メルセデスベンツが考える近未来の自動運転トラック「Future Truck 2025」
Googleが一歩リードしている感のある自動運転車の開発では、ニッサンやボルボ、BMW、さらにはトヨタが東京の首都高でデモ走行を実施するなど、複数のメーカーが取り組みを進めています。同様の研究を進めてきたメルセデス・ベンツは、安全で効率的な輸送を可能にするトラックのコンセプトモデル「Future Truck 2025」の新型を公開しました。
Mercedes-Benz Future Truck 2025 | World Premiere
これが公開されたメルセデスの全自動運転トラック「Future Truck 2025」。通常なら車体前面にあるヘッドライトが見当たらずのっぺりとした顔立ちをしていて、未来的な雰囲気を醸し出しています。
しかしやはり最も重要なのは「自動運転」というキーワード。車両には周囲の状況を感知するレーダーシステムやセンサー類が搭載されており、状況に応じた判断を自動で行うようになっています。
高速道路を運転中でも、ハンドルを握る必要なし。
自動運転中には、シートの角度を変えてリラックスすることも可能。ドライバーにとっては疲労が軽減できるシステムになりそうです。
緊急車両の接近も自動で感知し……
少し路肩へ寄って進路を譲ります。これも全て自動運転によって行われます。
ヘッドライトは従来とは異なり、面で配置されたLEDライトを装備。
まだコンセプトの段階ですが、実際の光量がどの程度実現できるのか気になるところです。
物流で大きな役割を占めるトラックは社会にとって欠かせない存在ですが、長距離を走ることが多くなるためにドライバーに負担がかかり、事故につながることも少なくありません。そのような負担を軽減するために多くの自動車メーカーでは自動運転の研究と開発が進められています。
Mercedes Is Making a Self-Driving Semi to Change the Future of Shipping | WIRED
http://www.wired.com/2014/10/mercedes-making-self-driving-semi-change-future-shipping/
ドライバーの仕事場となる「キャブ」の内部はこんな感じ。一般的なトラックの運転席のイメージとはまったく異なる、まるでホテルの一室のようなデザインです。
非常にゆったりとした運転席周辺。自動運転中はリラックスした姿勢を取ることができるので、次の仕事に備えた準備を行ったりすることも可能になりそう。
一見すると「脇見運転」のようでヒヤリとさせられる光景ですが、今後はこのようなスタイルが主流になっていくのかも。
また、従来の後方ミラーのかわりに、カメラを搭載。
捉えた映像は、室内にある後方確認用のディスプレイに表示されています。この方法だと、雨の日でもよりクリアな視界が確保できるので安全性が高そう。これは今すぐ実現してもおかしくなさそうなシステムです。
自動運転が導入されることで、退屈な運転や疲れから生ずる注意力散漫状態が解消されるほか、怒りや焦りから生じる危険な運転も回避されることになりそう。システムそのものはほぼ完成の域に達しているようですが、現在は法整備が追いついていない状況のために、合法的に行動を走行できる場所は、アメリカなどの一部を除いてほとんど存在していない状態とのことです。安全に対するメリットが多いといえる自動運転システムの普及にはまだ時間がかかりそうですが、それほど遠い未来でもないのかもしれません。
なお、日本でも販売が開始された「モデルS」を製造するテスラモータースのイーロン・マスクCEOは、同社が2015年に発表する予定の新型車について「走行距離の90%は自動運転になる」と発言しています。実際にどのようなシステムになるのか興味深いところですが、自動運転車両が街じゅうを走り回る日は確実にやってきそうです。
"A #Tesla car next year will be 90% capable of auto-pilot" @elonmusk tells @rachcrane #autonymous
https://t.co/eFDN3eRK40
— CNNMoney (@CNNMoney) 2014, 10月 2
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