新旧の戦闘機「P-51」と「F-22」の編隊飛行をコックピットから360度撮影したムービーがYouTubeで閲覧可能

YouTubeが360度カメラ映像のアップロードをサポート開始したことから、徐々に全天球ムービーが楽しめるようになってきました。全方位の視界を活かすことができるシーンといえば大空を舞う飛行機、その中でも高い視認性が求められる戦闘機ということになる(？)のですが、いまから70年前に設計された戦闘機「P-51マスタング」と21世紀の最新鋭戦闘機「F-22ラプター」が空中で並んで飛ぶシーンを収めた360度ムービーが公開されており、寄り添うように飛ぶ2機の様子をリアルに体感できるようになっています。

Heritage Flight Museum - #360Video - P-51 & F-22 - YouTube

「ブルルル」という昔懐かしいレシプロエンジンの音を響かせて飛ぶ往年の戦闘機・P-51マスタング。このYouTubeムービーは360度映像を見ることができるので、機体の右斜め後方に視点を動かすと……

そこにはステルス戦闘機・F-22ラプターの姿。P-51は1940年代、F-22ラプターは2000年代の戦闘機ということで、なんと年齢差60歳の2機が編隊飛行。

夕日をバックにぴたりと寄り添って飛ぶ2機。機体をバンクさせ、右旋回しながらの編隊飛行ということで操縦テクニックが求められます。

しばらくすると、F-22ラプターがするするとP-51マスタングの左翼側へ移動。もちろん自分でYouTubeムービーの視点を動かして機体をフォローできるのが面白いところ。

その隊形を保ったまま、滑走路の上をローパス(低空飛行)。空軍パイロットの腕の見せ所といえます。P-51マスタングはレシプロエンジン機、F-22ラプターは双発ジェット機ということで、得意とする速度域がぜんぜん違うはずなので、特にF-22ラプターのパイロットは高い操縦スキルが求められるはず。

ムービーの視点をコックピット内に動かすと、後部座席に据え付けられた操縦桿が目に入ります。前席のパイロットが操作した動きがそのまま伝わっているため、操縦桿の動きと機体の動きをずっと眺めているだけでも楽しめそう。

なお、P-51マスタングは本来は1名搭乗の単座機なので、後部座席はないはず。ということで、この機体はP-51Dをもとに2名搭乗用に作られた訓練機であるものと考えられます。シリーズの中でも「決定版」とされるP-51D型はコックピットを覆うキャノピーが「バブルキャノピー」と呼ばれるタイプで、全周囲にわたって視界を遮るものがないため、パイロットに抜群の視認性を与えることを可能にしています。そのおかげで、このムービーでも抜群の視界を楽しむことができるわけです。

By Wikipedia

F-22ラプターの機体フォルムが美しく映えるアングル

突然、P-51マスタングが左へ急旋回、それに合わせるようにF-22ラプターが右へ急旋回。エアショーなどで見かけることもある、左右への編隊ブレイクのシーンでした。

単独飛行に入り、バレルロールで機体を反転させたりするP-51マスタング。さすがは戦闘機の名機ということで、70年前の設計でありながら軽い動きを見せていました。

この新旧の戦闘機による編隊飛行は、アメリカ空軍の保有する新旧の戦闘機が一緒に飛ぶ「ヘリテージ・フライト」で実施されているもの。全米各地やカナダで開催されるエアショーのプログラムの一つとして、高い人気を誇っているそうです。

Air Force Heritage Flight Foundation