閉鎖された地下鉄のトンネル内に謎のベッドルームが発見される

ドイツの首都であるベルリンの使われていない地下鉄のトンネルから、隠された謎のベッドルームが発見される事件が発生しました。「芸術作品である」「放棄された映画セットだ」「Airbnbで貸し出すため」などさまざまな意見が出ていますが、ベッドルームを秘密裏に設置した人物は判明しておらず、不法侵入の疑いがあるとして犯人の捜索が行われています。

Geheime Wohnung in BVG-U-Bahn Schacht entdeckt | Berliner-Kurier.de
http://www.berliner-kurier.de/berlin/kiez---stadt/entdeckt--die-geheim-wohnung-im-bvg-schacht-23503450

Going underground: who’s behind Berlin’s secret subway bedrooms? | World news | The Guardian
http://www.theguardian.com/world/shortcuts/2016/mar/20/underground-berlin-secret-subway-bedrooms-airbnb

Faux Airbnb bedrooms illegally hidden in Berlin's underground subways | The Memo
http://www.thememo.com/2016/03/21/illegal-airbnb-bedrooms-hidden-in-berlins-underground-subways/

ベルリン特別市のライニッケンドルフ区で2016年1月中旬、複数の作業員がベルリン地下鉄の「U9号線」にある今は使われていない地下鉄トンネル内で、ベッド・ソファ・フロアランプなどが置かれ、レトロな柄の壁紙まで取り付けられた謎のベッドルームに遭遇しました。部屋にはスター・ウォーズの小説やアフリカ楽器のカタログなども置かれており、作業員は廃棄された映画のセットかと思ったそうですが、地下鉄付近で映画の撮影があったことは確認されていないとのこと。

「火災の危険がある」としてベルリン市交通局(BVG)によりこれらの家具や壁紙は撤去されましたが、「匿名の地下鉄職員」を名乗る人物がトンネル内で発見された撤去前のベッドルームの写真をベルリン新聞に提供したことで、この不可解な一件が大きく報じられることになりました。BVGは謎のベッドルームについて「職員は一切関与していない」とコメントしています。

ベッドルームの設置が誰の手で行われたのかは判明しておらず、BVGが捜索を続けていたところ、3月上旬にベルリン地下鉄のYorckstrasse駅の地下通路に木製フェンスの中に芝生・花壇・窓の中にネコなどのポスターが飾られた「小型ガーデン」が突如出現。謎のベッドルームとも関連があると推測され、「ゲリラ的な芸術作品なのでは」などの臆測が飛び交うようになったとのこと。

また、これらの事件と同一人物かは不明ですが、部屋の貸し借りサービス・Airbnb上にもU9号線で発見されたベッドルームの宿泊者を募集する投稿も行われました。「都市の中心部に位置するU9号線近く、レトロスタイルな部屋ですが2016年仕様にモダナイズ(近代化)されており、比較的静かに過ごすことができます(耳栓をしている限り)。通勤者や朝がツライ人にぴったりのお部屋です」というような内容だったそうですが、すでに投稿は削除されています。

ベッドルームや小型ガーデンを密かに設置した人物と目的は不明のままですが、「スター・ウォーズの小説とアフリカ楽器のカタログは難民危機に対する言及である」「楽器のカタログが公表されたのは1984年で、当時の監視社会を示唆している」などの意見が地元新聞などで報じられています。なお、どのような目的にせよ閉鎖されたトンネルへ違法的に侵入しているため、犯人は見つかれば罰金刑になると見られているほか、BVGは「U9号線のレールの近くには給電用のレールが敷設されており、横切るのは大変危険です」と警告しています。