1月15日で15周年を迎えたWikipediaについて意外と知らない15のトリビア
By Johann Dréo
2016年1月15日、フリーのオンライン百科事典Wikipediaが15周年を迎えました。2001年に英語版からスタートしたWikipediaですが、現在はなんと約300言語・3600万ページものコンテンツが存在するそうです。Wikipediaの更新を行っているのは8万人にも及ぶボランティアで、その財源はユーザーからの寄付で成り立っているのですが、誕生から2016年までの15年間で起きた15の出来事をWikipediaがまとめています。
Wikipedia 15
https://15.wikipedia.org/history.html
1:Wikiが誕生
1995年、アメリカのプログラマーであるウォード・カニングハム氏が世界で初めて「Wiki」を採用したサイトを開設しました。「Wiki」は、世界初の複数人が同時に文章を編集できるインターネットプラットフォームで、これが元となりWikipediaが誕生します。なお、「Wiki(ウィキ)」というのはハワイ語で「速い」を意味する単語で、ホノルル国際空港内を走る「Wiki Wiki シャトルバス」からとったものだそうです。
By Open Affairs Television
2:多様化
Wikipediaを運営する非営利団体ウィキメディア財団では、他にも無料で使える辞書・教科書・引用文・学習ツール・旅行ガイドなども提供しています。
3:Wikipediaの展示会
世界で初めてWikipediaに関する展示会が開かれたのは、2006年3月17日。ドイツにあるゲッチンゲン大学の図書館で開かれました。
この展示会に関するWikipediaページでは、以下の様な展示会の様子を撮影した写真が複数枚公開されています。
„Wikipedia-Ausstellung 09“ von Manuel Schneider(bla) (+/-) - Selbst fotografiert. Lizenziert unter CC BY-SA 3.0 über Wikimedia Commons.
4:陰で活躍するボット
ボランティアが不要な作業や手間のかかる作業を行う必要がなくなるように、Wikipediaの陰ではボットがさまざまな作業をこなしてくれています。英語版のWikipediaの場合、2000ほどのボットを使っているそうで、ボットにはそれぞれ名前がある模様。例えば、「PhotoCatBot」という名前のボットはWikipediaのページに使用する写真を探す手伝いを行ってくれます。
Wikipediaが運用しているボットの中には、ページ内容を改竄したりねつ造したりといった悪意ある者による「荒らし」行為を駆逐するためのボットも存在します。
Wikipediaはいかに改竄・ねつ造など荒らし行為を駆逐し続けてきたのか? - GIGAZINE
5:世界で最も閲覧されているウェブサイト
2007年、世界で最も閲覧されているウェブサイトトップ10にWikipediaが選ばれました。なお、トップ10の中で非営利で運営されているウェブサイトはWikipediaのみだったそうです。
6:Wikipedians(ウィキペディアン)
Wikipediaで働く人を「ウィキペディアン」と呼びます。ウィキペディアンの仕事は、Wikipediaの執筆・編集などを助けるためのルールやガイドラインなどを作成し、使用者自身もウィキペディアンであることを実感できるようにすること。
7:Wikimedia Commonsに最初にアップロードされた写真
誰でも使える画像・音声・動画のデータベースである「Wikimedia Commons」に最初にアップロードされたのは、ウズラのつがいの写真でした。
8:最初に書かれたのは「プードル」のページ
Wikipedia上で最初に作成されたのは「プードル」のページでした。初めはたったの8単語しか説明が書かれていなかったそうですが、現在では5000単語を超える説明書きが加えられています。
9:インターネットの自由のために戦う
2012年、WikipediaはStop Online Piracy Actへの抗議活動として、サービスを一時停止しました。
10:Wikipediaで2番目に編集回数が多いページは……
英語版Wikipediaの15年間の歴史の中で、2番目に編集回数が多いページは「プロレス」に関するページ。
11:
Wikivoyageの新しいロゴを決める際、新しいロゴと最後まで競った案は「ヘビが魔法の絨毯に乗ったロゴ」でした。
"Wikivoyage magic carpet" by rendering L. Shyamal; idea m:User:Micru - Own work. Licensed under CC0 via Wikimedia Commons.
12:イギリスの軍人エイドリアン・カートン・デ・ウィアートの記事は3500回以上リツイートされた
イギリス陸軍中将のエイドリアン・カートン・デ・ウィアート卿は、1880年5月5日にベルギーのブリュッセルで生まれ、1963年の6月5日に死没しました。第一次世界大戦では最も誉れ高いビクトリア十字勲章を受賞し、ボーア戦争や第二次世界大戦にも従軍しています。そんなウィアート卿はなんと顔・頭部・腹部・足首・脚部・おしり・耳を銃で撃たれ、2度の航空機墜落事故を経験しながらも生き延びたという人物で、戦争捕虜になった際はトンネルを掘って脱獄した経験もあります。また、医者に指の切断を拒否された際には、自分の指を噛みちぎったとも言われています。なお、ウィアート卿は第1次世界大戦時に「正直に言って、私は戦争を楽しみました」と語ったそうです。
13:Wikipediaは過去のいたずらリストを保持している
あるとき、「バイロン卿はワニとラーテルをペットとして飼っていた」といういたずら編集が行われました。バイロン卿は生涯で多数の猫や犬、馬などを飼っており、他にも狐や猿、タカ、カラス、ワシ、クジャク、ホロホロチョウ、ツル、アナグマ、ガチョウ、アオサギ、ヤギなども飼育していたそうで、この編集がいたずらかどうかを見極めることは非常に困難だったそうです。
14:Wikipedia上のデータから病の広がりを予測
ロスアラモス国立研究所の研究者は、Wikipedia上のデータからブラジル・アメリカ・日本・ポーランド・タイにおけるデング熱の広がりについての非常に正確な予測を算出しました。
Scientists use Wikipedia search data to forecast spread of flu - LA Times
15:英語版Wikipediaの記事をすべて読むのにかかる時間は16年
英語版のWikipedia上で公開されているページをすべて読むのに必要な時間はなんと16年。もちろん睡眠や休みなしで読み続けて16年かかる模様。
なお、15周年記念サイトの「Wikipedia 15」では、他にWikipediaの編集を行っている人の紹介や2015年に1000ドル以上寄付したユーザーの紹介、財政状況を伝えるページなどが公開されています。
Wikipedia 15
https://15.wikipedia.org/
また、Wikipediaの15周年を記念して、東京でも2016年1月24日に執筆者・編集者向けのイベントが開催されるようです。入場料は無料ですが事前に参加申し込みをしておく必要があるようなので、気になる人は要チェックです。
ウィキペディア15周年イベント 東京 (Wikipedia 15th birthday TOKYO) | Peatix
・関連記事
Wikipediaを書き換えてセキュリティを突破し舞台裏まで到達した天才が登場 - GIGAZINE
Wikipediaにひとりで270万もの記事を投稿した男の正体とは? - GIGAZINE
Wikipediaの編集者に金を払って記事を掲載してもらう隠された世界の実態とは - GIGAZINE
WikipediaがAIを使って記事の編集・改変によって品質が下がっていないかどうかを判断できるツール「ORES」をオープンソースで公開 - GIGAZINE
Wikipediaの各ページのPV数を簡単に比較できる公式ツール「ARTICLE COMPARISON」 - GIGAZINE
・関連コンテンツ