取材

世界最大の花ラフレシアは本当にトイレの匂いがするのか?


ラフレシアという花を知っていますか?一生のうちにたったの5日間しか咲かない世界最大の花、そしてトイレのような臭いで虫をおびき寄せる事で有名な花です。果たして、ラフレシアは本当に臭いのかどうか、実際に確かめて来ました。

こんにちは!世界新聞特命記者の植竹智裕(うえたけともひろ)です。世界一周中の僕は現在、7ヶ国目タイのバンコクにいます。(赤線は空路、青線は陸路で移動)


僕は5月24日にマレー半島北上の旅から一旦離れて、ボルネオ島北東部にあるマレーシアのコタキナバルという都市を訪れました。理由はただ一つ。幻の巨大花ラフレシアを見るためです。


◆ラフレシアとは
Wikipediaの「ラフレシア」の記事によれば分布地域は東南アジア島嶼部とマレー半島。世界最大の花として知られており、直径90cmほどにも達します。ブドウ科植物の根に寄生する「全寄生植物」で、茎・根・葉はなく、寄生組織から直接花を咲かせます。見た目の色彩や質感が死肉に似ているだけでなく、ひどい腐臭を発します。

◆どう探すか
ラフレシアを一目見るべく、早速、情報を集めてみましたが、大部分がジャングルというボルネオ島で、一人で闇雲に探しても見つかるはずがありません。


そこで、まず向かったのがRafflesia Nature Reserve Centreという場所。


行き方は、コタキナバル中心部にあるMERDEKA FIELD前のバスターミナルからTAMBUNAN行きのミニバスに乗り、途中下車。路線沿いにあるので、行き先を伝えておけばReserve Centreの前で降ろしてくれます。所要は1時間半で料金は10リンギット(約320円)。


ミニバスは人が集まり次第の出発です。また、帰りのTAMBUNANから来るミニバスは満員の可能性もあるので、運転手に、帰りも乗りたい旨を伝えておくといいでしょう。

Reserve Centreではラフレシアの生態について詳しく紹介されています。


原寸大の模型も展示されています。


説明文は英語で書かれていますが、植物学の専門用語が多いので難解でした……。


◆ラフレシアが幻と呼ばれる理由
ガイドさんの話と資料を総合すると、以下の理由から短期滞在の旅行者がラフレシアを見られる事はとても稀のようです。

1.寄生する植物が限られている
2.種からブドウ科植物に寄生するまでの過程は未だ謎に包まれている為、栽培が難しい
3.つぼみの期間が1年以上と長く、開花時期の予想が難しい
4.5日間しか咲かない(実質見頃は3日間程度)
5.咲く季節が決まっていない

◆いよいよラフレシアと対面
ラフレシアの知識が何となく付いたところで、肝心のラフレシアが咲いているかどうか尋ねてみました。するとガイド料・環境保全料込みで52リンギット(約1650円)で連れて行ってくれるとの事。早速お願いし、バイク二人乗り(ヘルメット無し)で出発!


しかし、10分足らずで急停車。ここからはジャングルに入っていくのでしょうか。


どうやらそのようです。


道無き斜面を下る事10分、


ガイドさんが指差す先に……ラフレシア発見!しかし……


小さい!?直径は25cmほど。手触りはキャベツに近い弾力でした。


運良く、周りに生えたばかりの蕾と……


もうすぐ咲きそうな蕾……


そして枯れたラフレシアも見る事ができました。


◆ラフレシアの種類と分布
今回見たのは予想していたより遥かに小さいものでした。ガイドさんによると、ラフレシアにも種類があるらしく、大きさも15cmから90cmまで幅があるそうです。


この時見たのはRafflesia priceiという種類だそうです。


また、今回訪れるまではボルネオ島にしか咲かないと思っていたラフレシアですが、フィリピンやマレー半島(マレーシア本土・タイ)、インドネシアなど東南アジアに広く分布しているようです。


◆ラフレシアはトイレ臭い?
ラフレシアの花粉を運ぶのは蜂でも蝶でもなくハエです。その為、ラフレシアの花はトイレのような臭いを発すると言われています。


せっかくなので嗅いでみました……しかし、無臭。周囲の土の臭いしかしません。ガイドさんによると、ラフレシアが臭いを発するのは開花しているうちのごく短期間で、種類にもよるとの事。ちょっと安心、ちょっと残念。


◆やっぱり大きいのが見たい!
小さなラフレシアは見られましたが、これで終わりではありません。目指すはもっと大きなラフレシア。別の日にキナバル山を見に行った際、ある張り紙を発見しました。それによると、直径約80cmのラフレシアが5月26日から31日まで咲いているとの事。この時、日付は5月27日、まさに見頃です。


翌日、早速向かったのがこのあたり、Peti surat 57 89308 Ranau Sabahにある……


Kokob Rafflesia Observation Gardenです。


行き方は、コタキナバル中心部にあるMERDEKA FIELD前のバスターミナルからRANAU行きのミニバスに乗り、終点RANAUで下車。所要約2時間で運賃は20リンギット(約640円)。そこから乗り合いタクシーで所要20分、運賃は5~10リンギット(約160円~320円)。

見た目はごく普通の民家です。


30リンギット(約950円)の入場料を払い、竹でできたデッキを歩いて行くと……


5m程先に赤茶色の巨大な花が!


これがRafflesia Keithiiという種類のラフレシア。花や蕾の保護の為、近づいたり触ったりする事はできませんが、こちらも存在感たっぷり。貼り紙に書いてあった通り、直径約80cmはありました。


気になるトイレ臭ですが……何とか臭いを嗅ごうと試みましたが、距離のせいで臭いはわからず。またしてもちょっと安心、ちょっと残念。ただ、ハエがたかっていて、遠くからでもその臭いの凄まじさを物語っていました。

◆まとめ
見られるかどうかは運次第のラフレシア。たとえ見られたとしても、臭いが嗅げるかどうかも運次第のようです。大自然が溢れるボルネオ島、もし訪れた際は運試しにラフレシアを探してみてはいかがでしょうか?ただし、種類によってはトイレの臭いがする恐れがあるので、近付く際はくれぐれもご注意下さい!

文・取材:植竹智裕 https://twitter.com/hiro_uetaken

監修:世界新聞 sekaishinbun.net


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in 取材, Posted by logc_nt

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