パーキンソン病治療にシナモンが効果ありか、マウス実験で運動機能などの症状改善

By ion-bogdan dumitrescu

パーキンソン病とは脳の黒質に影響を及ぼして細胞を徐々に退化させ、重要な神経伝達化学物質やドーパミンを減少させる緩徐進行性疾患の難病です。ドーパミンの減少によって身体静止時の振戦(ふるえ)・動作緩慢・四肢の筋強剛・姿勢保持反射障害といった症状を引き起こします。アメリカ・カナダにおいて患者数は120万人で、日本の患者数は約14万人以上と見られており、発症原因は不明で、治療法が確立されていないパーキンソン病ですが、ラッシュ大学医療センターの科学者たちが、香辛料の「シナモン」でパーキンソン病の進行を停止させる研究で効果をあげています。

Cinnamon May Be Used to Halt the Progression of Parkinson’s disease
http://www.rush.edu/webapps/MEDREL/servlet/NewsRelease?id=1768


Journal of Neuroimmune Pharmacologyで公表されたラッシュ大学医療センターの神経科学者の論文によると、香辛料の「シナモン」がパーキンソン病を発症したハツカネズミの脳細胞に解剖学的変化を起こし、生物力学的な逆行を生じさせることが可能であることを突き止めました。

研究主任のKalipada Pahan博士とFloyd A. Davis教授は、「シナモンは世界中のいたるところで何世紀にもわたって親しまれている香辛料であり、潜在的にパーキンソン病患者の病状進行を停止させる最も安全なアプローチの1つとなります」と主張します。シナモンを摂取すると、食品添加物や高アンモニア血症のFDA認可薬としても使われている「安息香酸ナトリウム」として肝臓で代謝されます。米国で最もポピュラーなシナモンには「桂皮」と「セイロン・シナモン」の2種類があり、どちらでも安息香酸ナトリウムに代謝されますが、質量分光分析の結果セイロン・シナモンは純度が高く、桂皮の方が肝毒性作用を持つクマリンを多く含有することがわかっています。

By rmkoske

パーキンソン病を患う人の脳内ではDJ-1のような重要なタンパク質が減少することが知られていますが、研究によると粉シナモンを摂取した後に代謝される安息香酸ナトリウムが脳に到達すると、パーキンタンパクとDJ-1の減少の停止・ニューロンの保護・神経伝達物質レベルの標準化・運動機能の改善といった効果がマウスを使った実験で見られたとのこと。


この研究にはアメリカ国立衛生研究所も資金援助を行っています。次のフェーズでは粉シナモンを人間の患者に使用する必要があるとしており、「もしマウスと同様の結果がパーキンソン病患者に得られれば、治療法が確立されていないパーキンソン病という神経変性病治療の著しい進歩となるでしょう」とPahan博士は話しています。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log