バッテリー減&増量と引き替えに「3D Touch」を得たiPhone 6sの中身はどうなっているのか?
iPhone 6sは前モデルiPhone 6と比べて14gも重さが増えバッテリー容量も減少するなど、スペックダウンした部分があります。しかし、これらはすべてiPhone 6s最大のウリである新機能「3D Touch」を実現するためのもの。iFixitがiPhone 6sを分解することで、3D Touchを実現する「Tapticエンジン」や新型タッチパネルなどを丸裸にしています。
iPhone 6s Teardown - iFixit
https://www.ifixit.com/Teardown/iPhone+6s+Teardown/48170
iPhone 6sをバラバラに分解する様子は以下のムービーで確認できます。
iPhone 6S Teardown Review - YouTube
9月といえばiPhoneの季節。例年通り発売されたiPhone 6sをiFixitは速攻で分解します。
速攻で分解するために、iPhone発売が最も早い国の一つのオーストラリアのAppleストアに並んで……
朝一でゲット。「どこよりも早くiPhone 6sをバラバラにしなければ!」というiFixitの使命感には脱帽です。
というわけで、今回分解するのは新色ローズゴールドのiPhone 6s。
iPhone 6sのサイズは縦138.3mm×横67.1mmで、前モデルのiPhone 6よりもほんの少しサイズアップ。
iPhone 6に比べて0.2mm厚い7.1mm、重さは14g増の143g。
4.7インチディスプレイは解像度が1344×750、画素密度は326ppiでiPhone 6とまったく同じ。
新たにローズゴールドが追加されて4色展開になりました。
iPhone 6sの分解も、底面にあるLightningポート横の2つの特殊ネジ(Pentalobeスクリュー)を外すことからスタートします。
iFixit特製ツール「iSclack」で……
パカリ。
iPhone 6sの中身があらわになりました。
前モデルiPhone 6と比べると、新機能「3D Touch」を実現するTapticエンジンを組み込んだため、バッテリーが小さくなっていることが分かります。
ディスプレイ用のコネクタをロジックボード(マザーボード)から取り外すと……
ディスプレイ部分が分離可能。ディスプレイは60gとiPhone 6のものよりも15gもアップ。驚くべき事に、60gとはiPhone 6 Plusのディスプレイと同じ重さとのこと。
FaceTimeカメラ(フロントカメラ)は従来の120万画素から500万画素へと大幅に進化。
LCDシールドプレートを取り外すと……
3D Touch用のICチップ「343S00014」が現れました。
次にホームボタンを取り外します。
左上がiPhone 6のホームボタンで、右下がiPhone 6sのもの。わずかに形状が異なるとおり、Touch IDの精度がアップしているのが分かっています。
バッテリーの下に搭載されたのが振動によってクリック感を作り出す「Tapticエンジン」
Tapticエンジンの内部には極小のバネが内蔵されており、モーターが回転することでバネが伸縮して、振動とは異なるクリック感が生まれます。
バッテリー下の接着剤をビヨーンと引っ張ると……
バッテリーが取り外せました。
iPhone 6sのバッテリー容量は1715mAhと、iPhone 6の1810mAhから容量が減っています。
iSightカメラ(リアカメラ)はピンセットで取り外せます。
1200万画素にグレードアップしたリアカメラは、4K(3840×2160、30fps)のムービー撮影が可能です。さらに1080p(120fps)のスローモーションビデオにも対応するなど確実に進化しています。
最後にロジックボードの取り外し。
赤枠がA9チップで2GBのSamsung製LPDDR4メモリを内蔵しています。オレンジ枠がQualcommのCat.6対応LTEチップのMDM9635Mです。
裏側はこんな感じ。赤枠が東芝製の16GB・NANDフラッシュメモリ、オレンジ枠がWi-Fiモジュールの339S00043、黄枠がNFCコントローラーのNXP 66V10。
iFixiが認定するiPhone 6sの分解難易度は、10段階の「7」と比較的易しめ。
その理由として、ディスプレイパーツがすぐに取り外せること、バッテリーにも直接アクセスできること、Touch IDケーブルの取り出しが相変わらずやっかいなこと、依然としてAppleはPentalobeスクリューを使っていることなどが挙げられています。
・おまけ
なお、iFixitはもちろんiPhone 6s Plusについても速攻でバラバラにしており、iPhone 6とはまったく違う形のTapticエンジンを確認できます。
iPhone 6S Plus Teardown Review - YouTube
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