CGと版画が奇跡的な融合を遂げた神風動画のオリジナル作品「COCOLORS」世界最速上映トークショー
徳島県で毎年2回開催されている「マチ★アソビ vol.14」にて、神風動画のオリジナル作品のティザーPVが世界最速で公開され、それに伴うトークショーが行われました。ティザーPVは完成度が非常に高く、「これぞ神風動画」と思わずうなずいてしまう内容になっていました。
マチ★アソビ vol.14に参加決定!
http://www.kamikazedouga.co.jp/contents/
神風動画のオリジナル企画「GASOLINE MASKプロジェクト」のティーザーPV第2弾の世界最速上映がマチ★アソビ vol.14のステージで開催されました。
登壇者は宮下卓也氏、横嶋俊久監督、神風動画代表の水崎淳平氏の3名。GASOLINE MASKプロジェクトのティーザー第2弾を手がけたのが横嶋監督です。
そもそも、神風動画はアニメーションやCGに関する企画・制作を行い、音楽PVや作品のオープニングやCMなどの映像を手がけるほか、オリジナルアニメーションも制作している企業。主な作品にはアニメ「ジョジョの奇妙な冒険1部・2部・3部のオープニング」や「テラフォーマーズのTVCMやエンディング」などに加えて、Mr.ChildrenやEXILEといったアーティストのコンサートに映像を提供したりしています。
携わった作品が各所から高い評価を得ている神風動画が、前回の「マチ★アソビ vol.13」にて「短編映画だけではなくもう少し長い作品を制作する」ということで発表したのが「GASOLINE MASKプロジェクト」でした。前回の発表の様子は下記記事から確認できます。
ジョジョOP映像で知られる神風動画のオリジナル作品「GASOLINE MASK」始動 - GIGAZINE
ということで今回「GASOLINE MASKプロジェクト」のティーザーPV第2弾として公開されたのが「COCOLORS」という作品。横嶋監督によると、COCOLORSは版画をモチーフにした独特の世界観が特徴で、膨大な量のマスク素材を使用しているとのこと。
神風動画が得意とするデジタルのCGと、アナログの版画というものすごく離れているものを融合させたのがCOCOLORS。
全ての登場人物がマスクをかぶっているのも不思議な世界観を構成している要素の1つ。登場人物の顔が映らないという企画内容は、一般的な制作会社だとまず通らないそうですが、水崎氏は快くゴーサインを出してくれたというエピソードが明かされました。
水崎氏によると、出来上がった作品を見たときにホームラン級の手応えを感じるのが4年に1回ほどあり、それは「ナンバーファイブ 吾のPV」や「ジョジョの奇妙な冒険のOP」のときだったとのこと。しかしながら、「COCOLORS」のティーザーPVを見たときにはアドレナリンが全身からブワッと出るのを感じたそうです。
「COCOLORS」のPVを見た後は3人によるトーク。横嶋監督が手がけた神風動画の「アマナツ」に関する話になり、同作品がイタリア語への翻訳依頼がくるほど海外で話題になっていることが判明。また、横嶋監督から、映像に強い神風動画というのを理解した上で、あえてストーリー性を持った作品にチャレンジしたかったことや、10分以上の作品を作ることを条件にアマナツを制作させてもらったことが明かされました。
横嶋監督による「アマナツ」はYouTubeで無料公開されていて、以下から確認できます。
横嶋 俊久監督作品「アマナツ」 / 製作:神風動画 - YouTube
今回公開されたCOCOLORSの話では、水崎氏が下記画像の作画が少しずれているんじゃないかと指摘。公開の場でだめ出しがされるものの、おそらくタイムリマッピングがずれたため、ずれることになったとのことでした。
トークの後はCOCOLORSのメイキングムービーを鑑賞。当初はプロジェクタでCOCOLORSのPVやメイキングムービーを上映する予定でしたが、雨のため急きょディスプレイでの上映になり音声があまり聞こえない状態でした。
音声が聞こえないので、3人は制作現場を振り返りながらトーク。厳しい現場ながらも和気あいあいとしていた雰囲気がこちらにも伝わってきます。
メイキングムービーの中でも特に目を引いたのが、機械の部品がガチャッとひとかたまりになったような物体。これは夫婦で造形作家を営んでいる鎌田光司さんに依頼して作ったもので、設定を伝えると「完成したら連絡するから見にきてほしい」とだけ言われて、完成までほとんど連絡を取りあうことがなかったそうです。しかしながら完成品は、現代の機械などが別の使い方をされているというCOCOLORS独特の世界観を見事に表現していました。COCOLORSの完成作品のどのシーンに登場するのか楽しみにしたいところです。
トークの合間にはこれまでの作品を振り返る場面もあり、作家さんが好きそうなテクスチャを選んで貼り付けて作り上げていくというキャラクター作りが、様々な作例を使って語られました。
最後にもう一度COCOLORSのティーザーを鑑賞してイベントは終了。雨が降りしきる中、GASOLINE MASKプロジェクトの作品を一目見ようと駆けつけたお客さんもかなり満足できた様子です。
なお、上映された「COCOLORS」を含めたGASOLINE MASKプロジェクトの新作映像は、次回のマチ★アソビで公開できるように急ピッチで制作されるとのことです。
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