「宿無し」につけ込んでセックスを強要するインターネットの書き込みの存在
By Silvia Sala
家賃を支払うお金がなく、住むところもままならない若者を「ターゲット」にして、自分の部屋に泊めるかわりにセックスを強要する行為がイギリスで問題視されています。
Online adverts 'exploit homeless for sex' - BBC News
http://www.bbc.com/news/uk-england-39568458
BBCなどの調査によると、インターネット上では、部屋の賃貸情報のような形で泊まる場所を提供するかわりに性的な行為を示唆する書き込みが多く見つかっているとのこと。そのような書き込みや契約行為がただちに違法ということにはなりませんが、イギリス下院のピーター・カイル氏などはこの手の勧誘を違法にすべきであると指摘しています。
書き込みの多くは、クレイグズリストのようなコミュニティサイトに投稿されているとのこと。あるチャリティ団体が調査したところ、クレイグズリスト上でそのような書き込みが100件以上も見つかる日があったそうです。
ある学生が実際のエピソードをBBCに語っています。ネット上で「広告」を見つけたこの女性は、部屋を提供する男性との間で合意を結びます。男性の自宅を訪れた女性はまずリビングに通され、男性から飲み物の提供を受けました。そしてその直後、男性は女性を自宅の2階へと案内し、そこで行為に入ったとのこと。その時の様子を女性は、「男性は自分がしたいことを、無理やりに行ってきました。私はなすがままの状態でそれを受け入れました。そして3回目になったとき、私は体に不調を感じ始めました」と振り返っています。
By Alex Dram
BBC South Eastが調査した内容によると、書き込みの内容は「自宅を訪れてガールフレンドのように振る舞うこと」や「サービス」を求めるもの、中には若い男性を対象としたものも存在していたとのこと。さらに、明確に「みだらな女性 (naughty girl)」を対象にしたものもあり、本人はそれが意味することをわかった上で書き込みを行っていたそうです。
書き込みを行った男性に話を聞くと、「週に1回ぐらいを考えています。セックスができるのならハッピーだ」という人物や「週に2~3回ぐらいは合意して誰かが部屋にやって来ます。ここは賃貸なのでいわば家賃がタダのルームメイトみたいなものです。」と語っていたとのこと。
女性問題に関するイギリスのNPO法人「Brighton Oasis project」のメル・ポッター氏は、「これは人々をわなに陥れ、暴力や虐待につながる危険性をはらんでいるものです」と指摘しています。また、奴隷行為に反対するチャリティ団体「Unseen」のアンドリュー・ウォリス氏は「これは法律を犯さないギリギリのところにある行為です。『相手が望んでやってきた』と彼らは言いますが、弱みを持つ人物がそこにつけ込まれると、もうそこから『選択する』という概念が消え去ってしまいます」と語っています。
By Fashionby He
これらの指摘に対し、ある男性はこの形態は「お互いにメリットのある友人関係」だと述べています。その人物は「家賃をつり上げている家主だって利益を得ていると批判することができます。強要しているわけではないが、みな事情をよく理解した上でやっています。自分はそこからメリットを得ようというタイプの人間ではないが、両者がお互いにメリットを備えているのであり、いわば『ウィン・ウィンの関係』だと思っています」と語っています。
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