スマホ操縦可能なクアッドコプター「AR Drone 2.0」が墜落してロッドが折れたので、さくっと修理してみました
スマホで操縦できてハイビジョンムービーの撮影も可能な「AR Drone」は元祖大ヒットクアッドコプターとでもいうべきロングセラー商品です。GIGAZINE編集部のAR Drone 2.0は、幾多の墜落事故にも耐えてきた強者ですが、ついに飛行不能な傷を負ってしまいました。
AR.Drone 2.0. Parrotの最新wi-fi クアドリコプター - AR.Drone.com - HDカメラ - Parrot
http://ardrone2.parrot.com/
飛行不能状態になる直前のAR Drone 2.0。幾多のクラッシュをくぐり抜けてきたマシンにも、ついにその時が訪れました……。
墜落し、ロッドがボキッと折れた事故の瞬間は以下のムービーから。
AR Drone 2.0が風にあおられ墜落、セントラルクロスが破損した瞬間 - YouTube
風にあおられて操縦不能になったAR Droneでしたが、墜落というよりは緊急着陸といった感じ。着陸現場に向かってみると……なんだか様子が変です。
持ち上げると、ブラーンと垂れ下がる右前のロッド。プラスチック製の補強用シールも割れています。
どうやら内部でロッドがポッキリ折れてしまった模様。そこで、AR Drone 2.0を分解して、さくっと内部パーツを交換してみました。
◆プロペラ・モーターを取り外す
セントラルクロスを交換する前に、作業効率アップとパーツ破損防止のために、最初にプロペラとモーターを取り外しておくのがオススメ。なお、プロペラの交換作業には専用のメンテナンスツールがあると非常に便利です。
Amazon.co.jp: メンテナンス ツール (AR.Drone & 2.0用) PF070048: ホビー
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まずはDroneを裸にしてバッテリーを外しておきます。
メンテナンスツールの先端を……
プロペラのEリングに押し当てて外します。
プロペラを引き抜いて取り外し……
銀色のピンを下方向に抜いて……
ギアも取り外します。
次に、モーターを固定している3つのネジを外して……
裏側にある赤枠のコネクタを引き抜きます。
最後に裏側の3つのネジを外せば……
モーターが取り外せます。
◆セントラルクロスを取り外す
Droneの底面のプラスチック製のシール(プラシール)を、粘着テープをカッターナイフで切るようにして剥がします。
剥がせました。なお、このプラシールも交換するので剥がすときに割れても大丈夫。
写真赤枠の発泡スチロールクッションを取り外します。
次に、赤枠のコネクタケーブルを外します。
黒いコネクタを引き出して……
ケーブルを引き抜きます。
下方カメラから延びるケーブルも上方向に引っ張って……
外します。さらに中央のコネクタの……
黒いパーツを引っ張り出しておきます。
続いてマザーボードを取り外すために、赤枠の6つのネジを……
T6サイズの星形ドライバーと……
PH1サイズの+ドライバーで外します。ネジはとても小さいのでなくさないように注意。
ネジが外せたら、小さな基板を斜め上方向に引き上げるようにして外します。
先ほどロックを解除した中央のコネクタからケーブルを抜いておきます。
マザーボードを黒い枠状の台ごと上に持ち上げるとコネクタが見えるので……
慎重に解除。
さらに黒いコネクタも……
解除。非常に固いので、ラジオペンチを使うのがベター。
Drone表面の電源コネクタケーブル・USBケーブルを穴に押し入れると……
こんな感じでマザーボードを筐体内部から引き出すことができます。
次に、Drone筐体サイドのプラシールをすべて剥せば……
セントラルクロスが取り出せます。
カーボン製のロッドは、この通り完全に折れていました。
◆新品パーツに交換
新品のセントラルクロスを取り出します。
Amazon.co.jp: セントラルクロス (AR.Drone & 2.0用) PF070036: ホビー
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袋を開けると中にはセントラルクロス・プラシール2枚が入っていました。
セントラルクロスの1から4までの数字が書かれた側を上向きにして……
1と2の間にある突起が……
Droneの前方に来るように装着します。
マザーボード裏面の黒色コネクタと……
白色コネクタを接続。
マザーボードを4つのネジで固定。
中央部分のケーブルを……
コネクタに入れてから黒いコネクタを閉じてケーブルを接続。
同様に、赤枠部分のコネクタも元の通り接続します。
◆モーター・プロペラを装着
取り外したモーターを新品のセントラルクロスに装着し……
裏側のコネクタケーブルを装着。
裏側の3つのネジを締め……
表側の3つのネジも固定。
ピンを差し込み……
ギアを装着。
プロペラは切り込みがあるので、この切り込みに合わせるようにしてはめ込みます。
最後にEリングをはめ込めば……
ほぼ完成。なお、この段階で通電テストを行っておくと、万一コネクタケーブル類の取り付けミスがあっても修正作業は比較的簡単です。
発泡スチロールクッションを元に戻して……
Drone底面に付属のプラシール(大)を貼り付けます。
保護フィルムを剥がしてから……
シールの穴を付属のプラシール(小)でふさぎます。
最後にロッドのプラシールを取り付けたら……
セントラルクロスの交換作業が完了!
AR Droneは動力性能もさることながら、アフターパーツが豊富に用意されているので、購入して修理ができるのもユーザーとしてうれしいところ。クラッシュによる破損はなるべくならば避けたいところですが、壊れたパーツを交換することでAR Droneをより深く理解できることは間違いなし。さらに、壊れたDroneを復活させることで深まる愛情は、何物にも代えがたい大切なものと言えそうです。
なお、AR Droneはバッテリー2本の付いたSand VersionがAmazon.co.jpで数量限定3万8510円(通常配送料無料)となっています。
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