メモ

1GB転送するごとに税金を払わせる法律が実現に向けて進行中

By Armando Sotoca

消費税が27%もあり世界で最も消費税が高い国となっているハンガリーで、インターネットのデータ転送に課する税金の草案が議会に提出され、同国内のプロバイダ業者やインターネットユーザーに大きな影響を与えるだけでなく、税収の確保に困っている他国の政府も追随しかねない内容となっています。

Hungary plans new tax on Internet traffic, public calls for rally | Reuters
http://uk.reuters.com/article/2014/10/22/uk-hungary-internet-tax-idUKKCN0IB0RI20141022

議会に提出された新しい課税規定には「プロバイダ業者にインターネットのデータトラフィック・1ギガバイトごとに150フォリント(約66円)の税金を課す」という条項が組み込まれています。ハンガリー政府関係者は「新しい税金を導入すると年間約200億フォリント(約88億円)の税収入を得られることになる」と主張し、経済的損失を補う解決策の1つになることを期待しています。

By NATS Press Office

ただし、コンサルティングファームのeNETよると、2013年におけるハンガリーのインターネットトラフィックは約11億5000万ギガバイト、さらにモバイル経由のトラフィックが1800万ギガバイトであることがわかっており、2013年度全てのトラフィックに課税すると、約1750億フォリント(約772億円)に達し、ハンガリー政府の税収予測を大きく上回ることに。

議会に草案が提出されたことを受けて、ハンガリーのインターネットユーザーはすぐに反応し、新しい税金に反対するグループをFacebookに設立。グループには既に10万人以上のユーザーが参加しました。ユーザーが危惧しているのは、税金を課せられるのはプロバイダになっているが、プロバイダ業者が利用料金を値上げして対応することは明白で、結局のところユーザーの負担が増えるだけになるのではないか、という点。

By macprohawaii

インターネットユーザーの反対を受けて、ハンガリーの政府関係者は「正確な額は不明ですが、課税によってユーザーが支払うことになるプロバイダ料金に上限を設定するなどして、ユーザーに対する負担を軽減する予定です」と話し、事態の沈静化を図っています

インターネット上における税金には、過去にもオランダでファイル共有を合法化してトラフィックに課税することが検討されたり、イギリスでCDなどの私的複製を認める代わりにMP3プレイヤーに課税する「iPod税」の導入を音楽業界が要求したり、さまざまなものがありましたが、一方で世界的大企業はあの手この手で税金を免れており、例えばAppleの場合は収益をアイルランドの子会社からオランダ経由で無税地帯のカリブ諸国に移転させる「ダブルアイリッシュ&ダッチサンドイッチ」というテクニックで35%の税率を2%に削減、Googleも同様の手法によって過去3年間で31億ドル(約3323億円)を租税回避、Amazonはイギリスに税金をまったく支払っていないのでなんと納税額はゼロ円、スターバックスは過去15年間で1度しか税金を払っていない、というような実態が多々あり、そのしわよせが次第に普通の人々にも迫ってきている、というわけです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
着々と導入される「ダウンロード税」、音楽や映画などのコンテンツに一律課税 - GIGAZINE

オランダ、ファイル共有を合法化し、トラフィックへの課税を検討中 - GIGAZINE

音楽業界が「iPod税」の導入を要望 - GIGAZINE

窓やトランプ、果てはオシッコにまでかかった、古今東西のとんでもない税金いろいろ - GIGAZINE

税収不足を理由に「ダウンロード税」の検討が開始されました - GIGAZINE

ネットのヘビーユーザーへの追加課金が現実味を帯びてきました - GIGAZINE

in メモ, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.