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13年間で何千人もの囚人がシステムエラーで予定より早く釈放されていたことが判明

By Pedro Vera

アメリカ・ワシントン矯正局が管轄する刑務所で、収容期間を計算するソフトにコーディングエラーがあり、13年間にわたって収容期間を誤算していたことがわかりました。13年間で予定よりも早く釈放された囚人の数は3000人以上にのぼるとのことです。

‘Totally unacceptable': State knew thousands of inmates released in error | The Seattle Times
http://www.seattletimes.com/seattle-news/politics/inslee-error-releases-inmates-early-since-2002/

ワシントン州知事のジェイ・インスレー氏は、ワシントン矯正局が2002年から囚人の収容期間を誤算していたことを発表しました。さらに2012年に「釈放が早すぎる」と考えた遺族がワシントン矯正局に報告していたこともわかっており、一部の局員はソフトウェアのエラーに気付いていたとのこと。知事は「この問題が13年間も存在し続けていたことは非常に嘆かわしいことです。とても容認できる問題ではなく、率直に言って怒りすら感じます」とコメントしています。

ワシントン矯正局の報告によると、13年間でソフトウェアの誤算の影響があったのは全体の3%にあたる約3200人の囚人で、正式な釈放日より平均して55日間早く釈放されていたとのこと。知事は記者会見で「2016年1月初頭に収容期間計算ソフトの修正を行う」「2名の元連邦検察官を雇用し、矯正局から独立した調査を行う」などの一連の問題を解決するための措置を発表しており、誤って釈放済みの5人を再収容したとのこと。また、知事は矯正局に対してソフトウェアの影響がある囚人の刑期は手計算で刑期を再確認し、正しい刑期が保証されるまで囚人の釈放を停止するよう求めています。

By Olli Homann

記者会見で出た「なぜ問題が2012年に解決されなかったのか?」という質問について、矯正局は「ソフトウェア修正が繰り返し延期された」ためと回答しています。この問題を書類にまとめた担当者はファイルに「ASAP(至急行うこと)」のラベルをつけていたにもかかわらず、IT関連の修正事項のキューで優先順位が正しく動作していなかったため、繰り返し延期になっていたと説明されています。

アメリカの法律では、「Good Time credit」と呼ばれる模範囚に最大で刑期の3分の1を減刑する制度があります。対照的に火器・兵器に関する犯罪や性犯罪を起こした者に対しては、収容期間を延長する決まりもあるのですが、Good Time creditは火器・兵器・性犯罪に対しては適用されません。エラーを持つソフトウェアは全ての犯罪者にGood Time creditを与えていたほか、誤算により長すぎるGood Time creditを適用していたとのことです。

なお、すでに釈放済みの囚人の対処についてはまだ決まっておらず、早期に釈放された囚人が出所後に犯罪を起こしていないかどうかは、今後の調査で判明していく予定です。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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