body was a person someone loved.
You do not walk into a suicide forest with a camera and claim mental health awareness.
多くの批判の声を受け、YouTubeは公式Twitter上でポール氏への対処について記した公開書簡を投稿しています。
An open letter to our community:
— YouTube (@YouTube) January 9, 2018
Many of you have been frustrated with our lack of communication recently. You’re right to be. You deserve to know what's going on.
公開書簡は複数のツイートにまたがって書かれており、内容は以下の通り。
多くのユーザーは最近の我々のコミュニケーション不足にフラストレーションをためていることでしょう。あなたは正しい。ユーザーは何が起こっているのか知る必要があります。他の多くの人たちと同じように、我々は先週共有されたムービーに腹を立てています。自殺は冗談で行われるものではないし、これが視聴者の興味を引きつけることもありません。アンナ・アカナさんが言ったように、『この遺体も誰かが愛した人のはず。自殺者の多い森でカメラを持って歩くべきではないし、自殺防止を呼びかけようともしていない』。YouTubeでコミュニティを形成しているクリエイターの多くが信頼できる人であると期待しています。(しかしポール氏のアカウントは信頼を裏切り、)Googleのコミュニティガイドラインに違反したため、適切に対処しました。我々はこの問題への返答を出すのに長い時間をかけてしまいましたが、すべての人々の意見をしっかり聞いてきました。あるクリエイターの行動がコミュニティ全体に与える影響の大きさを我々は知っています。このようなムービーが今後配信されないように、この経験を多くのユーザーと共有する必要があります。
YouTubeはポール氏のアカウントへ処分として、予定されていたYouTube Redでのムービープロジェクトを保留にすることを発表し、Google Preferredからポール氏のアカウントを外すことも明かしています。
なお、YouTubeはポール氏への処分としてアカウントの削除は行っていません。そのためか、Change.orgではポール氏のYouTubeアカウントを削除するための署名活動がスタートしており、既に47万人が賛同しています。
キャンペーン · YouTube: Delete Logan Paul's YouTube Channel · Change.org
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