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郵便局がドローンを使った配達を試験的にスタート、2016年末までにドローン配達実現か?


AmazonGoogleも実用化に向けた動きを進めているのが「配達ドローン」です。ドローンは道路ではなく空を飛んで目的地まで移動するので、道路の交通状況に左右されることはなくなります、さらに配送コストを大幅に削減できるとも言われています。そんなドローンを使った配達サービスに、オーストラリアの国有企業で国内の郵便事業をほぼ独占しているオーストラリア・ポストが乗り出しており、実用化に向けた試験運用をスタートさせることが明らかになっています。

Australia Post tests drones for parcel delivery
http://www.smh.com.au/technology/innovation/australia-post-tests-drones-for-parcel-delivery-20160415-go77a4.html

世界初のドローンによる宅配便サービスがスタートしたオーストラリアで、政府の国有企業であり国内の郵便事業を独占するオーストラリア・ポストが、民間航空安全局(CASA)の支援のもとでドローンを遠隔操縦して商品を配達するサービスの試験を行っていることが明らかになりました。

オーストラリア・ポストが試験で使用しているドローンは、メルボルンのロボット開発企業ARI Labsが開発したドローン。プロペラ部分を調整している人とサイズを比較するとそれほど巨大な機体ではないことがわかります。


ドローンの操縦は専門のオペレーターが行います。CASAは最近になって商用ドローンのオペレーター(操縦士)に関するいくつかのレギュレーションを緩めており、この規制緩和の中にはオペレーターの認定書や遠隔操縦士に関するライセンスの必要性に関するものの他、商用ドローンの重量に関するものもあります。


記事作成時点では試験運用に向けてドローンの飛行訓練を行っているオーストラリア・ポストですが、配達するのは軽量の小包などを想定しています。


配達ドローンには高解像度カメラと、不即の事態に備えたパラシュートおよび警報アラーム・警報灯が搭載されており、必要時には安全装置としてこれらを作動させることが可能だそうです。


また、ドローンが安全に飛行できるようにリアルタイムでエンジニアがドローンの飛行状況をモニタリングします。具体的には、ドローンは地上のドローンステーションに暗号化されたデータを送信するので、これをエンジニアがモニタリングすることで飛行状況を逐一監視するそうです。なお、ドローンの開発を担当するARI Labsは、将来的にドローンの飛行状況のモニタリングを自動化することを狙っている模様。


訓練期間が無事終われば、オーストラリアの都市部であるメルボルン周辺の地域を除く50カ所で2週間の試験運用が行われます。


さらに、オーストラリア・ポストの代表取締役を務めるAhmed Fahour氏は「我々の提供する配達方式の中にドローンによるものを加えることができないか、その可能性を調査しています。我々が試験運用を無事成功させられれば、年末までに実験的なサービスとして(ドローンによる配達サービスを)提供できると確信している」とコメントしています。


加えて、地方の「郵便受け箱」が自宅から離れた場所にある顧客が配達ドローンの恩恵を受けられるように、数機のドローンは地方で運用される模様。


オーストラリア・ポストのAhmed氏は配達ドローンの安全面を特に重要視しており、「我々はドローンの安全性についてとても真剣に取り組んでいる。我々はドローンの使用が100%安全かつ確実と確信した際にのみ、これを活用することになるでしょう」と語っています。


訓練中のドローン操縦士。


そして訓練飛行から戻ってきたドローンがこれ。機体の底面には小さな箱が付いており、ここに荷物を詰め込んで顧客の下にまで配達してくれるようです。


ドローンの着地地点に……


ドローンがやってきました。


そして無事着地に成功。


なお、オーストラリア・ポストによるとCatchOfTheDayTHE ICONICといったオンラインショップが主要な顧客になるとみられており、「多くの消費者がトライアルへの参加に興味を示している」とAhmed氏。

アメリカの大手小売業者であるAmazonやウォルマートでも、オーストラリア・ポストのように配達にドローンを使用することをテストしています。しかし、オンライン上で商品を購入するユーザーに対して行われた最新の調査によると、オーストラリア人の中でドローンを使った配達サービスを望んでいるのはわずか10%とのこと。ただし、オーストラリア・ポストのAhmed氏は現代自動車の父であるヘンリー・フォードの名言である「もし顧客に彼らの望むものを聞いていたなら、彼らは『もっと速い馬が欲しい』と答えていただろう」と答え、現段階でドローンによる配達が望まれていなくとも、将来的に需要がないとは限らないと返答しています。

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in ハードウェア,   動画, Posted by logu_ii