VRヘッドセット「Oculus」の技術盗用を巡る裁判でFacebookが約566億円を支払うことに
By Pricenfees
VRヘッドセットを開発する「Oculus」の技術盗用を巡る訴訟で、Facebookが買収したOculusに5億ドル(約566億円)の支払い判決が下されました。
Facebook ordered to pay ZeniMax $500 million in lawsuit against Oculus VR - Business Insider
http://www.businessinsider.com/facebook-ordered-to-pay-zenimax-500-million-in-oculus-vr-lawsuit-verdict-2017-2
Oculus lawsuit ends with half billion dollar judgment awarded to ZeniMax - Polygon
http://www.polygon.com/2017/2/1/14474198/oculus-lawsuit-verdict
Oculus ordered to pay $500 million in ZeniMax lawsuit - The Verge
http://www.theverge.com/2017/2/1/14442212/facebook-oculus-zenimax-vr-lawsuit-verdict-palmer-luckey
この裁判は「DOOM」や「Quake」といった大型ゲームタイトルで知られる大手ゲーム開発会社のZeniMAX Mediaが、Facebook傘下のOculusを相手取り起こしたもの。ZeniMAX Mediaの訴えによれば、Oculusの創立者であるパーマー・ラッキー氏が、ZeniMAX Media傘下のid Softwareが開発していたVRの極秘技術を、id Softwareの共同設立者のジョン・D・カーマック氏、および5人の社員を雇い入れるのと引き換えに不正に入手したとのこと。カーマック氏はOculusの現CTOを務めていますが、就任の際に秘密保持に関するZeniMAX Mediaとの雇用契約を破ったとZeniMAX Mediaは主張しています。
Oculusの現CTOのカーマック氏。画像は2009年のもの。
By QuakeCon
裁判では、OculusがZeniMax Mediaから不正に入手した技術をOculusのVRヘッドセットに使用した点は認められませんでしたが、パーマー氏の秘密保持契約違反を認め、Oculusに対して5億ドルの賠償金を支払うよう命じました。賠償金の内訳は、Oculusが秘密保持契約違反および著作権侵害、虚偽表示で3億ドル(約339億円)、Oculusの元CEOのブレンダン・アイリブ氏が1億5000万ドル(約170億円)、ラッキー氏が5000万ドル(約56億円)となっています。
Oculusの広報担当者は裁判の結果に対して「我々は判決に失望しています。Oculusの製品はOculusの技術で作られています」とコメント。また、Oculusを傘下に持つFacebookのCOOであるシェリル・サンドバーグ氏は「判決は弊社の財政において重要ではない」とインタビューで答えています。
主張が認められた形のZeniMax Mediaのアントニー・サミル弁護士は「喜ばしい判決になりました。賠償金の支払いは、クライアントが知的財産を盗まれたことで受けた被害を反映したものです」と話しています。また、ZeniMax MediaはOculus Riftの販売を停止させる次なる訴訟を起こす可能性があることを示唆しました。
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