スマートウォッチと連携するBMWの全自動運転車は衝突回避・自動駐車が可能

2015年1月6日からアメリカ・ラスベガスで開催されているCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)の会場には、多くの自動車メーカーがブースを設けて最新のテクノロジーを紹介しています。BMWでは、スマートウォッチなどと連携する「i3」ベースの開発モデルなどの展示を行っています。
I tried to crash a BMW, but it parked itself instead | The Verge
http://www.theverge.com/2015/1/5/7494989/bmw-i3-self-parking-anti-collision-ces-2015
BMW Innovations at the 2015 Consumer Electronics Show (CES) in Las Vegas. 360-degree collision avoidance and fully-automated parking in multi-storey car parks.
https://www.press.bmwgroup.com/global/pressDetail.html?title=bmw-innovations-at-the-2015-consumer-electronics-show-ces-in-las-vegas-360-degree-collision-avoidance&outputChannelId=6&id=T0198231EN
会場で実際にi3に試乗したThe Vergeによる実車レポートがYouTubeで公開されています。
Trying to crash in a self-parking BMW — CES 2015 - YouTube

CESの会場近くに持ち込まれたBMW i3。i3はバッテリーを搭載して電気の力だけで走行する電気自動車です。

通常のi3と異なるのは、車体の数か所に設けられた開口部。この中にはレーザースキャナーが搭載されており、周囲の障害物などを感知するようになっています。

試乗会場には、レンガ造りを模した障害物がセットされています。

まずは障害物めがけてゆるりと発進。

そして当然のように直前で停車。しかしもちろん、このぐらいでは先進の技術と呼べるわけもありません。

続いてi3は、角を曲がるシーンを再現するステージに突入。このまま進むと壁にぶつかるか、内側のドアをがりがりとこすってしまうところでしたが、i3はヒットしないように自動でストップ。

周囲360度をモニタリングするレーザースキャナーをはじめとするセンシングシステムにより、あらゆるケースの衝突を回避・軽減できるようになっています。

前方バンパーの中にもセンサーが鎮座。

そしてなにより、この車両の真骨頂といえるのはスマートウォッチなどと連携した自動走行システムです。クルマから降りた状態でスマートウォッチを操作すると……

誰も乗っていないi3が自動で動き出し、ひとりでに駐車できるスペースを探し始めました。

2台の車両の間にスペースを発見したi3。そのままゆっくりと駐車枠にクルマを停めることに成功しました。なお、駐車位置は事前に指定されておらず、i3が駐車場内を走りながら適切な場所を見つけ出して、自動で駐車しているとのこと。

そして再びスマートウォッチを操作すると、またもやi3は自動で動き出して指定した場所まで走っていきました。駐車場内の走行では、周囲の安全を確認しながらの走行となるため、時速8km程度のスピードに抑えられているそうです。

また、CESの会場では車載用コンピューターシステムとそれをコントロールするタブレットの実演が行われている模様です。
The tablets and gestures in BMW's future - YouTube

手に取っているのはBMWの車載用にカスタマイズされたSamsung製Androidタブレット。一般的なタブレットのように見えますがその中身はBMW用にカスタマイズされたものということで、ホームボタンを押すと専用のメニュー画面が表示されるようになっています。

このタブレットを使えば、車内のあらゆる設定を行うことが可能。後席に座ったまま、助手席のシート位置を変更したり……

空調やオーディオ類の操作を行うことができるようになっています。

ダッシュボードのセンター部分にも同様のスクリーンが搭載されています。

BMWの自動車には、ドライバーの手元の操作ホイールでさまざまなコントロールを可能にするiDriveと呼ばれる独自のインターフェイスが搭載されていますが、開発中のシステムはこのiDriveを進化させた「第2世代iDrive」と呼べるものになるのかも。

現行型ではホイールを使って操作するiDriveですが、新しいシステムでは画面をタッチして操作することが可能になっています。

さらに、ルーフには操作用のカメラが取り付けられており……

画面をタッチしなくても空中で指を動かすだけで操作することが可能になっており、よりドライバーに自然な体勢で操作を可能にするものになりそうです。

これらのCESで公開されている新テクノロジーですが、現時点ではいずれも開発の進められている段階。i3の場合だと実際の市販車に搭載するためにはレーザーセンサーの小型化などの課題が残されており、BMWでは今後3年程度の開発期間が必要としています。ドライバー側や周囲の安全性を高めるものになりそうなシステムの早い実用化が望まれるところです。
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