Intelが1兆7600億円で自動運転のMobileyeを買収、自動運転分野に本格参入


Intelが自動運転システムの開発企業Mobileye(モービルアイ)を153億ドル(約1兆7600億円)で買収することを発表しました。半導体の巨人が自動運転カーの分野に本格的に参入することになります。

Intel's $15 billion purchase of Mobileye shakes up driverless car sector | Reuters
http://www.reuters.com/article/us-intel-mobileye-idUSKBN16K0ZP

Intel to Buy Mobileye for About $15 Billion in Car Tech Push - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-03-13/intel-to-buy-mobileye-for-about-15-billion-themarker-says

Mobileyeはイスラエルに本拠を構える企業で、独自のチップセットとアルゴリズムによって自動運転カー向けの視覚認識システムを開発している自動運転カー技術のリーダー企業です。同社のシステムはすでにBMW、ボルボ、GMなどの自動車メーカーに採用されています。ちなみにMobileyeはテスラとも提携していましたが、テスラのオートパイロットにまつわる死亡事故が契機となって2016年7月に提携は解消されています。

IntelはすでにMobileyeと提携して自動運転システム用のチップを共同開発していましたが、2017年3月13日に同社の株式を34%のプレミアムを付けた1株当たり64.54ドルの公開買付によって買取り傘下に収めると発表しました。買収額は153億ドル(約1兆7600億円)に上り、Intelとしては2015年に167億ドル(約1兆9200億円)で買収したAlteraに次いで2番目の大型買収となります。なお、Intelは買収額を現金でまかなう予定です。

Intelのブライアン・クルザニッチCEOがBloombergとのビデオ会談でMobileye買収の理由を語る様子は、以下のムービーで確認できます。

Why Intel Is Buying Mobileye for About $15 Billion - YouTube


クルザニッチCEOによると、自動運転カーにはLIDARなどのセンサーから情報を得る視覚システムと現実世界の情報を結合させるコンピューティング技術が必要で、IntelとMobileyeの一体化によって技術開発がスピーディかつ安価に行え、自動運転技術を必要とする各社が利用できるプラットフォームを市場に提供できるとのこと。市場価格に大幅なプレミアムをのせた買収額についても高すぎることはないという考えを述べています。なお、IntelとMobileyeはBMWと共同で2021年までに自動運転カーを市場に投入する計画を持っていますが、IntelとMobileyeの一体化はこの計画の実現にも有効に働きそうです。

「5年以内に自動運転カーの市販」を目指してBMW・Intel・Mobileyeが提携を発表 - GIGAZINE


IntelによるとMobileyeの共同創業者で最高技術責任者のアムノン・シャシュア氏がIntelの自動運転部門を率いることになり、自動運転開発の拠点はイスラエルに残されるとのこと。なお、Intelのドウグ・デービス上席副社長がMobileyeとIntelの業務全般の指揮を採ることになっています。

自動運転技術について投資銀行のゴールドマン・サックスが、2015年に30億ドル(約3440億円)規模だった市場は2025年には960億ドル(約11兆円)、2035年には2900億ドル(約)33兆3000億円にまで成長するとの予想を明らかにしている通り、テクノロジー企業にとって見逃すことができない巨大市場になる可能性があります。GoogleやFacebookだけでなくUberやAppleなど、さまざまなIT企業が参入するだけでなく、半導体メーカーのQualcommが470億ドル(約5兆4000億円)で車載半導体首位のNXP Semiconductorsを買収したり、NVIDIAが「NVIDIA Drive PX 2」をアウディ、ボッシュに提供したりと自動運転市場にこぞって参入している中で、世界最大の半導体メーカーのIntelも参入しない手はなかったということです。

ボード1枚でMacBook Pro150台分の能力を持ち自動運転カーを実現する「NVIDIA Drive PX 2」 - GIGAZINE


Mobileyeの自動運転システムのチップ製造はこれまでSTMicroelectronicsが受けもってきましたが、今後はIntelが製造することになります。Intelによる買収後も引き続きイスラエルに拠点を置くMobileyeは、車載用の自動運転システムを大手自動車メーカーに供給する予定であり、Intelによるバックアップを受ける事で半導体チップやクラウド技術の開発がスピードアップし、自動運転システムの低コスト化につながる可能性があります。半導体の巨人IntelによるMobileyeの買収によって、自動運転カーの実用化の日が近づくことになりそうです。

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