IEのセキュリティパッチにWindows 10アップグレード広告を挿入＆システム管理者にアップグレードを促す広告も現れいよいよMicrosoftの本気度が明らかに

Windows 7/8.1など旧OSユーザーへWindows 10への無償アップグレードを半ば強引に勧めるMicrosoftですが、新たにInternet Explorer(IE)用セキュリティパッチ内にWindows 10アップグレード広告を含めていたことが判明しました。さらに、クライアントPCに勝手にWindows 10アップグレード広告を表示させてシステム管理者に報告を促す広告まで登場し、一部のシステム管理者が激おこ状態になっています。

Windows patch KB 3139929: When a security update is not a security update | InfoWorld
http://www.infoworld.com/article/3042155/microsoft-windows/windows-patch-kb-3139929-when-a-security-update-is-not-a-security-update.html

Admins beware: Domain-attached PCs are sprouting Get Windows 10 ads | InfoWorld
http://www.infoworld.com/article/3042397/microsoft-windows/admins-beware-domain-attached-pcs-are-sprouting-get-windows-10-ads.html

月例のWindows Updateで配布されたパッチ「KB3139929」は、MicrosoftによるとIEに含まれるいくつかの脆弱性を修正するプログラムです。

しかし、Microsoftの説明には但し書きがあって、「this security update includes several nonsecurity-related fixes for Internet Explorer. (IEのセキュリティ修復に関係のないいくつかのアップデートが含まれています)」とのこと。

さらに詳細を調べると、KB3139929には「KB3146449」というパッチが含まれています。InfoWorldによるとこのKB3146449は、Windows 10に移行していないユーザーがIEで新規タブを追加したときに、「Windows 10にアップグレードしませんか？」というあの広告を表示する機能を持っているそうです。

やっかいなのはWindows 10の広告を表示させるKB3146449は、Windows Updateの「インストールされた更新プログラム」には表示されないため、個別に削除することができないところ。KB3146449を削除したければ脆弱性を修正したセキュリティパッチKB3139929を丸ごとアンインストールしなければならず、広告を表示させない代わりに脆弱性を甘んじて受け入れる必要を迫られるというわけです。なお、KB3139929のパッチを適用した上で「IEを金輪際、使わない」という手段もあるにはあります。

IEユーザーにプレッシャーをかけるMicrosoftは、さらに思い切った手段をとったことも判明しています。InfoWorldが確認した一部のシステム管理者の投稿によると、WSUSサーバにアクセスしてパッチをあてた管理者権限のないユーザーのPCに、システムトレイにある「Windows 10へアップグレードしませんか？」広告を表示するアイコンをクリックしたときに、「システム管理者はWindows 10へのアップグレードをブロックしています。システム管理者にWindows 10へのアップグレードについて確認してみてください。もしあなたが管理者ならば、Windows 10へのアップグレードの方法は以下のページでみつかりますよ」という広告を表示させていることが判明。この広告のおかげでクライアントユーザーからの対応に追われることになったシステム管理者からは、Microsoftのやり方に対して怒りの声が上がっています。

Windows 10へのアップグレードを推し進めるMicrosoftの攻撃的な姿勢はますばかり。Windows 10への無償アップグレード期限の2016年7月28日までは、MicrosoftとWindows 10へアップグレードしたくないユーザーとのせめぎ合いは続いていきそうです。