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Googleの自動運転車は毎日480万kmを仮想空間でドライブし安全性をチェック


自動運転車を開発するGoogleは2015年から公道走行試験をスタートさせて、実際の交通ルールに合わせて安全に走行できるかのテストを行っています。しかし、Googleは所有するデータセンターの能力をフル活用して、何と毎日300万マイル(約480万キロメートル)というとてつもない距離を"走行"させています。

Reliving the past:how these data centers drive us three million miles each day.pdf
(PDFファイル)https://static.googleusercontent.com/media/www.google.com/en//selfdrivingcar/files/reports/report-0116.pdf

Google's self-driving cars rack up 3 million simulated miles every day | The Verge
http://www.theverge.com/2016/2/1/10892020/google-self-driving-simulator-3-million-miles

Googleが発表したデータセンターの自動運転車への活用報告によると、Googleのデータセンターでは自動運転車のドライビングシミュレーションが毎日行われており、実際の公道走行を模擬的に試験して、そこから得た結果がテスト走行車に反映されているとのこと。

シミュレーションでは1日あたり300万マイル(約480万キロメートル)、実に地球120周分という距離を自動運転車は仮想空間の公道を"走行”するそうで、走行する場所も高速道路だけでなく一般道を含めてさまざまなシチュエーションが想定されています。アメリカ国内では自動車は2000年単年だけでものべ2兆7000億マイル(約4兆3000億キロメートル)を走行したそうで、安全性を担保するには全自動車が走行した総距離と同等の距離をテストするべきだとGoogleは考えています。


そして、新しい技術的な変更が実走行でテストされる前に、このシミュレーションを使って事前にそのプログラムを適用した状態での仮想走行実験を行い、安全性や有効性がチェックされるとのこと。このチェックをくぐり抜けた有望な技術のみが実走行時に試されるというわけです。22台のLexus RX450hと33台のハンドル・ペダルのないオリジナルのプロトタイプにシミュレーションは適用されており、すべての変更プログラムは200万マイル(約320万キロメートル)以上の走行試験をクリアすることが、実走行テストでの採用条件になっているそうです。

とんでもない距離の走行試験をクリアした有望なプログラムは、実際の自動運転車に反映されて、さらに1週間に1万マイル(約1万6000キロメートル)から1万5000マイル(約2万4000キロメートル)の実走行テストが行われているとのこと。

また、カリフォルニア州・マウンテンビューでスタートさせた公道走行実験は、その後、テキサス州・オースチンで行われるなど、全米各都市に拡大させる計画をGoogleは持っています。州によって異なる信号機や交通標識を自動運転車に覚え込ませるのにも、シミュレーションによる仮想走行試験を活用しているそうです。


有望なアルゴリズムの発見にはGoogleが誇る人工知能によるディープラーニングが活用されており、人工知能技術の高まりは、自動運転車の安全性の向上に直結しているようです。

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in ソフトウェア,   ハードウェア,   乗り物, Posted by darkhorse_log

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