新型「MacBook Pro 13インチモデル」の分解・修理は極めて難しいことがiFixitの分解レポートで判明


Appleファン待望の「MacBook Pro」が2016年10月28日に発売されましたが、修理・分解集団のiFixitがさっそく分解を敢行。新型MacBook Proは、最高レベル一歩手前という極めて分解・修理が困難な構造であることがわかりました。

MacBook Pro 13" Function Keys Late 2016 Teardown - iFixit
https://www.ifixit.com/Teardown/MacBook+Pro+13-Inch+Function+Keys+Late+2016+Teardown/72415

iFixitによる新型MacBook Proの分解作業の様子は以下のムービーで確認できます。

Late 2016 13" Macbook Pro (With Function Keys) Teardown Review! - YouTube


新型MacBook Pro最大の変更点は、「Touch Bar」と呼ばれるディスプレイタイプのファンクションキー。しかし、今回iFixitが分解するのはTouch BarなしのMacBook Pro 13インチモデルです。


分解前にX線で構造を確認。CPUは第6世代IntelCoreプロセッサーのCore i5(最大3.1GHzデュアルコア)、8GBのLPDDR3メモリ、PCI-Express接続のSSDを搭載します。


側面には2つのThunderbolt 3ポート。


iPhone 7シリーズと違って、3.5mmイヤホンジャックを搭載します。


ケースには新しいモデルナンバー「A1708」


MacBookと比べると、トラックパッドの巨大化が一目瞭然。


分解作業にとりかかります。まずは、底面にあるApple独自規格のネジを6本取り外します。ちなみに、過去のMacBookの底面ネジは8本か10本が主流で、6本というのは過去最少とのこと。


底面パネルを取り外すと、内部にアクセスできます。


ネジ頭が大きなT5スクリューは、バッテリー用のコネクタを固定するもの。


カバーを取り外すと、コネクタの接続が解除されます。


コネクタが外れたのを確認して、トラックパッドを取り外します。トラックパッドの取り外し作業は非常に簡単とのこと。


赤枠がST Microelectronics製のチップ「STM32F103VB」で、ARMのCortex-M3MCUを搭載しています。オレンジ枠がBroadcomのタッチコントローラー「BCM5976C1KUFBG」


電磁石付きのTapticエンジンも取り外し可能。


続いてバッテリーの取り外し作業。接着剤で取り付けられたバッテリーは、iFixit特製の「iOpener」セットで取り外します。


トラックパッド下の部分にもカード状のツールを差し込んで、バッテリーを分離していきます。


バッテリーの取り外し作業は忍耐が必要とのこと。


取り外したバッテリーは3セル構成。


容量は54.5Whで、2015年モデルのMacBook Proに比べて27%も削減されています。


バッテリーを制御するボードにはLightningとヘッドホンジャックを変換するドングルを搭載しています。


次に、SSDの分解作業。まずは保護シールを取り外します。


新型MacBook Proに搭載されるPCI-Express接続のSSDはこんな形。M.2などの規格に沿わないApple独自規格のインターフェースとなっています。


NANDフラッシュメモリはSanDiskの「SDRQKBDC4 064G」が4つ搭載されており、合計256GBのストレージ容量を確保。オレンジ枠はApple製チップ「338S00227」


裏にはTexas Instrumentsの「58879D MOSFET」(黄枠)、Micronの512MBのDDR2メモリ(緑枠)を搭載しています。


なお、MicronのDDR2メモリを取り除くと、AppleのSSDコントローラー「338S00199」が現れました。


SSDの次は、スピーカーユニットの分解作業。振動減衰機構付きのネジを取り外すと……


スピーカーが取り外せました。


次にロジックボードの取り外し作業。


ロジックボードに取り付けられたネジを解除して……


ヒートパイプの取り外しに成功。


赤枠がIntel「Core i5-6460U」、オレンジ枠がSKhynix製の高速シンクロLPDDR3メモリ、黄枠がUniversal Scientific IndustrialのWi-Fiモジュール「339S025」、緑枠がIntelのThunderbolt 3コントローラー「JHL6540


水色枠がTexas Instrumentsの同期整流降圧NexFET「58873D」、青枠がBroadcom製のカメラ用プロセッサ「BCM15700A2」、紫枠がMicronのDDR3Lメモリ「MT41K256M16TW-107


ロジックボード裏面。赤枠がSKhynix製の高速シンクロLPDDR3メモリ、オレンジ枠がTexas Instruments製「SN650839 66AL7XWGI」、黄枠がTexas Instruments製「CD3215B03 66AQ8YW G1」、緑枠がWinbond SpiFlashのシリアルフラッシュメモリ「W25Q64FV」、水色枠がTexas Instrumentsのシステムコントローラー「TM4EA231 H6ZXRI」、青枠がCirrus Logicのオーディオチップ「CS42L63A


ヘッドフォンジャックはファンの下部にテープで固定されているとのこと。この簡易な構造から、次期MacBook Proではヘッドフォンジャックが取り除かれる可能性をiFixitは指摘しています。


薄型のシロッコファン


羽根を「非」等間隔配置するApple独自の仕様によって、風切り音を最小化しています。


ディスプレイ用ボードには、「B1332BDPA 090BX 1605」(赤枠)、National Semiconductor製「67A800U 49B1-04」(オレンジ枠)や……


NXP製「LPC812」(緑枠)、Texas Instruments製「TPS65158


本体のサイド部分にはアンテナを搭載してます。


ディスプレイを取り外すと……


新設計のヒンジシステム。高い精度のヒンジ部分は射出成形されているとiFixitは予想しています。


キーのバタフライ構造も、MacBookと異なり進化しています。


ということで、新型MacBook Proの部品を並べるとこんな感じ。


iFixitによる新型MacBook Proの分解難易度(数値が低いほど高難度)は、10段階中の「2」と極めて難解な部類に入ります。高難度の理由についてiFixitは、「分解が困難なように独自仕様のネジを使用していること」「バッテリーの接着が強固であること」「メモリがロジックボードにはんだ付けされており、修理・交換が不可能なこと」「独自規格のPCI-Express接続SSDを採用していること」を挙げています。


非常に分解・修理難度が高いことが明らかになった新型MacBook Proですが、iFixitは「Touch Bar」搭載モデルについても分解して近日中にレポートを公開する予定だそうです。

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