衣類に織り込んだタッチコントローラーなどGoogleが開発する未来の技術「Jacquard」と「Soli」とは？

Googleが開催した開発者向けイベント「Google I/O 2015」では、メインとなる発表以外にも数々の興味深いプロジェクトが発表されており、布地にタッチセンサーを織り込んで、衣服を触って機器をコントロールできる「Project Jacquard」や、レーダーのような技術を用いたセンサーの「Project Soli」などが展示されていたようです。

Touch-sensitive fabric and tiny radar chips: hands-on with Google's ridiculous new tech | The Verge
http://www.theverge.com/2015/5/28/8682957/touch-sensitive-fabric-and-tiny-radar-chips-hands-on-with-ataps

「Project Jacquard」と「Project Soli」が動作している様子は、以下のThe Vergeのムービーで見ることができます。

まずは「Project Jacquard」から。

会場内のブースでは、テーブルの上にジーンズのような生地が敷かれています。The Vergeの記者が指さす部分がコントローラーとして使える部分のようです。

実際に指を動かしてモニタ上の表示をぐりぐりと動かしていました。ムービーを見ればわかるとおり、指の動きに対する遅延もほとんどない様子。

指を「グッ」と押し込むと、画面に表示されている山の高さも変わりました。圧力を感知する機能も備わっているようです。

複数の指によるマルチタップにも対応しています。

「Jacquard」を使って、スマートフォンをコントロールすることも可能になっていたようです。

操作方法はこんな感じ。生地に織り込まれたセンサーが格子状に表面に見えており、その上をタップすると画面のオン/オフ、左右にスワイプすると表示色が変化し、上下のスワイプで音量を上下できるようになっているようです。

実際に操作している様子はムービーの中で見ることができます。

プロトタイプ品の生地裏面はこんな感じ。

これがあれば、まるでノートPCのトラックパッドを使うように、ジャケットやジーンズを指でなぞることで機器を操作できるようになるようです。

どのような発想で作られたのかなどは以下の記事を読むとわかります。

布地にセンサーを織り込むGoogle新プロジェクト「Project Jacquard」がよくわかるムービー - GIGAZINE

そして「Jacquard」の横に置かれていたのが「Project Soli」のデモ機。黄色い台の上には4面のモニタが置かれており、下の台の中央にあるセンサーが読み取ったユーザーの手の動きや位置を表示するようになっています。

実際に手をかざしてみたThe Vergeの記者。

モニタには線グラフが表示され、手の高さを連続的に読み取っている様子がわかります。この画面は高さの変化を表しているようですが、別の画面では位置をトラッキングしている様子を見ることもできました。

興味深いのは、Soliはセンサーの上に多少の障害物があっても変わりなくセンシングできるところ。以下のように、センサーの上に黒い厚紙を載せてみても……

グラフが表示されました。多少のノイズは乗っているようですが、トラッキング後の処理で対応できそうなレベルに見えます。

実際に操作してみたThe Vergeの記者は、「これ、どうやって使ったらいいのだろ？」と少し途方にくれた様子を語っています。実用性の高そうな「Project Jacquard」に比べ、実際の使用シーンが想像できない「Project Soli」ですが、このような技術の積み重ねこそが、次世代の新しい革新的技術のベースになるということなのかもしれません。