Appleが「画面に触れなくても操作できるスタイラスペン」と「左利き対応のiOSインターフェース」の特許を取得

by MIKI Yoshihito

Appleは大画面12.9インチの「iPad Pro」の発売と同時に、位置・筆圧・傾きを検知する専用スタイラスペンApple Pencilも発売しました。iOS端末用としてはApple初のスタイラスペンだったわけですが、スタイラスペンの軸にタッチセンサーを搭載したスタイラスペンの特許をAppleが取得したことが判明しています。また、iPhoneを持っている手を自動的に認識して、右利き・左利き用にUIを自動で変更する仕様についても特許を取得しています。

United States Patent Application: 0160179222

United States Patent Application: 0160179338

Apple invents stylus with touch-sensitive body, ambidextrous 'Reachability' UI for iOS
http://appleinsider.com/articles/16/06/23/apple-invents-stylus-with-touch-sensitive-body-ambidextrous-reachability-ui-for-ios

Appleが6月23日に取得した特許は2種類あり、1つ目は「iOS端末の新たな操作方法となる、タッチセンサー搭載のスタイラスペン」に関する特許です。特許申請文書の中では、ペン軸に沿って静電容量式タッチセンサーや力覚センサーを組み込むことで、ペンを握っている指の位置を測定できるスタイラスペンの説明が記されています。センサーが指の位置を感知することで、iOS端末の画面に触れることなく端末を操作できる仕組みとのこと。

スタイラスペンのイメージイラストでは、ペン軸の内側に、電極が縦横方向に搭載されている様子や……

複数の指で同時にペンに触った際にそれぞれの指の位置を正確に感知できる様子が描かれています。

ペンを握っている指の正確な位置が分かることで、スタイラスペンと端末の間でより高度な入力を行うことが可能とのこと。例えば「ユーザーがスタイラスペンを回転させているのを感知すると、画面上のオブジェクトを回転させたり、イラスト制作アプリを使用中にペンの太さを変更したり、パラメーターの値を制御したりすることが可能だ」とAppleは記しています。スタイラスペン内部のタッチセンサーが感知できる情報には、モーションジェスチャーも含まれるため、スタイラスペンの軸を上から下へなぞるようにして触ることで、画面スクロールなどの動作が可能になる見込みです。

2つ目の特許は、「iPhoneを持っている手を感知できる」という技術です。特許申請用の資料には、Appleが既存のモバイル端末において、端末の回転や動きを感知するためにモーションセンサーを使っていることが描かれています。この技術に加えて、端末の持ち手を認識するセンサーを端末側面に搭載することで、端末のUIを右利き用・左利き用に自動的に変更して片手で操作しやすくなるという特許をAppleは新たに取得しました。

持ち手を自動的に変更する技術が採用されれば、画面ロックを解除するためのスライドバーの方向を、持ち手に応じて変更したり……

アイコンを左上・右上に寄せることで、片手の親指で端末を操作しやすくしたりといった使用方法が可能。iPhone 6s/6s Plusには、ホームボタンを軽くダブルタップすると画面が下に降りて片手で操作しやすくなるモードが既に搭載されていますが、持ち手を自動認識する技術が採用されれば、4.7インチのiPhone 6/6sや5.5インチのiPhone 6 Plus/6s Plusといった大画面スマートフォンを使用する際の操作感が向上することになりそう。Apple製品のニュースを報じているappleinsiderは、iPhoneの側面に指紋認証用のTouch IDセンサーが搭載される可能性もあると語っています。

しかし、Appleは「端末を持っている手を認識するセンサーは、端末に搭載することは可能ですが、すでにiPhoneに搭載済みのセンサーで十分である」と記しているため、Appleが上記の技術を使った製品を販売するかどうかは、今のところ分かっていません。