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FBIが勝手にテロ容疑者のiPhoneのパスワードを変更、データが読み取れなくなった恐れ

By Gadgetmac // Nest Photo

アメリカ・カリフォルニア州サンバーナディーノで2015年12月に発生した銃乱射テロ事件で、14人を射殺後に警官との銃撃戦で死亡したサイード・リズワン・ファルーク容疑者の捜査が進められています。押収品の中にはAppleのiPhone 5cがあったのですが、FBIの指示により端末のパスワードがリセットされ、事件当時のバックアップデータがとれなくなっていたことが分かりました。

Apple-iPhone-Access-Scheduling-ORDER
https://www.documentcloud.org/documents/2716342-Apple-iPhone-Access-Scheduling-ORDER.html

Apple: We tried to help FBI terror probe, but someone changed iCloud password | Ars Technica
http://arstechnica.com/tech-policy/2016/02/apple-we-tried-to-help-fbi-terror-probe-but-someone-changed-icloud-password/

サンバーナディーノの銃乱射テロ事件のイード・ファルーク容疑者のiPhoneから通信内容などのデータを操作するため、Appleは「10回間違ったパスコードを入力するとロックする」機能を無効化するファームウェアを作成せよという裁判所命令を受けていました。

「iPhoneの暗号を回避できるバックドアを作れ」という政府要請をAppleが拒絶 - GIGAZINE


Appleはプライバシーの観点から裁判所命令に反対していたものの、一方でテロリストの捜査には協力的な動きを見せ、データを確認する4つの提案をFBIに対して行っていた模様。提案の1つはロックされている端末からiCloudに保存されている自動バックアップデータを回復させるというものだったのですが、なぜかこの試みは失敗したとのこと。Appleの提案は全て失敗に終わり、Apple側も失敗の理由に困惑していたそうですが、押収されてすぐに端末のiCloudアカウントのIDとパスワードが、サンバーナディーノ州の職員の手で変更されていたことが原因と判明しました。

その結果、自動バックアップが作成されず、Appleの提案を試すことができなくなっていたわけですが、サンバーナディーノの公式Twitterアカウントは、「iCloudのパスワードを変更したのはFBIの要請によるもの」とツイートしています。

The County was working cooperatively with the FBI when it reset the iCloud password at the FBI's request.

— CountyWire (@CountyWire)

ただし、ファルーク容疑者のiPhoneが最後にバックアップされたのは2015年10月9日であり、何らかの理由で2か月間は自動バックアップがされていなかったことがわかっています。ファルーク容疑者が意図して設定を変更したのか、2か月間にわたってWi-Fiに接続していなかったのかは不明ですが、Appleの幹部は「もしiCloudの情報が変更されていなければ、バックアップデータを回収できていた可能性があります」と語っています。

なお、この件についてエドワード・スノーデン氏も「そもそもFBIは端末の通信履歴を傍受しているため、iPhoneのロックを解除せずにデータを入手している」といったテキストをツイートしており、「FBIとAppleの戦いは当局(FBI)の陰謀で覆われている」と言及しています。

Journalists: Crucial details in the @FBI v. #Apple case are being obscured by officials. Skepticism here is fair: pic.twitter.com/lEVEvOxcNm

— Edward Snowden (@Snowden)

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in メモ,   モバイル, Posted by darkhorse_log

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