取材

パン屋さんなのになぜか本物の電気機関車が置かれた「パン・オ・セーグル」


2015年3月12日をもって運行を終了したトワイライトエクスプレスや、同じく3月13日をもって定期運行を終了して臨時運行に移行し、8月には完全に廃止される予定のブルートレイン・北斗星など、かつては多くの人気を集めた寝台列車が姿を消しつつあります。そんな旅客列車を引き続け、運行を支えてきた電気機関車「EF66」を展示するパン屋さん「パン・オ・セーグル」が京都にあるということだったので、いったいどういうことになっているのか見てきました。

天然酵母パンの店 パン オ セーグル
http://seigle.web.fc2.com/index.html

パン・オ・セーグルの所在地は京都府木津川市木津川原田35-7。JR木津駅からすぐの場所にあります。


国道24号線沿いに建つお店。南側から見ると、ごく普通のパン屋さんなのですが……


北側に回ると、ガラス越しにパン屋さんとは関係なさそうな「JR」のロゴマークが目に飛び込んできました。


扉を開けて店内に入ると、そこにはドーンと本物の電気機関車が鎮座。これまでの自分の常識のはるか上を行く光景を目にして、いったい何がどうなっているのかよくわからない状況に。


置かれているのは、日本の鉄道を支えてきたEF66形電気機関車の先頭部分。かつては多くの人を楽しませた旅客列車「ブルートレイン」の顔として親しまれた機関車であり、また2015年時点で現存している車両は貨物列車を引っ張る機関車として日本の各地で活躍しています。


それにしても巨大な車体。それもそのはず、一般的にこのような機関車をこの距離で、しかも真下から見上げることはそうないことなので、駅のホームなどで目にしてきた時とは違った見え方になっていました。


EF66の特徴である、先端部分がつきだした美しいノーズ部分。この形状は他の機関車には見られない大きな特徴となっており、車体を見分ける際の大きなポイント。ナンバープレートには「EF 66 49」の車体番号が書かれています。


店内に掲げられた説明によると、このEF66-49号機は実際に「はやぶさ」や「富士」「あさかぜ」「さくら」といった名だたるブルートレインを始め、さまざまな車両を引いてきた機関車とのこと。お店では、2010年に廃車となったこの車体の先端部分を買い受け、保存することでかつての活躍をたたえているそうです。


かつての姿のまま保存されているEF66。運転台にはレトロ感あふれる扇風機の姿を確認することができます。それもそのはず、当初このEF66には空調設備が備えられていなかったため、後にクーラーが取り付けられるまではかなり過酷な仕事場だったとのこと。


ゴツい金属の塊である連結器もそのまま残っていました。かつてはここにブルートレインがつながれていたのかと思うと、なんだか感慨深いものがあります。


それ以外にも、さまざまなディティールを目にすることができるのは実際の車体ならでは。


思わずEF66にばかり目を奪われましたが、パン・オ・セーグルは全品天然酵母を用い、無農薬有機材料によるこだわりのパンのお店。


店内には焼きたてのパンのいい香りが漂い、食欲をそそられます。


2階部分にはカフェスペースが設けられており、買ったパンをその場で食べることができます。さらに11時から14時まではお昼のランチ営業も行っているとのこと。


2階席からは、機関車を眺めながらパンを食べられるようになっていました。


今回はコロッケバーガー(税込300円)、クロワッサン(140円)、つぶあんドーナッツ(155円)を買ってみることに。


そしてドリンクには穀物コーヒー(390円)をチョイス。


ボリュームたっぷりにつぶあんが入れられた「つぶあんドーナッツ」は、サッパリとした甘さに仕上がっていました。


クロワッサンはバターの風味がよく感じられ、軽い食感と濃厚な味わいが印象的な一品。どのパンも焼きたてなので、おいしくないわけがありません。


そして、コロッケバーガーはボリュームたっぷりのコロッケにソースの香ばしい香りと濃厚さが際立つメニュー。シャキシャキとした新鮮なレタスの食感が心地よく仕上がっていました。


ふと1階に目をやると、焼きたてのパンを並べる店員さんと、それを見守るようなEF66の姿。なかなかよそでは見ることのできない光景を目にすることができました。


なお、毎週土曜日の13時から19時の間はヘッドライトが点灯されています。また、このときはブルートレイン「さくら」のヘッドマークが先頭に取り付けられており、2週間に1度このヘッドマークは交換されているそうです。


2階への階段からは、EF66を屋根部分から眺めることもできます。


長い活躍の時期を終え、線路の上とはまた違う場所で余生を送るEF66の姿というのも不思議とグッと来るものがありました。


「パン・オ・セーグル」は8時30分から19時30分までの営業で、喫茶スペースは10時から16時、ランチは10時から14時の営業となっています。定休日が日・月曜日となっているのが少し残念ですが、土曜日に訪れるとヘッドライトが点灯するEF66を目にすることができるので面白いかも。店舗横には10台の駐車スペースがあるので、遠方から自動車で訪れても問題なさそうです。

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in 取材,   試食,   乗り物, Posted by darkhorse_log

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