ソニーがかつて任天堂と共同開発したスーパーファミコン互換「PlayStation」の実機が見つかる
ソニーのゲームハードとして知られている「PlayStation(プレイステーション)」は、もともとはソニーが任天堂と共同開発していたスーパーファミコン互換のCD-ROM一体型ゲーム機の名前です。計画は結局、諸般の事情によって頓挫しましたが、すでに試作機が完成していたことからソニーはゲーム事業への進出を決定し、現在の地位の基礎を築くことになりました。この「スーパーファミコン互換・CD-ROM一体型ゲーム機」は世に出なかった幻の存在なのですが、海外でこの実機を入手した人物が、本物であることを証明するためのムービーを公開しています。
Nintendo SNES PlayStation finally uncovered! | ASSEMbler - Home of the obscure
http://assemblergames.com/l/threads/nintendo-snes-playstation-finally-uncovered.57166/
写真は、ASSEMblergamesのフォーラムにDnldbldというユーザーがアップしたもの。
角張ったスーパーファミコンのような筐体。「SONY」と「PlayStation」のロゴが入っています。
前面は電源スイッチとCD-ROMドライブのディスクトレイ・開閉ボタンが並んでいて、その下にヘッドホン端子・ボリュームダイヤル・コントローラー2つ分の端子があります。ちょっとプラスチックが変色していて、年代物であることを感じます。
背面の入出力端子はこんな感じ。スーパーファミコンと共通するマルチ出力端子が、兄弟的な存在だったことをうかがわせます。
スロットに刺さっていたソフトは「92.10.6. デモ用」というラベル付き。ソニーが任天堂との共同開発を諦め、単独でゲーム事業に進出することに決めた経営会議が1992年6月24日に行われたそうなので、その後の社内でのデモ向けに使われたものなのかも。
カセットには「Nintendo SUPER FAMICOM CASSETTE」の文字が。
コントローラーもスーパーファミコン用コントローラーと書かれていますが……
表面には「SONY」「PlayStation」のロゴ入りです。ロゴマーク自体はのちに正式採用された、PとSをモチーフにしたものとは別物。
写真だけでは本物であることが伝わらないからか、YouTubeで実機を触っているムービーも公開されています。
Nintendo Playstation Superdisc - YouTube
コントローラーは文字さえなければスーパーファミコンのものを持っているようにしか見えません。
コントローラーと本体
刺さっているカセットはスーパーファミコンのカセットそのもの
ムービーの中ではうまくピントが合っていませんが、カセット差し込み口ももちろんスーパーファミコンと同じ規格。
本体の大きさはこんな感じ、スーパーファミコンよりちょっと大きいぐらいでしょうか。
底面には拡張用スロットがついていました。
Dnldbldさんによると、これは彼の父親が持っていた「試作機」だとのことで、おそらく、任天堂に勤めていた知り合いのOlaf氏から父親がもらったものだろうと推測しています。残念ながら電源ケーブルがなくて起動したことがないため、カセットの中身が何なのかは未確認だとのこと。
この「Olaf氏」については、ソニー・インタラクティブ・エンタテインメントのCEOを1991年の設立から6年にわたって務め、PlayStationのソフト・ハード両面の展開を担当していたÓlafur Jóhann Ólafsson氏ではないかという意見が出ていますが、詳細は不明です。
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