6500万年前に発生したハチの大量絶滅に関する研究が進み、近年起きる謎のハチ大量死の原因が明らかになる可能性

By Treesha Duncan

ハチが花粉を媒介することで受粉することができる花や植物は非常に多く、人間が食べる食物の3分の1はハチによる花粉の運搬に頼っていると試算されています。このため、ハチが絶滅すれば多くの生態系に影響を与え、その影響は人間の生活にも大きく及ぶことになります。そんなハチの多くの種が、今から6500万年前に大量絶滅していたことが明らかにされました。

Bees underwent massive extinctions when dinosaurs did
http://www.sciencedaily.com/releases/2013/10/131024121158.htm

Why are they dying? -- New Internationalist
http://newint.org/features/2009/09/01/keynote-why-are-bees-dying/

今から約6500万年前の白亜紀と新生代第三紀の境目に相当する「K-T境界」と呼ばれる年代に多くの恐竜が絶滅したと言われていますが、ちょうどそのころ多くの種類のハチも大量に絶滅していました。しかし、化石として発掘され調査が進められた恐竜と違って、ハチの化石はほとんど発見されなかったため、ハチの絶滅に関してはあまり研究が進んでいませんでした。

ニューハンプシャー大学生物学部助教授のサンドラ・リーアン博士と、豪フラインダー大学のマイケル・シュワルツ博士ならびに南オーストラリア博物館のレムコ・レイス研究員は、K-T境界時期に起こったとされるXylocopinae(クマバチ亜科)の大量絶滅について大規模な調査を行いました。


リーアン博士たちは、ハチの化石資料が乏しかったため、分子系統学というアミノ酸配列やDNAの塩基配列を解析用いることでハチが進化してきた系統を調査した結果、南極大陸を除くすべての大陸に広く生息する230種類のクマバチのDNA塩基配列は4つの種族に大別でき、それらの種の多くのDNAパターンが大量絶滅したハチと一致していることを発見しました。さらに、DNAによる分析結果と化石の記録を組み合わせることで、ハチにはどのような血統関係(遺伝子的な近さ)があるのか、またどれくらい古くからいる種なのかを算出することに成功しました。

By Brian Wolfe

リーアン博士は「4つの異なるハチの種属には、同時期に何か大きな異変が起こっていることがデータから分かっており、それは恐竜が絶滅した時期と同じであることが判明しました」と語ります。今回の研究で採用されたバイオインフォマティクスによるコンピューター解析では、ハチのDNA情報から、さまざまな種属間の類似点と相違点を知ることができ、この情報と、現在地球に広く生息するハチの観察結果を組み合わせることで、長い時間をかけてハチの行動がどのように変化してきたのかについて、より詳細に調べることが可能となったとのこと。今後さらに研究が進められることで、近年世界各地で起こっているハチの大量死問題の解明に新しい展開がみられるのではと期待されています。

リーアン博士は、「もしもハチの生態系の歴史の一部始終が明らかにされれば、現在生息するハチがどれだけ危機的状況にあるのかを、世界中の人が理解し、彼らの存在の尊さを感じ保護しようという気になるかもしれません」と語っています。

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