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iPhone 6sのチップ製造メーカーの違いはバッテリー持ちにほとんど影響しないことが実使用に近い環境下でのテストで判明

by Microsiervos

iPhone 6sの新型A9チップはサムスンとTSMCの2社が製造していて、どちらのチップを搭載しているかによってバッテリー持続時間が異なるというレポートが公開されていますが、新たに「iPhoneを毎日使用する場合にはバッテリー持ちにほとんど差がない」という実験結果が出ています。

Battery Tests Find No iPhone 6s Chipgate Problems - Consumer Reports
http://www.consumerreports.org/smartphones/battery-tests-find-no-chipgate-problems-in-the-iPhone-6s

iPhone 6sに搭載されている新型A9チップはサムスン製とTSMC製の2モデルが存在し、サムスン製の方がバッテリーが持たないという問題が複数のバッテリーレポートから明らかになっていました。

iPhone 6sなどのCPUがサムスン製だとTSMC製よりバッテリーがもたない、確認する方法はコレ - GIGAZINE


この問題を受けて、製品やサービスのテストを行っている非営利団体Consumer Reportsでは、iPhone 6がポケット内で曲がってしまうという問題に引き続いて、iPhone 6s専用のテストを実施。ベンチマークテストアプリを使うのではなく、実生活の使用環境に近いテスト環境を作ったとのこと。テスト結果から、iPhone 6s/6s Plusは旧モデルのiPhone 6よりもバッテリー持続時間が短くなってはいるものの、チップの製造メーカーがバッテリーの持ちに影響することはないと判明しています。

テストでは、まずiPhone 6sのチップ製造メーカーを特定することから開始。App Storeで配信中のLirum Device Info Liteという無料アプリを使うとチップIDを確認することができ、表示されたIDが「N71mAP」であればTSMC製、「N71AP」であればサムスン製と特定することが可能です。


次にサムスン製チップとTSMC製チップを搭載している2台の端末を用意して、iOSのバージョンや通知設定、ネットワーク接続、アプリの種類、ディスプレイの輝度などが全く同じになるように調整。また、携帯キャリアごとにバッテリー持続時間が異なるという問題を回避するために、2台ともT-MobileのSIMカードを使用したそうです。

バッテリー持ちを計測するテストは外部からの電磁波をシャットアウトする特別な部屋で行われ、携帯電話のモバイルデータ通信を擬似的に再現するエミュレータを使って実験を行ったとのこと。実験結果からは、TSMC製チップとサムスン製チップを搭載している2台のiPhone 6sは両方とも5時間連続で通信することができ、両者のバッテリー持続時間はわずか2%程度の差しかないことが明らかになりました。


また、別のテストでは、ウェブサイトを閲覧しながら音楽を流し続けて、バッテリーが何時間持つのかを検証。その結果、2台のiPhone 6sとも11時間連続で動作し、バッテリー持続時間はたったの1%しか差がなかったそうです。テスト中に端末の温度を調べたところ、表面温度はセ氏30度ほどで、チップ製造メーカーによる温度の差異は1%以下だったとのこと。


実験結果を受けてConsumer Reportsは、スマートフォンユーザーひとりひとりの使用頻度が異なるため、バッテリーパフォーマンスは使用環境ごとに異なるとコメントしつつも、「iPhone 6sはチップの製造メーカーによってバッテリー持続時間や端末の温度上昇に大きな差異は見られない」と結論づけています。

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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