生き物

シロアリが農業を人類よりはるか昔から行っていたことが判明

By Olearys

新生代のシロアリが巣の中でキノコを栽培していた「農場」の化石がアフリカ・タンザニアで発見されました。化石は2500万年前のものとみられ、歴史上最も早く農業を開始していたのは人類ではなくシロアリだったことがわかりました。

PLOS ONE: Oligocene Termite Nests with In Situ Fungus Gardens from the Rukwa Rift Basin, Tanzania, Support a Paleogene African Origin for Insect Agriculture
http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0156847


Termites figured out farming 25 million years before people did - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/news/speaking-of-science/wp/2016/06/23/termites-figured-out-farming-25-million-years-before-people-did/

Termites were farming 25 million years ago — long before humans | The Verge
http://www.theverge.com/2016/6/25/12024324/termite-farming-25-million-years-ago-before-humans

オーストラリアのジェームズクック大学地球海洋科学の研究チームは、タンザニアのルクワリフト盆地で2500万年前のシロアリがキノコを栽培するために使っていた「菌類農場」の化石を発見し、調査結果を科学雑誌・PLOS ONEで発表しました。発見された菌類農場の化石を調査した結果、キノコを栽培していたのは「マクロテルメス亜科」と呼ばれる種類に類似したシロアリで、ソフトボールほどのサイズの農場の中には、菌類を成長させるため植物性の材料で作られたペレットが詰まっていたとのこと。ペレットはシロアリが消化できない材料をかみ砕いて作ったもので作られていました。

シロアリはキノコしか食べられないわけではありませんが、自らが消化できない材料を使ってシロアリが食べられる栄養豊富なキノコを育てることで、はるかに効率的に生き延びることができたと考えられます。また、シロアリが育てていたキノコは農業でしか育たない種類のものであることが判明し、シロアリと菌類の共生関係が何百万年にもわたって続いていたことを示しています。

#Photooftheday: the oldest #fossil evidence of #agriculture--not by humans, but by #insects https://t.co/aAqoqo5q8I pic.twitter.com/7xCe6iiVN3

— NSF Science 360 (@science360)


研究を主導したエリック・ロバーツ氏は「発見された化石はシロアリと菌類の進化を記録したものであり、共生関係が古代にまでさかのぼることを可能にします」と話しています。なお、このシロアリはキノコ農業に成功したおかげで、アフリカからアジアまで生息地を広げることに成功したとみられています。なお、人間が農業によって生息地の拡大に成功するのはシロアリの成功から数百万年後のことです。

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in サイエンス,   生き物, Posted by darkhorse_log

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