取材

食欲をかきたてられる中国本場の中華料理はこのような感じでした


ゴォーっとスペースシャトルを打ち上げているようかの高火力。熱した鍋の上でパチパチッと油が弾けたら具材を投入。しばらくすると、ジーッジーッと具材から水分が抜けていきます。シュッシュと振る鍋にカツカツとお玉が相槌。しっかりと具材に火が通ったらできあがり。ホクホクの湯気を上げたお皿がやって来るのです

こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。モンゴル訪問のために約7年ぶりに中国を旅してきました。厨房から聞こえてくる音はかつて旅した頃と変わっていません。中国の食堂にはこんな料理がありました。

◆今回の旅
・蓋飯
熱を加えてトローッと崩れてしまったトマトからあふれ出るうま味。ちょっぴりしょっぱいフワッとしたスクランブルエッグ。数ある中華料理の中でも西紅柿鶏蛋というメニューはお気に入りでした。その西紅柿鶏蛋のぶっかけ飯。西紅柿がトマト鶏蛋が卵という意味になります。


麻婆豆腐蓋飯は日本人にも馴染みの深い麻婆豆腐のぶっかけ飯です。ホフホフとした豆腐とそぼろ状の豚の挽肉とピリ辛の唐辛子という組み合わせ。


葱と豚肉の炒め料理である葱爆肉蓋飯にはこれでもかというくらいに大量の葱が入っていました。風邪を引いたときに食べてみたい料理でした。


いわゆるぶっかけ飯、丼ものが「蓋飯」となります。メインは炒め物なので厨房からは強い火力と中華鍋で具材を炒める音が聞こえてきました。食堂でこの音を聞いて中国に帰ってきたと実感するのでした。以下のムービーで、映像としては写っていませんが、音だけでも感じてもらえるのではないかと思います。

厨房からロケットを打ち上げているような音が聞こえてくる中国の食堂 - YouTube


・麺料理
日本でも聞いたことのあるジャージャー麺は北京を代表する庶民料理でした。ふと入った北京の食堂でも壁に張り紙までしてアピールをしていました。つるっとした食感に強い腰のある麺に味噌ベースのソースを絡めて頂きます。具材のシャキシャキとした野菜、コリコリっとした大豆も合っていました。


牛肉麺は日本のラーメンのような麺料理。ストレートの小麦麺とあっさりとしたスープで特徴です。炒め物のように油っこくないので胃にも優しい一品でした。


お肉多め牛肉麺。


・点心
蒸籠の網目から空に向かって立ち上る水蒸気。歩いてる途中にそんな食堂が目に入ればついつい足も止まります。


この時は肉まんを小さくしたような小籠包(ショウロンポウ)と卵スープを食べました。2つ合わせて9元(約140円)でした。


北京市内を歩いているとホクホクとした湯気を上げる大きな蒸籠(せいろ)が目に飛び込みました。中には包子(肉まん)が入っていました。


生まれて間もないホクホクとした肉まん。1個2元(約30円)でした。


ふっくらふかふかの皮が破けると熱々の肉汁が口の中いっぱいに広がります。皮だけじゃ味がしません。具だけでは味が濃すぎます。この2つが合わさって1つの食べ物になるわけです。


中華料理の主菜やスープ以外を点心と呼びます。あんまんや杏仁豆腐といったおやつは甜点心、餃子や小籠包といった軽食は鹹点心とという分け方。がっつしとした食事ではない料理が点心といった感じですね。

◆過去の旅
今回は計12日の滞在でしたが、過去には2008年4月7日~5月8日(31日)、2009年5月28日~9月22日(117日)と、計5ヶ月ほど中国を旅しています。自転車で走っていた頃ははち切れんばかりの量もぺろりと平らげていました。中国の人は基本的によく食べるみたいで、食堂で出てくるお皿はいつも大盛りでした。

・ご飯もの
ちょっと油っぽいのですが本場の炒飯(チャーハン)。


商業施設のフードコートには一工夫凝らしたカレー味のチャーハンもありました。


牛肉の入った野菜炒めのぶっかけ飯。ボリュームのある男飯です。


過去の旅でも葱爆肉蓋飯を食べていました。お皿一面が葱づくし。


・麺料理
どこの街にでもあった牛肉麺は中国旅の定番。


煮込みうどんのような麺料理。


中華風のまぜそば。ジャンクな感じで箸が進みます。


北朝鮮と国境がある丹東市では朝鮮系中国人が多いこともあって食堂には朝鮮冷麺もありました。ツルツルとした腰のある麺と酸味が利いた冷たいスープの相性は抜群。ぴりっと辛いキムチはアクセント。


炒麺(チャーメン)は中華風焼きそば。中華鍋を使うので熱々の状態でテーブルに運ばれてきます。


小麦の塊を刀で削って麺にしたのが刀削麺という料理でした。ふぞろいの形となる麺は独特の食感を生み出します。


ウイグル自治区では拌麺というアジア風スパゲッティを食べることができました。ミートソースのスパゲッティのように具材と麺が別々です。


こちらも拌麺ですが中国らしくはみ出さんばかりの大盛りでした。この拌麺は中央アジアにも同じ料理があってラグマンと呼ばれています。


小麦麺だけでなく米麺(河粉)を使った麺料理もありました。


トマトベースの汁麺。具材がさいの目となっていて手がかかっています。


・点心
中華料理といえば餃子も忘れてはいけません。一日の走行を終えてから食べる餃子とビールは最高でした。加えて中国の餃子には生にんにくが付いてきます。酢醤油につけて餃子と一緒にかじったりしていました。

日本の焼き餃子と違って中国では蒸し餃子が主流でした。つるっとした歯ごたえある皮にうま味が溢れだしてジュクジュクとなった具が詰まっています。


餃子が蒸籠に乗って出てきた日もありました。


餃子、ビール、生にんにくという組み合わせ。食堂の机には生にんにくが置いてあるので、薄皮をむいて酢醤油につけてかじっていました。生で食べるにんにくは下手なエナジードリンクよりも滋養強壮効果があります。道理で中国の方々はいつもパワフルなわけで……。


皮がパリッとした焼き餃子を食べたこともありました。この時も餃子の合間ににんにくをかじっていました。


肉まんを小さくしたような小籠包もよく食べていました。中国の定番でした。


蒸したての蒸籠のままやって来ることが多かったです。


めちゃくちゃ食べています。スライムみたいです。


朝食に小籠包という日もありました。豆腐脳というスープの組み合わせ。


雲呑(ワンタン)スープも食べました。観光客なんてまずこないような田舎の集落でしたが、素朴な味のスープながらもしっかりと味のついた肉が詰まったワンタンが浮かんでいて、中国人の食へのこだわりの思い知った一品でした。


・主食
中華料理の主食は米、麺、点心だけではありません。

餡餅は餃子の皮を使ったお餅のような食べ物です。中国語の「餅」の漢字は日本のもちにあらず、小麦を使った食べ物に付いています。


中東のナンのようなシート状のパンもありました。


ピザ生地のようなパンも食べています。羊肉スープと一緒でした。


ご飯の代わりにマントウを注文したこともありました。中身のない肉まんで全く味がしないのですが、油っこい中国の炒め物には合っていました。


ちなみに、お気に入りの西紅柿鶏蛋なら……

ご飯




マントウ


と、このような組み合わせがありました。

・回転テーブル
たくさんの料理を紹介しましたがこれはあくまで中国一人飯。大人数で回転テーブルを囲んで食べる中華料理はまた違います。ずっと一人旅だったので難しかったのですが、また中国に行くのであれば誰かと一緒がいいですね。テーブルの上を賑やかな皿でいっぱいにしたいです。

中国に慣れない頃は一品料理とご飯という組み合わせで食事していました。

そのような注文で一人でたらふくニラを食べた日。


こちらも一人だときつい料理でした。餃子の皮を酸っぱくしたような謎の味でした。


青菜とシーフードの炒め物


じゃがいもを千切りにした炒め物はシャキシャキとした食感がたまりません。


青椒炒蚕というピーマンと卵の炒め物。


キクラゲと豚肉を一緒に炒めた木耳炒肉という料理。


麻婆豆腐と白ご飯という組み合わせの日もありました。


こうした一品料理も誰か一緒だったらテーブルにお皿が増えるわけで、中華料理の真髄はそちらだと思っています。

一般家庭にお邪魔した日の食卓。


ホステルで仲良くなった中国人旅行者とシェアしたご飯。


中国人チャリダーと一緒に走っていた日の朝食。


数えるほどでしたが、誰かと一緒だった中国の食卓は忘れることができません。

このように中国の料理にはかなり思いい入れがあったので今回はまとめさせていただきました。中国と日本は隣国同士。これからも機会を見つけては足を運びたいところです。上海蟹食べたいです。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak
)

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in 取材,   動画,   , Posted by logc_nt

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