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空中給油技術の進化をひとまとめにしたムービー「The Amazing History Of Air Refueling」


飛行中の飛行機から別の飛行機へと燃料を補給する空中給油には、安全性や確実性の観点からさまざまな技術が投入されています。「The Amazing History Of Air Refueling」は、そんな空中給油の歴史をまとめているムービーです。

The Amazing History Of Air Refueling - YouTube


世界初の空中給油は、1921年11月2日に行われました。


給油を行ったのは、なんとスタントマンのウェスリー・メイという男性。フランク・ホークスとアール・ダーティーの2名のパイロットが操縦する2機の複葉機の翼から翼へ、5ガロン(約19リットル)のガソリンを背負ってよじ登って給油したのが人類初の空中給油であると言われています。


その2年後の1923年、アメリカ軍が初めて給油ホースを使った空中給油を実施。


これは見事に成功したとのこと。


その後、第二次世界大戦の頃には空中給油技術の進歩がいちど緩やかになります。これは、B-29のような長距離を飛べる飛行機が開発されたため、空中給油の必要性が少なくなったからでした。


しかしその後、高速飛行が可能な一方で、燃料を大量に消費するジェット機が登場すると……


空中給油技術の開発研究が再び活発化します。


近代的な給油装置の1つ、フライングブーム方式を開発したのはボーイングでした。


この方式は、一度に大量の燃料を送ることが可能なため、短時間で給油を終えられることがメリットの1つです。


一方で、イギリスではホースとパイプを使ったプローブアンドドローグ方式が開発されました。


給油機からは先端にろうと状の部品をつけたホースを伸ばし、給油を受ける側からは金属のパイプを伸ばしてドッキングさせるという方式で、機構や操作が容易なほか、ホースを増やすだけで複数の機体へ給油を行うことが可能。ただし、給油スピードはフライングブーム方式に比べて遅くなると言われています。


1980年代前半には、アメリカ空軍で燃料補給機「KC-10」が投入されます。


この機体は、フライングブーム方式とプローブアンドドローグ方式の両方を備えており、受け手側の形状にほとんど左右されずに給油活動を行うことが可能。そのため給油方式の異なる空軍と海軍・海兵隊の両方に対応できるというメリットを備えています。


空中給油を受けているのは、数ある攻撃機の中でも「最強」と言われることも多いA-10サンダーボルトII攻撃機。「今日、近代的な軍事作戦では不可能なことがあります。それは何かというと……」


「空中給油技術を使わない作戦というものです」


そうムービーが締めくくるほど、空中給油は軍備を語る上で欠かせないものになっているというわけでした。ムービーの最後に登場するのは、アメリカ空軍のステルス爆撃機「B-2」。B-2の空中給油口は、機体の上部に備わっています。


給油口の形状はこんな感じ。この形状ではレーダーの電波を反射してしまい、せっかくのステルス性が失われてしまいますが、そこはもちろん万全の体制がとられています。


給油が終わると、給油口部分がぐるっと回転し始めます。


そのまま180度回転すると……


パネルの継ぎ目がピッタリと合って、境目が全く見えないほどの状態になりました。ステルス技術というのは、このぐらい小さなことを積み重ねて秘匿性を高めているようです。

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in 乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log

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