自分の意志で完全に制御できる人工アームは実用化寸前のレベルに到達している
ジョンズ・ホプキンス大学が開発中の「Modular Prosthetic Limb(MPL)」は、腕を失った人が自分の意志でコントロールできる人工アームです。MPL研究に参加した男性がめざましい成果を出し、人工アームの実用化の時が大きく近づいています。
Revolutionizing Prosthetics
http://www.jhuapl.edu/prosthetics/scientists/mpl.asp
MPLを見事に使う男性の様子は以下のムービーで確認できます。
The Real Bionic Man - Superhuman on Vimeo
庭に水をまく男性。
彼は腕に癌を発症しました。
医師は最善をつくしてくれたそうですが、最終的に左腕を切断することになりました。
そのジョニー・マーセニーさんは「今ではロボテクス分野で最先端の男になったよ」と話します。
底抜けに明るいマーセニーさん。自身を「ジョーク・スター」だと説明します。
ベーコンのパッケージをハサミで切るのもまったく苦にしません。
「腕を失ったときは落ち込んだよ。この先どうなっちまうんだという感じだった」
けれども今では日常生活を問題なくこなせます。
ジャガイモを切ったり……
卵を割ったりと、朝食を作るのもお手のもの。
頭のお手入れも問題ありません。
メールを送るマーセニーさん。
メールの宛先は「Modular Prosthetic Limb(MPL:モジュール式人工腕)」の研究チーム。
MPLの研究にマーセニーさんは参加しています。
「MPLはまるで自分の腕のように自由に自分の意志で動かせる人工の腕なんだ」
マーセニーさんはMPL研究の被験者の第1号に選ばれました。
MPLを研究するジョンズ・ホプキンス大学のアルバート・チー教授の触診を受けるマーセニーさん。
MPLを動かせる健康な状態の筋肉を調べています。
ジョンズ・ホプキンス大学に向かうことになったマーセニーさん。
ジョンズ・ホプキンス大学のApplied Physics Labに到着。
腕の状態をチェックしてもらいます。
研究者との久しぶりの再会に会話がはずみます。マーセニーさんにとって研究者たちは共同で研究する仲間というよりも、もはや家族のようなものだとのこと。
マーセニーさんはチタンでできた金属パーツを腕に埋め込んでいます。
このインプラント部分にMPLを接続すれば……
マーセニーさんの腕が復活します。
手を握る動作をするマーセニーさん。訓練によって腕を自由に動かせるようになりました。
棚にコップを戻したり……
帽子を届けたりと、見事にMPLを使いこなしています。
場所が変わって、チー教授の自宅。
ここまで見事にMPLを使いこなすマーセニーさんに驚いているというチー教授。
できる限り早く技術を確立して、一刻も早く実用化に近づけたいという二人の思いが実を結んでいるようです。
子どもとMPLで握手。
キッチンで料理を手伝うマーセニーさん。
カレーのルーがMPLについた模様。女性研究者にばれないように「タオルをとってくれ」と小声でチー教授に話しています。
だんだんと慣れてきたマーセニーさんはMPLでルーを混ぜたり……
冷蔵庫を開けたり。
小さなミニトマトを器用につかむこともできます。
「俺は新しい使命を持っているんだ。MPLが機能することをみんなに見せるために、毎週ちょっとずつ前に進んでいくよ」
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