乗り物

史上初の時速1600キロ超を目指す「Bloodhound SSC」が2015年に挑戦予定


2014年10月現在、地上を走る車両で最も速い速度としてギネスブックに認定されているのはイギリスの開発チームが製作した「スラストSSC」で、その記録は時速1227.985kmというもの。これはマッハ値1.02に換算され、人類で初めて音速を超えた車両となっているわけですが、今度はさらに速い時速1000マイル(約1609.344km)を目指すプロジェクトが進められています。

BBC News - Bloodhound Diary: Putting it all together
http://www.bbc.com/news/science-environment-29784016

記事作成時点での地上最速車両がこのスラストSSC(Super Sonic Car:超音速車両)。戦闘機に搭載されるロールスロイス製のジェットエンジンを2基搭載しており、見た目は飛行機やロケットに近いものの、タイヤが地面に接触しているために「自動車」に分類されています。


砂煙を上げながら走行するスラストSSC。1997年10月15日にアメリカ・ネバダ州のブラックロック砂漠で実施された走行で初めて音速の壁を越えたことが認定されています。ドライバーは元イギリス空軍パイロットのアンディ・グリーン氏が務めています。なお、あえて燃費を計算すると、燃料1リッターあたりの走行距離はわずか18メートルだとか。


このようなスラストSSCでも到達できなかった時速1000マイル(約1609.344km)へ到達するために新たに「Bloodhound SSC」の開発が進められています。とんでもない見かけとなっている車体の様子は開発チームのサイトでも確認できます。

The BLOODHOUND SSC website | BLOODHOUND SSC
http://www.bloodhoundssc.com/


開発が進められるBloodhound SSCの完成イメージがこちら。鋭くとがったノーズ部分から細く伸びた車体は、スラストSSCとは全く異なったものとなっています。車体上部には空気を取り入れるためのエアインテークが配置され、その後方には尾翼が置かれています。その姿はF1マシンか翼のない戦闘機といったところ。


車両は全長13.470メートル、全高3メートルで、燃料をフルに搭載した際の車重は7786kgに達します。


内部構造はこんな感じ。ドライバーは画像右側のノーズ後方に座り、その後ろには筒状の2基のエンジン「EJ200ジェットエンジン」と「ハイブリッド・ロケットエンジン」が上下にレイアウトされています。


エンジン部分のレイアウト。上部には戦闘機「ユーロファイター・タイフーン」に搭載されるジェットエンジン「ユーロジェット EJ200」を搭載して初期段階の加速に使用。そしてその下に配置されることになる「ハイブリッド・ロケットエンジン」が一気に時速1600kmまで車体を加速させる、という仕組みになっています。


そんな化け物のような機体を操縦するドライバーの仕事場がこのシート。超音速での走行が考慮されたためか、まさに戦闘機のようなコックピットになっています。なお、この車体を操縦するのはスラストSSCと同じ、アンディ・グリーン氏の予定となっています。


Bloodhound SSCが走行するイメージムービーでは、実際にどのような仕組みで記録に挑むのかが解説されています。

The 1,000mph Car, Inside Bloodhound SSC - Guinness World Records


ドライバー後方には燃料タンクを搭載。


その後方には、コスワース製のV8エンジンを搭載。最高回転数1万8000rpm・約800馬力というレーシングエンジンですが、これはなんと動力ではなくロケットエンジンに燃料を送るポンプとして使われるというから驚きです。


そして記録達成の要となるハイブリッド・ロケットエンジン。


内部には固形燃料が充填されています。


その燃焼温度は3000度にも達するとのこと。


記録に挑戦する際に、ドライバーはもちろんヘルメットなどで完全防護。


ディスプレイに「STAGE1 ROCKET」の文字が表示されました。まずは1つめのエンジンで初期加速を行います。


上部のエンジンから炎を吐きながら猛然と加速。


果たしてドライバーの視界にはどのような光景が。


そしてディスプレイには「STAGE2 ROCKET」の文字が表示されました。


ここで、コスワース製・800馬力のV8エンジンがうなりをあげます。


ロケットの固形燃料と反応して燃焼を起こすための燃料が一気に送り込まれます。搭載される燃料は、ジェット燃料が400リットルとロケット燃料が800リットル。


固形燃料が燃焼し、3000度の炎を噴きながらBloodhound SSCは時速1000マイル(約1600km)の大台突破を狙います。


この車両を用いた史上最高の「最高速チャレンジ」は、2015年と2016年に南アフリカの砂漠地帯で実施される予定。挑戦のためには長さ18km、幅1.5kmという広大な平地が必要とのことでこの場所が選ばれました。


プロジェクトのウェブサイトでは、チャレンジに向けたサポータークラブ「1Kクラブ」の会員を募集中。20ポンド(約3500円)のブロンズメンバーか75ポンド(約1万3000円)のゴールドメンバーに申し込んでおけば、専用のニュースレターが届いたり、実際のチャレンジの現場に招待されるチャンスをゲットできるようになっています。

1k Club Membership | BLOODHOUND SSC
http://www.bloodhoundssc.com/shop/1k-club-membership

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in 乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log

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