ハードウェア

Googleはモバイル端末に人工知能を組み込み「関係性」を理解できる専用チップ開発を計画している


Googleが次世代のスマートフォンに必要な技術として「Machine Intelligence」というキーワードを使っています。これは、「コンピューターが関係性を理解する」という技術で、そのMachine Intelligence開発の共同パートナーとして半導体スタートアップのMovidiusとの提携をGoogleが発表しました。GoogleとMovidiusの提携で、モバイル端末は新たなステージにステップアップしそうです。

Google and Movidius Work Together to Enhance Deep Learning Capabilities in Next-Generation Devices - Yahoo Finance
http://finance.yahoo.com/news/google-movidius-together-enhance-deep-160000991.html

Google to Make Smartphones That Recognize Faces - Digits - WSJ
http://blogs.wsj.com/digits/2016/01/27/google-to-make-that-smartphones-recognize-faces/

Machine Intelligenceによってどのようなことができるようになるのかは、以下のムービーで語られています。

Movidius and Google Bring Machine Intelligence to Devices - YouTube


Machine Intelligenceによってあらゆる端末は、身の回りの世界について理解できるようになり、パーソナルコンピューティングの世界が変わるとのこと。


そのMachine Intelligenceを実現するための専用チップが必要で、半導体メーカーのMovidiusとGoogleは提携することになりました。


「コンピューターは私たちとつながることで、より聡明になりつつあります。Machine Intelligenceは『関係性』について理解することができます」と語るのはMI開発の責任者ブレイズ・アクエラ・アルカス氏。


例えば、人が今、何を見ているのか……


何を話していて、それはどういう意味なのか……


目の前の物体が何であるのか、などを瞬時に判断すること。


これらのような関係性を理解するということは、人間の脳と同じ仕組みが必要とのこと。


Machine Intelligenceの取り組みは新しいコンピューティングのアプローチであると述べるのはMovidiusのレミ・エルクザンCEO。


ニューラルネットワークを利用したディープラーニング技術を、端末のプロセッサで完結させるために、極めて消費電力が低い専用の回路設計が必要となります。


「これは、データセンターのテクノロジーを現実世界に持ち出すようなもの」とアルカス氏は表現します。


Machine Intelligenceを活用する研究として、まずは映像システムに取り組むとのこと。これは、部屋の中にどんな物があるのかを認識するセンシング技術です。


Machine Intelligence対応プロセッサには極めて優秀な省電力性や……


極小のサイズなど解決すべき課題は多いとのこと。


しかし、GoogleはMachine Intelligenceによって今後10年間で人と世界とのつながり方が大きく変わるだろうと予想しています。


Machine Intelligenceがどのような技術なのかについての詳細は明らかにされていませんが、モバイル端末などの利用時にデータセンターからの情報に頼ることなく端末単体で高度な処理をできるようにする技術であるようです。

なお、Movidiusは、主に映像処理用のプロセッサを開発するスタートアップで、同社の半導体チップは、Googleが開発中のリアルタイム3Dセンシング端末「Project Tango」の端末で採用されていました。

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GoogleはMachine Intelligenceという次世代技術の開発にあたって、半導体レベルから専用の設計が必要と考えたため、Movidiusと提携することで、ソフトウェア・ハードウェア両面で開発していくようです。

Machine Intelligenceを使った技術としては、ムービーにもあったリアルセンシング技術や、人の表情などの周辺情報からコンテキストを判断する技術や周辺の状況を瞬時に判断して衝突回避できるドローンの開発、VRの世界での活用などが比較的、近い将来実現できる技術として挙げられそうです。

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in モバイル,   ソフトウェア,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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