ヒト型のロボットダイバー「OceanOne」が遠隔操作でルイ14世の沈没船から宝物をゲット
人間が潜ることのできない深海を探査してロボットアームで作業できるロボット「OceanOne」をスタンフォード大学が開発しました。深海探索ロボットOceanOneは、初めてのダイビングで深海に眠るルイ14世の難破船からおよそ350年ぶりに残留物を持ち帰ることに成功しています。
Stanford's humanoid robotic diver recovers treasures from King Louis XIV's wrecked flagship | Stanford News
https://news.stanford.edu/2016/04/27/robotic-diver-recovers-treasures/
OceanOneがどのようなロボットなのかは以下のムービーを見れば一発で理解できます。
Stanford's humanoid robot explores an abandoned shipwreck - YouTube
水中で作業をするロボットアーム……
かと思いきや、これはヒト型のロボットダイバー「OceanOne」
見事に箱を回収しました。
OceanOneを開発したスタンフォード大学でコンピューターサイエンスの研究をするオーサマ・カティブ教授は、「OceanOneは、水中探索の可能性を広げる目的で開発されました」と述べています。
ダイバーからホースを受け取ったOceanOne。
OceanOneは、地上から遠隔で操縦されています。
太いホースを器用に伸ばしたり……
縮めたり。
OceanOneの製作風景はこんな感じ。
まるでヒトのような顔を持っており、両目も備えています。
「OceanOneは物をつかむなど、人間と同じように物理的な運動が可能です。しかし、OceanOneの最大の特長は『触覚を備えていること』です」
「水中の作業を、ボートの上から感触を含めて体感できるのです」
OceanOneはこんな装置で操縦します。物をつかんだり、両腕を広げたりなど、思い通りに操作可能。
これはアーム制御プログラムの製作風景。
物をつかんで小さな回収ボックスに入れるという訓練が行われています。
OceanOneのロボットアームにはセンサーが搭載されており、その信号を受けてコントローラー部の小さなモーターが回転することで、バイブレーションなどを通じて水中にある物の触覚を伝えることができます。
試作機のテストはプールで行われました。
プールサイドからあれこれ命令を出しています。
上半身はまるで人間のようです。
全長は約5フィート(約150センチメートル)。脚にあたる部分には、バッテリーやコンピューターを搭載しています。
プールサイドでOceanOneを見守る人たち。
推進力は前後・上下に向けられたプロペラを回して得ている模様。
オイル制御のOceanOneは、最大深度2000メートルまで潜水可能。
OceanOneはカメラの映像から周辺環境を認識して衝突を回避するアルゴリズムを搭載。また、水流センサーを備えており、姿勢を自動で制御できるので、操縦者は、障害物の回避行動に集中できます。
OceanOneを使うことで、人間のダイバーが到達できない深くて危険な海域を安全に探査することが可能です。
ダイバーと「グータッチ」してムービーは終了。
テスト潜水を終了させたOceanOneがついに実戦投入されました。
最終チェックをするカティブ教授。
処女潜水のミッションは、1664年にフランス沖で沈没したルイ14世の船「ラ・リュヌ」から宝物を回収すること。
操縦は船の上のコントロールセンターで行われました。
小さな箱に何かを持ち帰ったOceanOne。
深海考古学者と共に行ったOceanOne初ミッションで、リュヌ号からグレープフルーツサイズの花瓶をゲットすることに成功。リュヌ号の遺留物を初めて回収する快挙を成し遂げました。
OceanOneは、深海の水中遺跡の調査や、海底ケーブルなどのメンテナンス、海底火山の調査など、人間が潜れない危険な海域におけるさまざまな活動への利用が想定されています。
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