iPhoneが文鎮化する「エラー53」問題でAppleが対応を実施、復元する方法はコレ
Touch IDをサードパーティ製に交換することでiPhoneが文鎮化する(起動できなくなる)「エラー53」問題は集団訴訟に発展するに至っていますが、Appleはこの問題を解消するためのアップデートを実施しました。もし手持ちのiPhoneが文鎮化している場合は、以下の手順を試してみると復活させることができるようです。
エラー 53 が表示される場合や、iPhone または iPad をアップデートまたは復元できない場合 - Apple サポート
https://support.apple.com/ja-jp/HT205628
「エラー53」が発生する原因は、Touch IDを搭載するiOSデバイスがアップデートまたは復元の最中に実施するTouch IDセンサーとiOSデバイスの他のコンポーネントとの合致チェックであるとのこと。この時、未確認または想定外のTouch IDモジュールが検出されると、このチェックが失敗して「エラー53」が表示される状態となっていました。
iOS デバイスが Touch ID を搭載している場合、アップデートまたは復元の最中に、Touch ID センサーが iOS デバイスのほかのコンポーネントと合っているかがチェックされます。このチェックを通じて、デバイスと、Touch ID 関連の iOS の機能の安全が守られています。
iOS で未確認または想定外の Touch ID モジュールが検出されると、このチェックは失敗します。たとえば、画面を非正規または不正に交換した場合は、チェックが失敗する要因となります。
この問題を解消するためにAppleが発表した対処法は以下の通り。最新版のiTunesがインストールされたPCまたはMacにiOS端末を接続し、端末を強制的に再起動してから「デバイスの復元」を試してみると、復活させることが可能。それでもなおエラーが表示される場合は、Appleサポートに問い合わせるよう書かれています。
なお、TechCrunchによるとこの方法はiOSのアップデートをWi-Fi経由(OTA: Over-The-Air)またはiCloud経由で実施していたユーザーには必要がないとのこと。エラー53が発生するのはiTunes経由でアップデートした場合のみであり、OTAまたはiCloud経由でアップデートを実施していた場合には原則的にエラー53は発生しないという状況になっているそうです。
Apple Fixes iPhones Disabled By Error 53 Caused By Unofficial Repairs
http://techcrunch.com/2016/02/18/apple-apologizes-and-updates-ios-to-restore-iphones-disabled-by-error-53/
AppleがTechCrunchに対して返答した内容によると、「エラー53」は端末がセキュリティテストに不合格になった際に表示されるものですが、このチェックはTouch IDが正常に動作しているかどうかを工場出荷前に確認するために行われているものであるとのこと。返答の中でAppleはトラブルに対して謝罪した上で、このエラーメッセージは工場内検査のために使われていたもので、一般ユーザーには無関係なものであったことを公表しています。つまり、本来は一般ユーザーには関係ないはずの機能が漏れてしまったというのが事の真相である模様。
Some customers’ devices are showing ‘Connect to iTunes’ after attempting an iOS update or a restore from iTunes on a Mac or PC. This reports as an Error 53 in iTunes and appears when a device fails a security test. This test was designed to check whether Touch ID works properly before the device leaves the factory.
Today, Apple released a software update that allows customers who have encountered this error message to successfully restore their device using iTunes on a Mac or PC.
We apologize for any inconvenience, this was designed to be a factory test and was not intended to affect customers. Customers who paid for an out-of-warranty replacement of their device based on this issue should contact AppleCare about a reimbursement.
指紋を認証するTouch IDは支払い決済機能を有するApple Payにひも付けられるなど、端末のセキュリティの重大な部分を担っているわけなので、高度なセキュリティを保つために厳格なチェック体制が採られていることはユーザーとして安心できる部分ではあります。とはいえ、本来予期せぬ形で端末そのものが使えなくなるのは重大なエラーなので、残念な出来事だったという評価は避けられなさそう。
なお、Appleの正規ショップ以外で交換したTouch IDセンサーが搭載されている場合は、上記の方法で端末が復活したとしてもTouch ID機能は使えない状態のままになるとのこと。このエラー53に加え、iOS関連では日付の設定により端末が再起不能になるという問題も起こっており、こちらも早期の対応が待たれます。
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