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3万4000人が自分の将来をアルゴリズムの手にゆだねていることが明らかに

By Mercy Health

アメリカでは医師開業免状を得るために医学研修を受ける必要がありますが、医者志望の学生が増えているのに対して研修先の病院の数は限られているので、研修先を巡る熾烈な競争が学生の間で繰り広げられています。そんな中、医学部生を対象に研修プログラムとのマッチングを行っている「National Resident Matching Program(the Match)」では、アルゴリズムにより医学生の医学研修先を決定しているそうです。

Another 34,000 People Are About To Put Their Future In the Hands Of An Algorithm | FiveThirtyEight
http://fivethirtyeight.com/features/another-34000-people-are-about-to-put-their-future-in-the-hands-of-an-algorithm/


多くの医学生の将来を決定づけるアルゴリズムは、アメリカの数学者であり経済学者でもあったロイド・シャープレー氏やデイヴィッド・ゲール氏が貢献した「ゲーム理論」に基づいています。ゲーム理論にはさまざまな応用があるのですが、どういった理論なのかを説明するのに適しているのがシャープレー氏とゲール氏が1962年に発表した「安定結婚問題」。

「安定結婚問題」では、女性がそれぞれ結婚したい男性を選び、次に男性はそれを受けるか拒否するかを選択します。パートナーができなかった女性は、もう一度他の結婚したい男性を選びます。この時、女性は既にパートナーができている男性を選んでもOKで、男性は既にプロポーズを受けている場合でもこれを拒否して新たなプロポーズを受けても良し。そして、パートナーのいない女性がゼロになるまでこれを繰り返します。

これにより、パートナーの男女がお互いに現在組んでいる相手よりも好きな相手とペアになることがない、安定したマッチングになるというわけ。

By Makena Zayle Gadient

これを医学生の医学研修のマッチングに応用すると、「学生」と「医学研修先の病院」が、女性と男性に置き換わるというわけ。医学生は病院へ出向きプロポーズの代わりに面接を行い、病院側が受け入れを許可もしくは拒否します。

2014年、the Matchのプログラムに参加したアメリカの医学生(4年生)の内、94.4%の医学生が研修先の病院を見つけることができたそうです。なお、プログラムに参加する医学生の数は3万4000人にものぼるとのこと。

なお、アメリカでいかに医学研修先を見つけることが困難になっているのかを示すグラフが以下のもので、縦軸が医療分野、横軸が研修先を見つけられた割合を示し、赤丸がアメリカの大学の医学部4年生、青丸がその他の志願者を示しています。

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in メモ, Posted by logu_ii

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