シンデレラの死体などディズニーランドを皮肉った夢の国ならぬ憂うつの国「ディズマランド」写真&ムービーまとめ
シンデレラの死体など救いのないアトラクション満載の、夢の国ならぬ、Dismal(憂うつな)王国、「Dismaland(ディズマランド)」が2015年8月22日(土)にイギリスでオープンしました。悪夢のような造形のアリエルが廃虚となったお城の前に置かれ、ネズミっぽい耳をつけたスタッフたちが死んだ目でため息をつきつつ接客、のぞきから死体や死神まで園内にはびこるDismalandの様子がYouTubeなどにアップロードされていたので、陰惨な雰囲気の写真やムービーをまとめてみました。
Banksy Dismaland show revealed at Weston's Tropicana - BBC News
http://www.bbc.com/news/uk-england-bristol-33999495
どう見ても子ども向けでないDismalandの様子は以下のムービーから確認できます。
Banksy is Back With New Tropicana Show in Weston - Dismaland - YouTube
ということで、これがDismaland。
チケット売り場は手書きの看板。園内は混まないよう入場制限がかけてあるそうですが、実際に行った人によると「500人ぐらいが待っていたけど、待ってられないってほどじゃなかった」とのこと。
Paddington駅から約3時間かけてDismalandに行ってきたよー(乗り換えに時間がかかった…)
雨が降ってたからか、待ち時間ほぼなしで入場できた。 pic.twitter.com/jM3FkxKlvu
— Yuki 響 Baggins (@yukiron222) 2015, 8月 23
こんな感じで、チケット待機列用のレーンができており、みんなゆるい感じで並んだり座ったりしています。
ゲートをくぐり中に入ると、まず待ち受けているのはセキュリティチェック。
セキュリティゲートは段ボール製。持ち込み禁止物の中には拳銃やスプレーのほか、ユニコーンなども含まれており、持っていた場合は係員にストップをかけられる様子。また「ウォルト・ディズニー社の法定代理人」の入場も禁止されているそうです。
ムービーではさらりと通過していましたが、実際には以下のような感じで係員ににらみつけられながらチェックを受けるようです。
まずセキュリティゲートへ。係員にこのカバンはお前のか?本当か?と物凄く睨みつけられながら質問されたwww
セキュリティゲートといっても全部ダンボール 笑 pic.twitter.com/Yjfcq6nsya
— Yuki 響 Baggins (@yukiron222) 2015, 8月 23
セキュリティチェックを受け、扉をくぐり開けると……
そこに広がっているのは夢の国……ではなく、憂うつの国、Dismaland。
中の様子はこんな感じ。そこまで広くはないようです。
実際にパークを訪れた人が園内の様子をぐるっとムービー撮影していますが、見た目はまさに廃虚です。音のひび割れたレトロな音楽がムードを盛り上げています。
これが園内の地図。入ってすぐにお城と池が目に入るようになっており、その周囲にメリーゴーランドや観覧車などが配置されています。
お城の前にはアリエルっぽい何か。
……ですが、蜃気楼のように妙に像がゆがんでいます。
「POLICE」と書かれた車は池に沈んでおり、Dismalandは秩序を保つ警察が機能していない無法地帯であることを示してます。
草が生えまくっている様子からも、車が沈んでからもう長い様子。
これは射的の屋台。
柵に囲まれた謎の池。
池の中には、暗い顔をした人々が乗った船が。どこからか逃れてきた難民のようです。
室内展示もあり、何十本ものナイフの上にふわふわ浮かぶカラフルなバルーンや……
絵画など、この辺りは美術館のような雰囲気です。
さらに、キノコ雲。
この他にもじゃんじゃんムービーが公開されており、アトラクションの一部を見ることができます。
Dismaland: inside Banksy’s dystopian playground - YouTube
例えば、この屋台では釣り竿っぽい木の棒を手渡されます。
何をつり上げるのかというと……
石油にまみれたアヒルちゃんたち。
「つれない……僕には無理だ……」と己の無力さを感じられるアトラクションになっています。
次に向かったのはお城。
中に入っていきます。
「NO ENTRY(入らないで)」と書かれた箇所をするりと抜けていくと……
古いテレビ画面ではアニメ映画「シンデレラ」のラストシーンが流されていました。王子様の持っていた靴はシンデレラの足にぴったり合い、結婚して末永く幸せに暮らすため、王子様とシンデレラは馬車に乗って去って行く……というシーン。
しかし、テレビのある部屋を抜けると、暗闇の中、光が点滅して何かを照らしていることが分かります。
バシャバシャと光っていたのはカメラのフラッシュ。そして、撮影されていたのは転倒した馬車でした。
力なく倒れた馬たち。
馬車の窓からはぐったりとしたシンデレラの上半身が飛び出ています。つまり、これは映画「シンデレラ」のラストシーンの後、テレビでは放映されなかった本当の結末が再現されていたわけです。一方で、「死んだ女王はカメラマンに囲まれた瞬間に完全になる」という、ダイアナ妃を想起させるような作品にもなっています。
何も分からない小鳥は無邪気にシンデレラのドレスのリボンを引っ張っているのでした。
先ほども映っていた謎の池を別の角度から見た様子。
暗い目でただよう難民たちの船の横で……
船から落ちてしまった少年がぷかりと浮かんでいました。
さらに、メリーゴーランドにはなぜか違和感だらけの白い服の人物が載っています。
メリーゴーランドに乗る馬たちを処理したのかもしれません。
また、夢の国ではかわいらしいキャラクターがスケートしていたりしますが、Dismalandでは死神が活躍します。
Banksy's Dismaland in Weston-super-Mare - YouTube
さらにアトラクションを見て行きます。
Banksy Dismaland Theme Park | A Look Inside - YouTube
「私は愚鈍」と書かれた黒い風船を持つスタッフ。
「NASA」と書かれているっぽいシールの貼られた乗り物に乗り込む男性。
しばらくすると乗り物がぐるんぐるんと回転。
「THE ASTRONAUTS CARAVAN(宇宙飛行士のキャラバン)」ということで、普通の遊園地っぽい乗り物もあるようです。
先ほど映っていたメリーゴーランドは、見る面によって平穏なのが、逆に不穏です。
「ホットドッグは無料。ただし何の動物が入っているか分かる人のみ」という意味深な看板。
デーヴィッド・キャメロン首相が描かれた華やかな看板はぐしゃぐしゃにされ……
夢の国ではあり得ない、のぞき行為もはびこっています。
子どもが喜びそうなシャチのショー。
……には「この展示には、いくらかの人々がトラウマになるになる素材が使われています」の注意書き。このように、作品や物自体は普段の生活にもありそうなのに、注意書きなどのしかけを加えることで見る人の意識に働きかけるアトラクションも多いようです。
都会のミニチュア。
警察の車がいたるところに止まっています。
これは市民が暴動を起こした時の様子を再現しているそうです。
なぜか園内を闊歩するストーム・トルーパーはスタッフなのか観客なのか不明。
ノスタルジックな観覧車。
しかし、乗り物に乗る時はスタッフにため息をつかれたり、「なんでこんなクソみたいなものに並んでるわけ?」と悪態をつかれたりするそうです。
観覧車(£1)に乗る時に£5札を出すと、まじで言ってるの?はぁ〜…って溜め息つかれたり、長い列に並んでるとなんでこんなクソみたいなものに並んでるわけ?他にも見るものあるんだから他に行けば?って怒られたりする 笑 pic.twitter.com/iqXVWiH7Wp
— Yuki 響 Baggins (@yukiron222) 2015, 8月 23
スタッフのいっそすがすがしいほどの不機嫌&ダレっぷりは以下のムービーから確認できます。
Dismaland - YouTube
夢の国では人間と動物が心を通わせますが、Dismalandではハトが老人に襲いかかります。
その他の展示物いろいろ。ちなみに、Dismalandは地面が綺麗に舗装されてないので、雨が降ると靴がどろだらけになるそうです。
沢山ある展示物のなかから、何点か。 pic.twitter.com/dWF9xdW8PL
— Yuki 響 Baggins (@yukiron222) 2015, 8月 23
なお、外に出るには必ずお土産やさんを通らなければならないようになっています。
これがゴミ捨て場……ではなくお土産屋さんの様子。
おみやげ屋さんもあったよ。Tシャツ£20とパーカー£40www pic.twitter.com/ExoEwyPPMy
— Yuki 響 Baggins (@yukiron222) 2015, 8月 23
夜は雰囲気がありまくりなライトアップが行われます。
不吉な予感しかありません。
Dismalandは落書きが1億円で落札される画家バンクシーや、死んだ動物をホルムアルデヒドで保存したシリーズで有名なダミアン・ハーストら、世界50人以上のアーティストの作品を展示しているテーマパークで、2015年8月22日から5週間限定の公開となっています。
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