大陸間弾道ミサイルや核爆撃機のオペレーションにいまだにフロッピーディスクが使用されていることが明らかに

By Frédéric BISSON

8インチフロッピーディスクが一般的に使用されなくなって数十年が経過しているにも関わらず、「アメリカ国防省は核軍事力を運用するためのコンピューターシステムに8インチフロッピーディスクを使用している」という驚くべきレポートが公開されました。

US military uses 8-inch floppy disks to coordinate nuclear force operations
http://www.cnbc.com/2016/05/25/us-military-uses-8-inch-floppy-disks-to-coordinate-nuclear-force-operations.html


アメリカ国防省は2016年現在も1970年代に使用されていたコンピューターのIBM Series/1とフロッピーディスクを使い、大陸間弾道ミサイルや核爆撃機、タンカー支援用の航空機を取り扱っていることがアメリカ政府説明責任局(GAO)のレポートにより明らかになりました。

アメリカ国防省の時代遅れな「戦略的自動コマンド・アンド・コントロール・システム」は、世界でも最も古いIT設備のひとつで、これが8インチフロッピーをいまだに使用しているコンピューターシステムの正体です。このシステムについてGAOは、数多く存在する政府機関の中でも「新しいものに替えるべき古びたレガシーシステムのひとつ」と述べています。レポートによると、同システムは核関連システムの他、納税者・連邦刑務所に収監されている囚人・軍のベテランなどに関する情報も取り扱っているとのこと。

レポートには「連邦政府のITシステムはますます旧式のものになってきています。もはやサポートが終了したような時代遅れのソフトウェア言語やハードウェアが多く使用されています」「機関によっては、運用しているITシステムの構成要素の一部が、少なくとも50年は前のものになっている」とのことで、アメリカ政府内のシステムで著しい老朽化が読み取れます。

アメリカ国防省は核関連システムの早急なアップグレードを計画しているそうで、同省のヴァレリ・ヘンダーソン中佐は「システムがいまだに使用されているのは、一言で言えば『まだ動作するから』です。しかし、旧式化したフロッピードライブを2017年末までに安全なデジタル機器と取り替えられることが予定されています」と、システムを最新のものにアップグレードする計画について語っています。

By Intel Free Press

なお、GAOによれば連邦政府が2015年にITシステム関連のために投資した額は800億ドル(約8兆8000億円)だったそうですが、そのうちの75%は既存システムの保守点検に使用されており、これは過去7年間で増加傾向にあるとのこと。対して、新しいITシステムの開発などに割かれる支出は年々減少傾向にあるそうです。

加えて、GAOのレポートによると財務省でも大昔のITシステムが運用されており、ここでは個々の納税者の事業所得などが記された「マスターファイル」が運用されているとのこと。このマスターファイルは税金に関する情報が記された貴重なもので、これを用いて納税者に税金を課したり返還したりする、というとても重要なものだそうです。しかし、そんな重要なシステムもアセンブリ言語コードで書かれた時代遅れなものになっており、「これを維持するにはとても手間がかかる」とのこと。アメリカ財務省は新しいシステムの基本設計を持っているそうですが、「システムを変更する、という確証を得られていない」とレポートには記述されているそうです。

これらに加えて、アメリカの防衛省・財務省・商務省・保健福祉省・復員軍人援護局などでは、1980年代や1990年代にMicrosoftからリリースされたOSがいまだに使用されていることも明らかになっています。

By N Stjerna

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