取材

台湾の夜市ではこのような食べ物や料理を食べ歩くことができる


1週間通い続けても食べ尽くせそうにない屋台の数。ぶらりと歩いたら熱を帯びた食材や料理から、食欲をかきたてる匂いが漂ってきます。我慢することなんて無理でした。毎日のように夜市に通っていました。

こんにちは、自転車で世界一周をした周藤卓也@チャリダーマンです。タイのナイトマーケットといい、台湾の夜市といい旅の最後は食べてばかりでした。太りました。「いや、取材ですから」と、そのような言い訳にしたいので、ちょっと遅くなったのですが、台湾の夜市にある屋台飯をまとめてみました。

◆台湾と夜市
日中は暑すぎるので夜の方が動きやすいという気候要因。食事は外食で済ますという国民習慣。こうした事情もあって、台湾では夜市が人々の生活に根付いています。どこの都市でも夜になると屋台が集まる場所がありました。

◆饒河街観光夜市
2年連続2度目、今年7月後半は台湾に滞在していました。台湾の中心になる台北市ではたくさんの夜市が開かれています。今回は松山駅の近くのホステルに泊まっていたので、そこから歩いてすぐの饒河街観光夜市に通っていました。

この門が夜市の入り口。反対側にはもう1つ同じ門があります。約600mの1本道に屋台や露店がずらーっと並びます。


車道の中央を屋台が固めるので、その両端が人の通り道です。行って帰ってこないとすべてのお店を把握できません。


茹で上がって真っ赤となったエビが放つ湯気。


饒河街観光夜市ではこんなものを食べていました。

・大腸包小腸
大腸包小腸は台湾版のホットドッグのようなファストフードです。1つ55台湾ドル(約180円)です。


パンの代わりにご飯を使ってソーセージを包みます。ご飯はもち米なのでボロボロこぼれたりしません。もっちりもちもちのご飯にカリッと皮が焼けたソーセージ、ピリッと辛い高菜、みじん切りのにんにくを挟みます。少々脂っこいスタミナフードでした。


・圓圓焼
圓圓焼(まるまる焼)なんて聞いたことのない料理。でも、こちらの屋台は行列ができるほどの人気でした。気になったので私も一つ買ってみました。


パッと見はお好み焼きですが、鉄板上の丸い枠に種を流すという違いがあります。


盛り付けもお好み焼きでした。なぜか、わさびが付いてきます。枠があったのでケーキのような仕上がりでした。お好み焼きよりは生地が厚いのでふっくらとした食感です。


・ピザ
中華、和風の屋台ばかりではありません。洋風のピザまでやっていました。1枚60台湾ドル(約200円)でした。


具材を乗せた生地がベルトコンベアで運ばれて、あっという間に焼き上がります。


カリッと焼けた生地にとろーりとろける濃厚チーズ。シンプルながらも求めていたピザが出てきました。


・薬燉排骨
こちらも人気の屋台でテーブルの周りにはいつもお客さんが座っていました。


薬燉排骨(スープ)が60台湾ドル(約200円)、魯肉飯が25台湾ドル(約80円)というお値段。


「薬」と名前に入ってるだけにあっさりとしたスープです。ひたすら豚の骨付き肉にしゃぶりついていました。実は、ちゃんと漢方薬の入った薬膳料理になるようです。


魯肉飯は醤油ベースの煮汁で煮込んだ細切りの豚肉を白飯にぶっかけたどんぶり飯です。日本の牛丼のような国民的ファストフードで台湾の食堂の定番メニューでした。


・サイコロステーキ
お肉好きには嬉しいステーキの屋台もありました。


バーナーの青い炎で全体に火を通していきます。ゴォーっという音を立て、ショーを見ているかのようでした。


網の上のお肉。


一人前は100台湾ドル(約330円)でこのような感じです。お手軽な値段から成型肉のようにボロボロになると思いきや、口に入れても崩れないしっかりとした肉でした。表面は程よい焼き加減。口に入れるとハフハフと肉汁があふれてきました。


・ビッグチキンカツ
その大きさに目を奪われたビッグチキンカツ。こちらも100台湾ドル(約330円)でした。


これまでの人生で一番大きなカツに心躍りました。揚がった後は食べやすいようにスライスしてもらいます。


でも、これは失敗でした。衣がサクッとしてなくズッシリ重く、油を吸っているので胃がしんどくなりました。見かけを大きくするために、分厚い衣が付いていました。


・燒烤杏鮑菇
大きなキノコが網の上で焼かれていました。一軒だけじゃなく何軒か屋台が出ていました。


おさわり探偵の「なめこ」の縫いぐるみが吊るされています。とはいっても、メニューの「杏鮑菇」は中国語でエリンギのこと。


大(手前)、小(奥)と2種類の大きさがあります。1人だったので50台湾ドル(約165円)の小サイズを注文。


しっかりと火が通った後に、まな板の上で一口サイズに切り分けます。


できあがりは皮付きのフライドポテトにも似た外観でした。口に入れるとコリコリと食感がクセになる絶品。噛めば噛むほどエリンギから染み出すうま味が口いっぱいに広がります。台湾でエリンギのおいしさを知るとは思ってもいませんでした。


・タピオカミルクティ
台湾の国民的飲み物として有名なタピオカミルクティは、もちろん夜市でも手に入ります。中国語では「珍珠奶茶(zhēnzhū nǎichá)」という表記。甘い甘いミルクティに粒状の粉圓(タピオカパール)を入れた飲み物です。太いストローを通って口に入るツルッとした舌触りと白玉のような弾力感を持った黒いつぶつぶ。飲み物を食べるという不思議なことをしていました。

ミルクティの底に沈む黒いつぶつぶがタピオカパール(粉圓)です。


「飲爆飲料吧」というお店が安く、タピオカミルクティが35台湾ドル(約115円)でした。


・涼圓
暑い夏の夜に口にしたい涼圓というデザート。半透明の見た目が人々を涼しさにいざないます。


日本のわらび餅にあんこが入ったようなスイーツでした。


・マンゴーかき氷
一通り食べ歩いた後の締めはかき氷が定番でした。

お店のショーケースにはフルーツや豆……


イモにタピオカと様々な具材が並んでいます。


台湾スイーツとして日本でも人気のマンゴーかき氷を注文しました。90台湾ドル(約300円)でした。


とろけるような柔らかマンゴーと甘い甘い練乳という組み合わせ。冷くて甘くて、頭がボーっとするような至福に浸れるかき氷でした。


◆基隆廟口夜市
今回の旅では、これまで行ったことがなかった台北近郊の基隆(キールン)市にも足を運びました。基隆市は東京でいう横浜のように台北の外港にあたる港湾都市。かつて日本一周をしていた頃には、沖縄から定期航路もありました。手を伸ばしたら届く距離にあって、私が初めて外国を意識した場所でした。基隆だと廟口夜市という名前でした。

日本の夏祭りと重なった等間隔に吊るされた提灯。


屋台やテーブルが所狭しと並んだ道路の中央を、ひっきりなしに人々が行き交います。


ジューススタンド。


豚の丸焼きも発見。


水槽の中でみつけたカエルさん。これもまな板の上で捌かれてしまうのでしょうか?


基隆の夜市ではこんなものを食べていました。

・肉圓
蒸籠の上に並んだ肉団子は「肉圓(バーワン)」という料理でした。映画「千と千尋の神隠し」の冒頭で千尋のお父さんが豪快に食べていたのがこれ。


味のついたトロッとした餡と一緒に頂きます。一皿55台湾ドル(約180円)でした。


モッチリとした皮の中にはぎっしりと肉が詰まっていました。プニプニとした皮は独特の食感。餡はアクセント程度にピリッと辛し。緑のパクチーはお口直しに。


・奶油螃蟹
港町だからこそ海産物の屋台が多かったです。せっかくの機会なので、この夜市で有名な蟹のバター蒸しを食べてみました。

「奶油螃蟹」という看板が出ています。「奶油」がバターの意味。


屋台の店頭には蟹、貝、エビと海の幸が並んでいました。


蟹は雄より雌の方が高い値段でした。お店の人が「雌の方がおいしいわよ~」というので雌を注文。280台湾ドル(約920円)でした。どうせ食べるなら、おいしい方を選ぶのです。

そうしてやってきた蟹がこちら。アルミの器という湯船に浸かって真っ赤にのぼせ上がっていました。


パカっと甲羅を開けると裏側に卵がくっついていました。雌を勧められた理由はこれ。オレンジ色をした蟹の卵は焼いた明太子のようにプチプチ。薄味ながらもうま味の詰まった卵でした。


蟹の身はほじくり出すのに一苦労。はさみにはお店の人が切れ目を入れていました。ホクホクした柔らかい身をバターのコクとカニのうま味が合わさったスープに浸していただきます。手をグチョグチョにしながら蟹を解体していきました。


一通り食べ終わった後もスープをすくうスプーンが止まりませんでした。この蟹バタースープをぶっかけた白いご飯が食べたいと、どれだけ願ったことでしょう。

・油飯と螃蟹羹
こちらも基隆の名物のようで、屋台もかなり目立っていました。蒸籠の上の油飯(炊き込みご飯)がどうしても目に留まります。


油飯は35台湾ドル(約115円)、螃蟹羹というスープは55台湾ドル(約180円)でした。


油飯は峠の釜めしのように何処か懐かしくなる素朴な味でした。米の一粒一粒が出汁でコーティングされています。


トローッとしたスープにはタケノコやシイタケが具材として入っていました。蟹の身もありました。


・かき氷
基隆の夜市でもかき氷を食べています。


「蜜芋頭」は砂糖で煮詰めた甘い甘いサトイモ。「冰糖蓮子」は豆の味がする蓮の実の砂糖漬け。「豆花」はとろけるようにやわかな無味の豆腐。「粉圓」はタピオカミルクティにも入ってる変わった食感の黒い粒。4つの具材が入ったかき氷でした。


いろいろと具材があるのでメニューも豊富。「木耳」とキクラゲもデザートになるんですね。


◆台東観光夜市
2015年12月に自転車台湾一周のときも夜市で食べ歩いていました。台湾東部の台東の夜市にはこんな食べ物がありました。

・たこ焼き
1つ1つがドラゴンボールくらいの大きさになるたこ焼きを作っていた屋台。


型にコーンを入れて、その上から種を流し込みます。


タコだけじゃなく、エビ、すり身団子、ブロッコリー、しいたけ、かぼちゃという豊富な具材。


こんなに大きなたこ焼きも器用に回して丸い形にしていました。


容器は紙コップでした。ぴったしと収まる絶妙なサイズです。


最後にかつお節や青のりをふりかけてできあがり。


たこ焼きという先入観があると「あれ?」となるので別の料理と考えるといいでしょう。具材が賑やかすぎてたこ焼きじゃなかったです。一風変わった粉もんでした。


「章魚哥大丸子」という屋台でした。ネーミングは「日船章魚小丸子」という台湾の有名たこ焼きチェーンのパロディのよう。中国語で「章魚」がタコ、「哥」は兄の意味。大きなたこ焼きなので「大丸子」といったところでしょう。

愛嬌たっぷりだった中の人。


◆牡蠣
山のように積まれた牡蠣の山。ビニール手袋をしたお店の人がナイフを使って器用に剥いていました。


12個ほど入った一皿が50台湾ドル(約165円)と驚きの値段。


磯の風味が詰まった牡蠣の身を貪りつくように次々と口に運んでいました。


◆ゲームコーナー
こうした台湾の夜市には子どもたちが遊ぶゲームコーナーが必ずといっていいほどあります。遊ぶ子どもたちの無邪気な顔と見守る親御さんの穏やかな顔。何があるのか気になって、こうしたゲームコーナーもチェックしていました。

おもちゃの銃を使った的当て。


こちらは弓矢を使って風船を割っていました。


日本と同じような金魚すくいもあります。


エビも釣っていました。釣り上げたエビはその場で焼いて食べることができるそうです。


ゲームの台上にいた目がいっちゃっているハム太郎。


せっかくなので動画も撮りました。

台湾の夜市でみつけたうっひゃひゃ恐怖のハム太郎、目がいっちゃってる ・・・・ - YouTube


ひと通り紹介させいただきましたが、台湾の夜市はこれだけではありません。まだまだいろんな食べ物がありました。日本に比べたらお値段もお手頃。台湾訪問の際は、夜市で食べ歩いてみるのはいかがでしょう?胃も心もきっと満たされることでしょう。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak
)

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in 取材,   , Posted by logc_nt

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