Wikipediaを書き換えてセキュリティを突破し舞台裏まで到達した天才が登場
by Johann Dreo
Wikipediaは誰でも編集可能なオンラインの百科事典ですが、その運営方法を悪用して内容を書き換える行為がたびたび行われています。オーストラリアでは、好きなアーティストのWikipediaを書き換えることでライブの警備をすり抜けて、舞台裏に侵入した人物が現れています。
Peking Duk fan infiltrates backstage by fooling security guard with Wikipedia edit | Music | The Guardian
http://www.theguardian.com/technology/2015/dec/03/peking-duk-fan-infiltrates-backstage-by-fooling-security-guard-with-wikipedia-edit
som1 edited our wiki 2 say he was our family. showed security, got in2 the green room and had a beer with the boys.. pic.twitter.com/DUZfki9hFS
— peking duk (@pekingduk) 2015, 12月 3
メルボルン在住の医者であるDavid Spargo氏は、オーストラリアの音楽ユニットPeking Dukの大ファンで、Peking Dukのライブで演奏が終わって帰ろうとした際に、ふとWikipediaのページを編集して楽屋に侵入する方法を思いついたそうです。Spargo氏は当初、この計画がうまくいくとは考えていなかったとのこと。
Spargo氏はまず、Peking DukのWikipediaページに、自身の名前を「バンドメンバーのReuben Styles氏の異父兄弟」と書き込みました。続いて舞台裏に向かったSpargo氏は、警備員にメンバーの家族であることを伝えると、警備員に「Styles氏の家族である証明を見せろ」と言われたとのこと。そこでSpargo氏はスマートフォンでPeking DukのWikipediaのページを見せて、家族欄に自分の名前が載っていることをアピール。警備員は何の疑いもなくSpargo氏を舞台裏に通したそうです。
Spargo氏は舞台裏への侵入に成功した後、バンドメンバーにあいさつしたのですが、Peking Dukの2人はライブ会場のセキュリティの脆弱性よりも、Spargo氏が舞台裏に侵入した方法に興味津々だったそうです。Peking DukはSpargo氏の行為に怒ることはなく、ともにビールを飲み交わして帰宅したとのこと。
Peking DukのStyles氏は「これまで僕が聞いた中で、最も天才的で巧妙な計画です。たった数秒の間にスマートフォンでWikipediaを編集するだけで、セキュリティを突破してしまったのですから」とコメントしています。また、もう1人のメンバーであるAdam Hyde氏は「どうかWikipediaを信頼しすぎないでください」と語っています。
なお、当該のWikipediaページは既に修正済みですが、ライブの直後には、メンバーの家族欄にSpargo氏の名前が「Legend(伝説)」と刻まれていたそうです。
・関連記事
Wikipediaで編集合戦が行われている記事主要言語別トップ10 - GIGAZINE
Wikipediaはいかに改竄・ねつ造など荒らし行為を駆逐し続けてきたのか? - GIGAZINE
Wikipediaにひとりで270万もの記事を投稿した男の正体とは? - GIGAZINE
Wikipediaの編集者に金を払って記事を掲載してもらう隠された世界の実態とは - GIGAZINE
WikipediaがAIを使って記事の編集・改変によって品質が下がっていないかどうかを判断できるツール「ORES」をオープンソースで公開 - GIGAZINE
Wikipediaを閉鎖させないために必要な金額はいくらなのか? - GIGAZINE
Wikipediaの舞台裏「Wikipediaの管理者」とは? - GIGAZINE
これがWikipediaの裏側、知られざる大規模システムの実態「Wikipedia / MediaWiki におけるシステム運用」 - GIGAZINE
・関連コンテンツ