iPhone 6を文鎮化して死に至らしめる「エラー53」の恐怖

By iphonedigital

iPhone 6がある日突然ロックされてしまい、内部のメモリにも一切アクセスできなくなるという出来事が世界中で発生しています。被害を受けたユーザーに共通するのは、画面に「Error 53」と表示され、iPhone 6が使い物にならない「高級文鎮」と化してしまう恐怖のエラーメッセージとなっています。

‘Error 53’ fury mounts as Apple software update threatens to kill your iPhone 6 | Money | The Guardian
http://www.theguardian.com/money/2016/feb/05/error-53-apple-iphone-software-update-handset-worthless-third-party-repair

「エラー53」が発生する条件として「Apple以外のサードパーティーによって、ホームボタンを交換する修理を行った後に、iOS 9にバージョンアップした場合」というものがあることがわかっています。

この中で最も重要なのは、どうやらホームボタンの状態とみられます。iPhone 6のホームボタンは、指紋認証を行うTouch IDを内蔵しているわけですが、このパーツをApple非公式の修理ショップに持ち込んで交換してもらうと、「セキュリティのため」に端末がロックされてしまう事態が発生しているようです。

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フリーランスのカメラマンで自ら「Apple信者」と認めるアントニオ・オルモスさんは、同様の「被害」にあった様子を次のように振り返っています。難民問題の取材のためバルカン半島を訪れていたオルモスさんは、取材中にiPhoneを落としてしまったとのこと。仕事のためにどうしてもiPhoneを使うことが必要だったオルモスさんでしたが、取材で訪れていたマケドニア国内にはApple Storeがなかったため、やむを得ず地元の修理ショップに端末を持ち込んで修理を依頼。修理完了後は、特に問題もなくiPhoneを使えていたそうです。

その後、修理をしたことも忘れていた頃にオルモスさんはiOSをバージョン9にアップデートする通知を受け取りました。特に警告メッセージもなく、ごく普通のアップデートであったことから更新を開始したオルモスさんでしたが、その数秒後に画面に「Error 53」の文字が表示されて端末がロック状態に。その後は一切の操作を受け付けなくなり、文字どおりiPhoneが「お亡くなり」の状態になりました。

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これまでに何十万円という大金をAppleに費やしてきたというオルモスさんは、文鎮化したiPhoneをロンドンのApple Storeに持ち込みましたが、スタッフからは「どうすることもできません」と告げられたとのこと。交換のためには270ポンド(約4万6000円)かかると言われたオルモスさんは、当然のごとくお怒りモードに達したそうです。

オルモスさんはこの出来事に対し、「こんなムチャクチャな事がありますか?いったいどの企業がユーザーに事前通告もなしに、アップグレードすると端末をおジャンにしてしまうようなマネができますか?先進国から一歩外に出るとApple Storeはそう多くなく、あったとしても非常に遠い場所であることがほとんどです。そんな場所では、壊れたiPhoneを修理できるのは、地元の小さな修理ショップぐらいしかありません。そもそも、そのような修理ショップがこのような問題が起こることを知っていたのかどうかも怪しいものです」とAppleに対する怒りを語っています。

iPhoneを含む数々のデバイスを発売後すぐにバラバラにしてしまうことで有名な「iFixit」の技術者、カイル・ウェインズさんは「iFixitのサイトでは、『error 53』が18万件以上も閲覧されており、Appleユーザーにとって大きな問題になっていることがわかります」と現状を語っています。また、問題が発生する条件についても「修理の際にホームボタンかケーブルを交換していることが原因の1つとなっているようです。交換後にiOSをアップグレードすると、端末は純正の部品が使われているかチェックする動作を行います。ここで純正以外の部品が見つかると、端末はロックされてしまうことになります。事前の警告はなく、再び生き返らせるための方法も私にはわかりません」と語り、ひとたび問題が発生するとなすすべもない状況となることを明かしています。

この件に関してAppleに取材を行ったThe Guardian Moneyに対し、Appleの広報の女性は「Appleでは指紋に関するデータをセキュアな領域を使うことで保護しており、その仕組みはTouch IDの部品とペアリングされています。正規のAppleサービス提供者がTouch IDを交換する修理を行った時には、このペアリングが更新され、再有効化が行われます。この仕組みによって、Touch IDに関連するiOSの機能のセキュリティが守られる仕組みとなっています。このペアリングなしの状態では、悪意のあるTouch IDセンサーと置き換えられる可能性があり、セキュリティが守られなくなる危険があります。iOSはこのペアリングが失敗した場合には、Apple Payを含むTouch IDを無効化して端末を安全な状態にします」と返答しているとのこと。

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さらにこの広報の女性は「iPhoneが非正規のディーラーによって修理された場合は、欠陥のあるディスプレイやTouch IDに影響を及ぼす無効なコンポーネントがペアリングが認証されずにチェックに失敗することが起こりえます。その後にアップデートや端末の復元を行うことで、『error 53』が表示されてしまう可能性があります……。error 53が表示された場合は、Appleサポートに連絡してください」と説明したとのこと。

正規の修理を行うと多額の費用がかかるため、修理ショップに駆け込んだ経験がある人も少なくないはず。もし自分の端末が非純正のホームボタンと交換してあり、iOSがバージョン9以下である場合は、ひとまずアップデートは徹底的に回避するか、正規部品への交換を検討したほうがいいのかもしれません。また、iPhone 6以外の状況については不明な点が多いようなので、iPadを含むTouch ID搭載の機種を使っている人は、用心しておいたほうが良さそうです。

・つづき
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in モバイル,  ソフトウェア,  セキュリティ, Posted by logx_tm