「死」に関するものを集めまくった異色の博物館「Morbid Anatomy Museum」のムービーが公開中
現代の人の多くは死を恐れますが、誰もがいつか死ぬということは、「死」はそんなに悪いものではないはず、ということで、ニューヨークにある「死」に関するものを集めまくった博物館が「Morbid Anatomy Museum(病理解剖学博物館)」です。Morbid Anatomy Museumのクリエイティブ・ディレクターである女性を取材した「The Curator of Death」がYouTubeで公開されています。
The Curator of Death - YouTube
扉をくぐると……
一見何の変哲もない部屋。
ゴージャスなシャンデリアがつるしてあり、どことなく中世っぽい雰囲気です。
しかし、部屋に飾ってあるのは人間の顔や……
頭が2つあるヒヨコ。
何かの脚を束ねたものも。
頭蓋骨。
棺おけの中に横たわる故人の写真など。
「現代人にとって『死』は身近なものでなくなったため、人は昔より死を恐れるようになったと思います。けれど人はいつか死ぬし、それは悪いことではないでしょう?私はとても死にひかれるんです」と語るのはアーティストであり収集家・グラフィックデザイナーとしても働くJoanna Ebensteinさん。
Ebensteinさんはニューヨーク・ブルックリンにある「死」に関するものを集めたMorbid Anatomy Museumのクリエイティブ・ディレクターも務めています。
Morbid Anatomy(病理解剖学)と聞くと死んだ赤ん坊など、恐ろしい展示を想像しますが、「ここには死んだ赤ん坊はいないわ」とEbensteinさん。
建物の中に入ると、角が生え、2つの頭がくっついた頭蓋骨がお出迎え。
宗教にまつわる人形や……
下半身が1つにくっついた赤ん坊の写真などが飾られています。
博物館は大きく分けて2つのパートに分かれています。
1つは現代のコレクターたちが集めた作品が飾ってある企画展示ゾーン。
戦車の上に建てられた教会など、意味深な作品が並んでいます。
もう1つがムービーの冒頭に登場したMorbid Anatomyのライブラリー。
ずらりと並ぶ本。
かと思えば、祭壇のようなものがあったり……
トラに捕食される女性の写真が飾ってあったり。
石膏の頭部。
棚の上にはさまざまなグッズが所狭しと置かれています。
南米を感じさせるガイコツの花嫁。
Ebensteinさんはもともと「科学者かアーティストになりたかった」とのことで、「死の美しさ」「アート」「サイエンス」「かわいいもの」「おそろしいもの」はなぜ区別して扱われなければならないのか?というアイデアからMorbid Anatomy Museumは生まれたそうです。
子どもの時には猫を飼っていて、動物が大好きだったというEbensteinさん。
しかし同時に、博物館などでホルマリン漬けになった動物たちを見るのも好きだったとのこと。
死に関するものを集めるEbensteinさんを大学時代の友人は「Morbid(病的)」と呼び、変人扱いしたそうですが、Ebensteinさんは収集をやめませんでした。
変人扱いされていたEbensteinさんですが、博物館の運営を始めてからは自分のような人間が予想よりはるかに多いことに気づけたそうです。
なお、ニューヨークにあるMorbid Anatomy Museumのウェブサイトは以下から確認できます。
Morbid Anatomy Museum
http://morbidanatomymuseum.org/
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