スマホのSIMカードのチップを分解すると実は中身が「コンピューター」だとよくわかる
通信するためにフィーチャーフォンやスマートフォンに挿している「SIMカード」は、日常生活でありふれた身近な存在ですが、一体中身がどうなっているのかについて知っている人は意外と少ないものです。SIMカードを分解して中身を解析すると、CPUやメモリを備えデータのセキュリティ対策まで施されたれっきとした「コンピューター」であることがよく分かります。
Decap of a Cell Phone SIM card
https://electronupdate.blogspot.jp/2016/10/decap-of-cell-phone-sim-card.html
GSM用のSIMカードを分解する様子は以下のムービーで確認できます。
Decap of a Cell Phone SIM card - YouTube
携帯電話やスマートフォンに入っているSIMカードとは一体どんなデバイスなのか。分解して解析してみます。
SIMカードの表面のプラスチック層を剥ぎ取って、ダイをむき出しの状態にするとこんな感じ。
まるで最新のビデオコントローラーのようにモジュールがエリア分けされています。
ダイには「SCF384G STARCHIP」の文字。
Googleで検索してみると、フランスのSAFRANというメーカーに行き着いたとのこと。
さらにチップの種類を調べると「SCF384G」チップは、フラッシュメモリが384KB、メモリ14KB、周波数が25MHzのCPUを搭載するコンピューターであることが分かりました。
なお、ARMのCPU「APS3S」を搭載しているそうです。
ちなみに、1989年のコンピューターの性能がSIMカードとほぼ同等。わずか25年の間にコンピューターは、カードのかけらサイズにまで小型化したというわけです。
SIMカードチップのブロックダイヤグラムはこんな感じ。
ダイの左下にある赤色の部分が25MHzで駆動するCPU「APS3S」
フラッシュメモリはプログラムとデータの領域に2分割されて搭載されています。
10KBのメモリは右下に収納。
ダイの中間層をX線で解析します。
ダイの右側には電源セクション。
SIMカードには情報にロックをかけて読み取れなくするセキュリティまで導入されています。カードに付属するほど薄く小さいSIMカードのチップは、それ自体でプログラムを実行できる完璧なコンピューターになってしまっているのです。
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