どうやって1984年に電子メールを送受信していたのか?
簡単にEメールを送受信できるおかげで毎日大量のスパムメールに悩まされている人が多い現代ですが、ムービー「How to send an 'E mail' - Database - 1984 -」を見れば30年以上前にメッセージをオンラインで送信することは思いの外大変だったことがよくわかります。
How to send an 'E mail' - Database - 1984 - YouTube
これは1984年に放送されたイギリスのローカル番組「Database」のシーン。
司会者の女性ジェーンさんが、中継先のジュリアン・グリーンさんとパット夫人に話しかけます。
グリーン夫妻は電話回線につながったコンピューターの使い方を教えてくれるとのこと。
「使い方はとても簡単ですよ」と話すグリーンさんは、電話回線のモジュラージャックを指し示します。
まずは電話回線につながっているコードをモデムに差し替えて……
モデムから出るコードを電話回線のジャックに挿入します。
これが1984年当時のモデム。複数のボリュームが付いているなど大型の機械です。
これがメニュー画面。
コンピューターにコマンドを送信するグリーンさん。
コンピューターが電話回線に接続しています。
電話機でどこかに電話をかけ始めたグリーンさんに、「接続は簡単ですか?」と尋ねています。
「ええ、とても簡単ですよ」と答えるグリーンさんは接続を確認中。
「トーンが聞こえたら、モデムの電源を入れて……」
「受話器を置けば完了です」
画面が変わり、「Prestel」のロゴが登場。「Press(出版)」と「tel(電話)」の造語であるPrestelはイギリスで1979年にスタートしたネットワークサービスです。
「コンピューターがログオン(ログイン)を求めているのでパスコードを入力します」と話しながらグリーンさんは「1、2、3、4」と入力しました。
「Microcomputing」のロゴが現れました。
そして「Micronet」に接続完了。MicronetはMicroconputingのユーザーが利用できる公開の掲示板で、ユーザーが情報を閲覧したり書き込んだりできるパソコン通信のようなサービスです。
サービス名がずらり。
「Electronic mail」というEメールの原形とでも呼べるサービスを紹介するグリーンさん。この電子メールはMicronetを通じてテキストを送受信できるため、当時としては画期的なサービスでした。
「このコンピューターはみんなでシェアしているんですが、ジュリアンと私が主に使っています」と話すパットさん。
「どうしてコンピューターを買ったのですか?」という質問に対して、「新しいテクノロジーに興味があるのです。最新技術に取り残されたくないの」と答えるパットさんは、家計簿の記入やワードプロセッサとしてだけでなく、かかりつけ医と電子メールでやりとりしているそうです。
「今日はMicronetを紹介してもらい、ありがとうございました」とジェーンさんにお礼を言われてサヨナラを告げるグリーン夫妻。この日の放送はここまでです。
そして、別の日の放送。今日は、紹介したMicornetを使った電子メールを試してみるとのこと。
スタンバイ状態のパットさん。
「7776ページにアクセスしてもらえますか?」と宛先を伝えるジェーンさん。
接続完了。
「何かメッセージを送ってみてください」
メッセージを入力したパットさんは、電子メールを送信。
スタジオのコンピューターにメッセージが届いたようです。
パットさんが入力した内容と同じ画面が現れました。
「ありがとうございました」
「このメッセージは印刷することもできます」と話ながら、プリンターのスイッチを入れるジェーンさん。
メッセージがプリントアウトされました。
・関連記事
世界初の磁気ディスク式記憶装置(ハードディスク)「RAMAC」がIBMで誕生するまでの物語 - GIGAZINE
27年前に購入したMacでインターネットにつなぐとどうなるのか? - GIGAZINE
8ビットPC「コモドール64」を21世紀になった今でも現役で使っている自動車修理店が発見される - GIGAZINE
初めてタイプライターを子どもたちが触るとどんな反応を見せるのか? - GIGAZINE
古いカメラを子どもに使わせたらどんな反応を見せるのか? - GIGAZINE
初代iPodを初めて触った子どもたちはどう反応するのか? - GIGAZINE
最新デジタル機器が子どもたちに与えている影響とその対処方法とは - GIGAZINE
・関連コンテンツ