カフェインはどうやって目覚まし効果を発揮するのか?アニメで解説


眠気覚ましにコーヒーを飲む人の多くは、コーヒーに含まれる「カフェイン」の効果を狙っているわけですが、一体カフェインはどのようにして目覚まし効果を発揮しているのか?飲み過ぎるとどうなるのか?などを、TED-Edがアニメーションムービーで解説しています。

How does caffeine keep us awake? - Hanan Qasim - YouTube


1年間に世界で消費されるカフェインの量は10万トンに及びます。


これは、14棟のエッフェル塔に匹敵する重量です。


カフェインのほとんどはコーヒーやお茶から摂取されています。


しかし、ソーダーやチョコレート、カフェイン錠剤、そしてデカフェ飲料にもカフェインは含まれています。


カフェインを摂ると、注意深くなり、集中力が増し、幸せで精力的になれます。


たとえ、睡眠不足の状態でも効果を発揮します。そして、心拍数と血圧を上げて、不安な気分にもなります。


カフェインは世界で最も広く使われているドラッグと言えるかもしれません。では、カフェインは、どのように眠気覚ましになるのでしょうか?


カフェインは植物から抽出されますが、それにはいくつかの目的があります。


一部の葉や種から見つかるハイドーズのカフェインは……


虫を殺す毒薬としての役目を持ちます。


他方で花の蜜に含まれているカフェインは……


花に何度も虫を戻ってこさせる役割を果たします。


カフェインは人間の体内では神経システムを刺激する効果をもたらします。


そして、カフェインは眠気の鍵となる物質の働きを妨害することで、眠気を覚まします。


それはアデノシンと呼ばれる物質です。


人間の体はエネルギーを要求しますが、ATPと呼ばれる物質を分解することでエネルギーを得ます。


ATPによってアデノシンは放出されます。


脳のニューロンはアデノシンに完璧にマッチする「レセプター(受容体)」を持っています。


アデノシンがレセプターに合体すると……


生化学反応が起こります。


これによって、ニューロンは不活性化されます。そして、脳の信号伝達に重要な働きをする物質の放出を抑制してしまいます。


こうして眠気が起こるのです。


一方、カフェインは「アデノシン拮抗(阻害)作用」を持ちます。


アデノシンがレセプターと合体するのをカフェインが邪魔するというわけです。


実は、カフェインとアデノシンは分子構造が似通っています。


そのためアデノシンの代わりに、レセプターにカフェインが先回りして合体することさえ可能です。


まとめると、アデノシンのニューロンに対する働きを……


カフェインは邪魔するということ。


こうしてカフェインは眠気が起こらないようにします。


いくつかのニューロンは、ドーパミンと呼ばれる物質の受容体にも関係しています。


あるドーパミンは、緊張に打ち勝つように脳に働きかけを行います。


ドーパミンによって緊張が解け、陽気な気分になることができます。


アデノシンがレセプターと合体すると、ドーパミンはレセプターと合体しにくくなります。


これに対して、アデノシン受容体に合体することのできるカフェインは、合体したとしてもドーパミンの合体を阻害する作用はなし。そのため、ドーパミンがレセプターに合体できるので、カフェインを摂ると気分が良くなるというわけです。


また、カフェインを長期間摂取することはパーキンソン病やアルツハイマー病や特定の癌などの病気に罹患するリスクを下げる効果があることも分かっています。


さらに、カフェインは体の脂肪を燃やす機能を助けることも分かっています。


実際、いくつかのスポーツではカフェインを摂取することは、運動能力を高めてアスリートに不公平なアドバンテージを与えると考えられています。そのため、カフェインの摂取量に規制が設けられています。


1972年から2004年までの間、オリンピック参加者は血中カフェイン濃度を低く抑えることが義務づけられていました。


もちろん、カフェインは体にとって良い効果ばかりではありません。


集中力が高まると同時に、心拍数は多くなり血圧は上昇します。


また、利尿作用や下痢や不眠をもたらしたりします。


カフェインを日常的に摂ると、脳はその状態に適応してきます。


アデノシン受容体がカフェインで占領されるようになると、新しいアデノシン受容体が現れて、アデノシンと合体するようになります。こうして、カフェインだらけでもアデノシンは効果を発生させて、脳を休めようとします。


そこで、眠気を覚まそうとさらにカフェインの摂取量を増やすという行動につながります。


カフェインの摂取を急に止めると、アデノシンを阻害するものがなくなるせいで、不快でふさぎ込んだ気持ちになるかもしれません。


そして、頭痛や倦怠感、落ち込んだ気分を生じさせます。


しかし、数日たてば余分にできたアデノシン受容体は消えてしまいます。


体はリセットされるので、昔のようにカフェインの目覚まし効果が復活することになります。

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