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「脳力トレーニング」の効果が認められずサービス提供企業に約2億円の罰金処分が下される

By A Health Blog

脳の能力を高めるとして提供されている脳力トレーニング関連のゲームは数多くあり、人気を集めているのですが、アメリカ連邦取引委員会はあるサービスを提供していた企業に対して「科学的裏付けがない」として200万ドル(約2億4000万円)の罰金処分を下しました。処分が下された企業は、罰金の支払いに応じる姿勢を見せています。

Lumosity to Pay $2 Million to Settle FTC Deceptive Advertising Charges for Its “Brain Training” Program | Federal Trade Commission
https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2016/01/lumosity-pay-2-million-settle-ftc-deceptive-advertising-charges

Lumosity to Pay $2M to Settle FTC Charges Over 'Brain Training' Ads - NBC News
http://www.nbcnews.com/business/consumer/lumosity-pay-2m-settle-ftc-charges-over-brain-training-ads-n490571

この処分を下されたのは、能力トレーニングプログラム「Lumosity」を提供しているLumos Labsです。処分を下した連邦取引委員会は、同社は科学的に認められた効果が存在しないにもかかわらず、Lumosityにはユーザーの仕事や学習を向上させ、年齢に伴う脳の認知能力の低下およびその他の重大な健康上の問題の発生を遅らせる効果があると広告でうたい消費者を欺いたと認め、罰金処分を下しています。処分では同社に対して罰金の支払いが命じられているほか、サービス利用者に対して連邦取引委員会による決定を通知し、契約の自動更新を停止して将来の利用料金の発生を止めるためのわかりやすい方法を提供することが求められています。

連邦取引委員会消費者保護局のディレクターを務めるジェシカ・リッチ氏は処分を行った理由について「Lumosityは、加齢に伴う認知能力の低下に対する消費者の恐怖をあおり、ゲームをプレイすることで記憶力の低下や認知症、アルツハイマー病を食い止めることができると示唆しました。しかし、同社はその効果を裏付けるための科学的な根拠を持っていませんでした」と指摘しています。

By Neil Conway

連邦取引委員会の発表によれば、Lumosityは脳の特定の部位を鍛えるために考えられた40種類のゲームからなるプログラムで、1回あたり10分から15分、週に2~3回プレイするだけで「人生の全ての要素で最大限のポテンシャルを達成する」とうたっていたとのこと。同社はオンラインとモバイル向けアプリでサービスを有償で提供しており、月額14ドル95セント(約1800円)のプランから一生涯にわたって利用できるメンバーシッププラン(299ドル95セント・約3万6000円)などのプランが提供されています。

これに対し、Lumos LabsはNBC newsの取材の中で、サービス内容の正当性と科学分野、とりわけ認知力研究を促進するための協同プロジェクトであるHuman Cognition Projectを通じた貢献度を主張。その上で「連邦取引委員会の決定および処分内容は、いずれも当社の研究内容の厳しさと商品の品質にふさわしいものではない」と反論し、広告に用いられた表現を「マーケティング用語の反映であり、すでにもう用いられていない」と主張。さらに「企業として私たちの焦点は変わっておらず、これからも変わることはありません。それは、認知力トレーニングの科学を進めることと、その分野および研究に意味のある貢献を行うことににコミットし続けることです」とのコメントを発表しています。

規定された連邦裁判所によって下された処分では、同社の共同設立者でCEOのKunal Sarkar氏および役員のMichael Scanlon氏ら被告人に対し、申し立てを行う際には効果を証明する信頼性のある科学的証拠を提出するように命じています。

By Emilio Garcia

なお、Lumosityは日本語でもサービスが提供されています。

Lumosity: ブレイン ゲームおよびブレイン トレーニング
http://www.lumosity.com/landing_pages/560

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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