特許訴訟の67%を暴利をむさぼろうとする「パテントトロール」が占めているという実態が明らかに
By opensource.com
特許制度は発明者のアイデアが不正に使用されないために権利を保護するためのシステムです。そんな現状の特許制度を駆使してライセンス使用料や賠償金目的の訴訟を起こす行為は「パテント・トロール」と呼ばれますが、パテント・トロール目的の訴訟はなんと全体の67%に及んでいることが明らかになっています。
Patent trolls now account for 67 percent of all new patent lawsuits - The Washington Post
http://www.washingtonpost.com/blogs/the-switch/wp/2014/07/15/patent-trolls-now-account-for-67-percent-of-all-new-patent-lawsuits/
パテント・トロールはアメリカの経済にとって大きな障害となっていますが、アメリカでは2014年に初頭にパテント・トロール対策法案の立法が進められたものの、上院と下院の見解の相違から最終的に立法が取り消しになっています。
特許権の悪用を改善する動きが見られる中で、世界4大会計事務所の1つプライスウォーターハウスクーパースの調査によると、製品などの製造を行っていないにも関わらず特許訴訟を起こす企業・組織を指す「NPE(特許不実施主体)」による特許訴訟の割合は、全体の67%もの割合を占めているとのこと。5年前はNPEによる特許訴訟の割合は27%だったため、パテント・トロールがいかに暴利をむさぼっているかが指摘されています。
大半の訴訟がパテント・トロール側の勝利に終わっているのが現状で、パテント・トロールに有利な判決が出やすいテキサス州・イースタン地区の法廷がよく使われていることも要因の1つとなっています。
これらの問題はアメリカの政府立法機関でも深刻に捉えられており、新たに2014年7月10日(現地時間)に、下院委員会で悪質な特許訴訟を抑制する通称「TROL法」法案が可決されており、上院でも導入が検討されています。TROL法は悪意のある特許使用料を要求する企業を米連邦取引委員会(FTC)が追求することができるものですが、「悪意の証明」の基準が難しいことから論争が起こっているとのことです。
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