「iPhoneのデータを『換金』することはない」など、ティム・クックが語ったAppleのプライバシー方針とは?
Appleはティム・クックCEOからのメッセージを「プライバシー」のページで公開しており、「あなたのiPhoneやiCloudに保存されている情報を『換金』したりしない」といった厳格なプライバシーポリシーを打ち立てています。ユーザーのメールアドレスを入力してターゲティング広告を表示させるサービスを開始したGoogleとは正反対を向くAppleの方針について、クック氏がインタビューで説明しています。
Apple CEO Tim Cook: 'Privacy Is A Fundamental Human Right' : All Tech Considered : NPR
http://www.npr.org/sections/alltechconsidered/2015/10/01/445026470/apple-ceo-tim-cook-privacy-is-a-fundamental-human-right
プライバシー - Apple(日本)
http://www.apple.com/jp/privacy/
Appleはこれまで「デザイン」に力を注いできたことが知られていますが、近年のAppleは「プライバシー」の分野を重視しているとのこと。ティム・クックCEOは「プライバシーは基本的人権です」と話しており、大量のユーザーを抱えるAppleがどのようにしてユーザーの製品に格納されている情報を保護しているのか、ということについて詳細を明かしています。
Appleは政府から裁判所を通じて正規の方法で情報開示を要求された場合のみ、ユーザーの情報を提供することがあります。ただしApple製品は基本的にユーザーのプライバシー保護を第一に考えて開発されており、iPhoneに保存されている財務・ヘルスケアのデータや友人・家族・同僚との通話データなどは、暗号化して保存することで、ユーザーのデータを保護しているとのこと。
国家安全保障において、秘密裏に製品に「バックドア」を設けるという方法があります。しかしクック氏は、数多くの組織・企業を盗聴していたNSAに対して否定的な姿勢をとっており、「正しい組織がバックドアを運用していたとしても、通路がある以上、悪用される危険性がある」と指摘します。そのため、Appleはいかなる政府に対してもバックドアを設ける協力をすることはなく、これまでにもバックドアだけでなく、サーバへのアクセスを許容したこともない、と断言しています。
なお、法執行機関からの要求のうち、盗難にあった端末を探すための「デバイスリクエスト」が94%を占めており、iTunes・iCloudアカウントの情報提供を要求する「アカウントリクエスト」が6%という割合になっています。この中でAppleが情報開示に応じたのはわずか0.00571%で、情報提供をせざるを得ない場合は、法的に許される範囲で顧客に通知して提供する情報が少なくなるようにしているとのこと。
Appleは「プライバシーは基本的人権」と考えており、ユーザーのデータを不用意に収集することはしないとのこと。メールのキーワードを読み取ったり、アプリの利用状況を調べたりしてマーケティングに活用することはなく、アプリ間で情報を共有する必要もない、というのがAppleの方針。クック氏は「顧客は私たちの製品ではないのです。それはAppleのビジネスではありません」と話しており、Appleはプライバシー保護を厳格に貫くことで、競合他社との差別化を図っていくことを強調しています。
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