ネットサービス

ハッキングしてほしい人と仕事が欲しいハッカーのマッチングサイト「Hacker’s List」


思い通りにコンピューターを操れるハッカーに依頼したい「案件」がある場合でも、実際にハッカーにコンタクトを取る手段はそう簡単には転がっていないもの。2014年に開始されたサイト「Hacker's List」は、そんなハッキング依頼者とハッカーを結びつけるマッチングサイトになっています。

Hacker's List | Find a professional hacker | Home
https://hackerslist.com/

サイトにアクセスすると、最上部には「Find Hackers(ハッカーを探す)」や「Bid Projects(プロジェクトに入札する)」など、どストレートな項目が並んでいます。


「Bid Projects」をクリックすると、ハッキングを依頼したい案件の一覧が表示されました。試しに「University」と書かれた案件をクリックしてみると……


案件の詳細が表示されました。


画面上部には依頼の内容が記載されています。「Description(詳細)」の欄には「ずっと大学に入学できずにいるので、助けが必要です。支払いはエスクローサービスを通じてのみ」との切実な要望。右上の「Budget(予算)」には、2000ドル~4250ドル(約24万円~50万円)と表示されており、案件が成功した際に支払われる成功報酬が分かるようになっています。


その下の「Bid(入札)」には、ハッカーからの入札が表示されています。コメントには「I will.(俺がやってやるよ)」や「time depends on your requirements/ problems.(必要な時間は要望・問題次第)」「詳しいことが聞きたい場合はSkypeでアクセスしてね」といったコメントが寄せられています。


また、それぞれのハッカーが自分で決めた入札額が表示されています。オークション形式のように最安値をつけた人が仕事を得るのではなく、最終的には依頼者のチョイスになるのがポイントかもしれません。


なお、前述の通り、Hacker's Listでは報酬の支払いにエスクローサービスを利用できるようになっています。アメリカ国内でエスクローサービスを提供するためには高い信用度が求められ、未認可でサービスを運営した場合には法律違反になる規定があるので、Hacker's Listには一定の信用度が保証されているようです。

このほかに寄せられている依頼内容を見ると「パスワードをリセットせずに、あるFacebookのアカウントにアクセスしたい。アカウントのメールアドレスとURLはわかります」といったものや……


GPA(欧米で広く導入されている成績評価制度)の点数をよくするために大学の成績を変えてほしい」といった要望も。入札のコメント欄では「データベースにアクセスして成績を書き換え可能。詳細はSkypeで」と、思わず「アウトー!」と言ってしまいそうなやりとりを見ることもできます。


かと思えば、「画像の出どころを見つけて、複数のサイトからデータを永久的に削除してほしい」という、何とも切実さを感じさせる依頼が書き込まれていたりもしました。


なお、「ハッキング」という言葉にはいくつかの捉え方が存在しており、「ハッカー=犯罪者」とひとくくりにしてしまうのはやや早計といえる側面も。元来の「ハッカー」は、優れたコンピューターエンジニアを称賛する言葉だったのですが、時がたつにつれて「コンピューターを悪用して犯罪を行う人」というイメージが広がって来たという経緯があります。現在でも本来のコンピューターエンジニアとしてのハッカーが交流するイベント「DEFCON」が毎年開催され、1万人以上の来場者を集めるイベントになっています。

世界最大のハッキングイベント「DEFCON」のドキュメンタリー映像がYouTubeで公開中 - GIGAZINE


サイトに登録しているハッカーが掲載しているプロフィールの欄には「道徳的なプロハッカー」や「金のために、そして適切な場合に人助けをするために登録した」などと記載されていました。


このHacker's Listは2014年10月ごろに立ち上げられたサービスで、記事作成時点ではおよそ500件の依頼が寄せられています。「ハッカーを雇おう」という刺激的なサービス内容はアメリカでも話題を呼んでいるようで、ニューヨーク・タイムズなどのメディアにも取り上げられています。

Need Some Espionage Done? Hackers Are for Hire Online - NYTimes.com


まだ開始されたばかりのサービスということで、法的な問題も含めて今後どのように展開されていくのかはまだまだ未知数。そもそも、コンピュータースキルの高いハッカーがこのようなオープンなサイトで仕事を探すようなマネをするのかという疑問も浮かぶわけですが、どのように変化・発展していくのか関心を抱いてしまいそうなサービスになっていました。

なお、アクセス権限のないコンピューターに不正にアクセスしたり、データを書き換えるなどの行為は不正アクセス禁止法コンピューター詐欺罪などの法律に触れる場合があるので、念のため頭に入れておいたほうが良さそうです。

警察庁 サイバー犯罪対策:法令等

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
リアルタイムで全世界を舞台にしたサイバー戦争がものすごい勢いで起きている様子が分かる「IPViking Live」 - GIGAZINE

サイバー攻撃が相次ぐ中でハッキング被害に遭わないためのポイントとは - GIGAZINE

スマホで都市システムをハックして街をムチャクチャにしてしまうと人はどんな反応をみせるのか? - GIGAZINE

爆弾・ドラッグ・ハッキングなどについて書かれた本の著者が改心した理由 - GIGAZINE

PSNとXbox LiveにDDoS攻撃を行った容疑で18歳のハッカーが逮捕される - GIGAZINE

ずさんなパスワード管理体制だったソニー・ピクチャーズへのサイバー攻撃は従業員の家族が脅迫を受ける事態にまで発展 - GIGAZINE

中国政府がiCloudにサイバー攻撃をしかけiPhoneユーザーを監視していると報じられる - GIGAZINE

韓国原発がハッキングを受け、内部システムからウイルスが発見される - GIGAZINE

サイバー攻撃に繋がったエストニアの電子投票システムが持つ脆弱性とは - GIGAZINE

in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.