ドローン便の実用化に燃えるAmazonがドローンを「街灯」に不時着させるシステムの特許を取得
Amazonは「Prime Air」というドローンを使った空中配達システムを開発中ですが、ドローンのバッテリー切れ問題を解消するべく「町中の街灯をドローンの休憩所にする」という何とも奇抜な特許を取得しました。
Unitd States Patent US 9387928 B1
(PDFファイル)http://pimg-fpiw.uspto.gov/fdd/28/879/093/0.pdf
これがAmazonが特許を取得したドローンの休憩所システム。街灯の上にヘリポートならぬドローンポートを設置することで、ドローンが不時着できるというアイデアです。
Amazonの計画では、飛行中のドローンの位置情報はすべてサーバーで管理しており、万一、ドローンが緊急着陸する必要に迫られた場合には、最寄りの電灯上のドローンポートに着陸するように指令が出されます。
これはドローンポートシステムの一例。ドローンポートの上に載っている円柱状の物体はドローンのバッテリーで、ドローンの下にぶら下がっている円柱状の物体もドローンのバッテリーです。仮に、バッテリーが足りずに帰還できないという事態に陥った場合には、ドローンがドローンポートに不時着するとバッテリーを交換することができ、バッテリー不足が解消するというわけです。
なかなか便利な緊急着陸用のヘリポートですが街灯上にあるということで、付近にいる人にはドローンが落下してくるという危険が考えられます。そこで、Amazonはドローンポートに特別なホールドシステムをいくつか考案しています。これは、ドローンが着陸に使うロッドを固定する装置の例。
ロックがかかり、風で飛ばされてドローンが墜落するというような事態を予防できます。
他にもドローンのロッドをスライドさせてホールドするレールシステムや……
ドローンが着陸すると自動的に囲いができるハウジングシステムなどもあります。
さらには、配達中の荷物を落として街灯に回収させるというアイデアもある模様。
システムの電力を太陽光でまかなうアイデアもあります。
特許を取得した技術のすべてが実用化されるわけではありませんが、町中にありふれた街灯をドローンポートとして有効活用するアイデアは非常にユニークです。安全性の担保など、実用化に向けてハードルは高そうですが、街灯さえ利用してドローン便を実現させたいというAmazonのドローン配達プロジェクトへの並々ならぬ意気込みが伝わる特許となっています。
・関連記事
30分以内の配達を実現するAmazonの配達ドローンが劇的進化、着陸方法など最新版ムービー公開 - GIGAZINE
Amazonのドローン配達「Prime Air」の現状をAmazon副社長に直撃 - GIGAZINE
Skype創業者が自動配達ロボット開発のための会社を設立、ドローンではなく地上を走行 - GIGAZINE
スイス国営郵便がドローンによる郵便配達試験を開始へ、およそ5年で運用開始を目指す - GIGAZINE
Googleのドローン輸送システム「Project Wing」の仕組みが特許文書で明らかに - GIGAZINE
Amazonの運送業進出に向けた知られざる物流ハブ構想「エアロスミス」計画とは? - GIGAZINE
・関連コンテンツ